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『Bully: Anniversary Edition』レビュー - こだわり抜かれた学園オープンワールドゲーム

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クライムアクション『Grand Theft Auto』のRock Star Gamesによる、オープンワールドの学園アドベンチャー。それが『Bully: Anniversary Edition』だ。
『Bully』とは、悪ガキのこと。
本作は、方々で悪さをして全寮制の学園ブルワースアカデミーに転校させられたジミーを主人公とした、ワンパク青春ドラマを楽しむゲームである。

いたずらしたり、スクールカースト(学園内の陰湿な階級)に立ち向かったり、いい気になったり、反省したり……ジミーの引き起こすトラブルは、まさに青春ドラマ。
海外の学校を扱っていながら、日本人にも共感できる部分もあり、じっくり遊ぶゲームを探しているならお勧めしたい。

とにかく、このゲームの魅力は学生感あふれるオープンワールドにある。
学校と周辺は3Dで作られており、プレイヤーは好きなようにマップを探索し、さまざまな学生イベントを体験できる。
アルバイトに精を出しても良いし、ボクシングを習ってもいい。ビー玉で他の学生を転倒させたり、女の子にプレゼントしてキスしてもいい。
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ロッカーを勝手に空けてアイテムを盗んだり、女子寮に忍び込んだりもできるが、できるのは「ワルぶった学生のいたずら」で止まり。
やんちゃしすぎると画面右の「トラブルゲージ」が貯まり、風紀委員がやってきて補導されてしまう。何回も補導されると、芝刈りなどの奉仕をするハメになる。
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▲芝刈り機。この後、これに乗って脱走を図ったが、再度補導された。

ゲームの交通手段も、学生っぽさにあふれている。
学生の移動手段と言えば……バスと自転車。とくに自転車はスピード感が良い感じにでており、学生時代の「自転車乗ったら無敵だぜ!」という感じが出ている。
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そうして探索する街も作り込みが細かく、ハイソな香りのする金持ち地区、荒れ放題なダウンタウンと、地区ごとに外見はガラリと変わる。
遊園地に行けば乗り物には全部乗れるし、屋台のミニゲームだって遊べる。
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何よりすごいのが、同じ顔の学生や先生が2人といないこと。同じ外見の人物が同じ画面に出てくることはないので、学校のリアリティが段違い。
お気に入りの学生を見つけて、プレゼントしてキスするなんて遊びも可能だ。
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さらに、ゲームのストーリーに合わせて季節が進み、ハロウィンや冬景色、秋の紅葉を楽しめる。
こう言った四季折々の景色を楽しめるのは、こういった作り込みはGTAの祖先と言われる『シェンムー』を彷彿とさせる。
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学生の若さを感じる作り、季節の行事(日本と違うとは言え)は懐かしさを感じる。学生気分を味わえるのは、このゲームならではの魅力だ。

その中で展開されるストーリーもまた魅力的。
悪行を重ねた末、悪ガキを矯正する学校「ブルワースアカデミー」に送られたジミー。先生は「伝統ある学園」などと言うが、ここは「ゴミ溜め」と言われるほどの底辺校。
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学園の荒れっぷりは、本当に凄まじい。ジミーの学園生活は、新入りに対する不良の洗礼から始まり、暗雲が立ちこめる。
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学校を散策していると、学生たちが頻繁に喧嘩し、強い者が弱い者をいじめる地獄絵図が展開される。
ジミーの操作にも「賄賂」のオプションが用意されており、問題はお金で解決するのが学園の常識となっているようだ。
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そんな底辺校の中でもジミーのやんちゃは知れ渡っており、ゲームスタート時は女子に近づくだけでいやがられる有様。果たして、ジミーはここで暮らしていけるのか……?
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と、暗雲立ちこめる状況から始まるが、遊んでみれば明るいワンパク青春物語である。
学園の基本スケジュールは決まっていて、8時に起床し、9時から11時半、13時から15時半まで1日2回は授業が必ずある(なお、土日の概念はない!)。
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全ての授業はミニゲームになっており、攻略すればメリットがある。
英語の授業ならば話術が上がって喧嘩を避けやすくなり、体育の授業ならバトルの技が増え、美術ならキスがうまくなる(そして、なぜか体力が増える)。それぞれの授業から技術を学べるのだ。
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授業をサボることもできるが、風紀委員に見つかったら追い回されるし、体育と美術の授業はぐらいは出ておいた方が良い。
で、授業が終わったら、次は課題(ミッション)の時間。広いマップからイベントを見つけ出し、これをこなすと学園内の時間が進行してストーリーが進行する。

ストーリーは学内の派閥と関わりつつ進んでいく。学校内は、インテリ集団、お坊ちゃん集団、体育会系など5つの集団に分かれており、それらの集団との関わり合いと共に進む。
スクールカースト上位、体育会系にいじめられた女の子を助けたり……。
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インテリ集団……と言う名のオタク集団がいじめられているのを助けたり。
主人公はぶっきらぼうな悪ガキで、正義感と言うよりも場当たり的に行動した結果として仲間を作り、学園に居場所を作っていく。
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▲テーブルトークRPGは、人類の最も偉大な業績だよ

演出も細かく、最初は誰もが声をかけてくれなかったのに、道を歩いているときに挨拶してもらるようになったときは「これだよ!」と思ってしまった。
日本と海外という差はあれど、王道のストーリーが展開し、最後はちょっとぐっとくる瞬間もあり、少年漫画的な学園ものとして楽しめるはずだ。

難点というか、残念な点はイベント会話や文字部分以外は日本語化されていないこと。学生のひそひそ話や町の人の会話が分かればもっと楽しかっただろう、と思う。
しかし、それを考えても十分に楽しい。
血なまぐささがなく、四季折々に変化する環境を楽しむ要素があり、GTAのような犯罪系のゲームが苦手な方でも楽しめるため、そういった方がオープンワールドの魅力を感じるにももってこいだろう。

かなり面白いので、じっくりプレイするゲームを探しているならこれを試して欲しい。

評価:8(かなり面白い)

課金:
なし

おすすめポイント
四季折々に変化するオープンワールド
王道学園ものストーリー
学生感あふれるワールド

気になるポイント
メインでない会話が英語

(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Bully: Anniversary Edition (itunes 840円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)