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これぞ王道、避けやすい弾幕シューティング。『弾幕月曜日』レビュー

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『弾幕月曜日』は、『.Decluster』シリーズで世界のシューティングマニアから高い評価を得たMasayuki Itoさんの最新作だ。
鮮やかで美しい弾幕が画面を埋め尽くすが、それでいてなぜかスルスル避けられる王道の弾幕シューティング。
さらに、極めれば.Declusterと同等以上の素晴らしい内容を持ちつつ、シューティング初心者が段階的に上達できる仕組みも導入している意欲作となっている。
ただ、仕組み的に少し失敗している部分もあり、それを避けて遊ぶ必要はあるが。

弾幕月曜日の特徴は、初心者が無理なく弾幕シューティングに入っていける「間口が広いシューティング」と、『.Decluster』シリーズや他の弾幕シューティングが好きなプレイヤーを納得させる「激しい弾幕シュー」の2つの面を持っていることだ。
2本分のゲームが1つのアプリに収まっていると言っても良い。そんな作りになっているが、基本システムは共通なので、まずはそこから説明していこう。

移動には指の動きに合わせて自機が動く相対タッチ、ショットはオートショットを採用。画面下には指の置き場もあるので、画面を指で隠さず快適に操作できる。
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また、2本指で画面を触るとボム(敵弾を消して緊急回避)のスマホシューの基本的な操作を採用している。
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唯一独特なのは、機体の切り替え。機体の種類は全6種類で、出撃時に最大2タイプの機体を選び、プレイ中にダブルタップで切り替えられる。
なお、課金専用の機体が4種類あるが、遊び方が異なるだけで無料で使用できる機体も同じように強いので安心して欲しい。
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で、実際にプレイしてみると、ゲームシステムも弾幕シューティングの基本を踏襲していて、面白い。
自機のあたり判定は円で示されていて見やすいし、弾の当たり判定はほとんどの場合は先端や中心部にしか存在せず、画面いっぱいに敷き詰められた弾幕は意外にも避けやすい。
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画面はカラフルかつ派手で気持ちいいし、ボムを敵弾に当てると敵弾が得点アイテムに変換されるので、大量の弾幕に向けてボムを撃つと爽快。
画面中の弾が得点アイテムになって、一斉に自機に吸い込まれる様子は爽快の一言。
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スコアシステムは、スコア倍率制を採用しており、スコアが増えるときにスコア倍率がかけ算されて増えていくようになっち得る。
スコア倍率は出現した敵を早く倒すほどに上がるので、ステージの前半では敵を早く倒して得点倍率を稼ぎ、後半はボムで敵弾を得点アイテムに変える得点アイテム重視のプレイをするとスコアが増えていく。
ボムを使い方1つでスコアが大きく変化するため、スコア稼ぎのポイントを見つけるのは楽しい。
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と、このようにわかりやすい仕組みを採用しており、実際にプレイすると楽しいし、敵の出現パターンも、ボス演出も良くデキている。
で、この土台の上に2つのモードが用意されている。

1つめのモードは、チャプターモード。
全50ステージを順番にプレイし、ステージごとに設定されたミッションを達成していくモードである。
ミッションは「ボムで○体倒せ」とか「ボスの全部位を破壊しろ」など、ステージによりさまざま。ミッションを一定数達成すると次のステージに進む仕組みで、少しずつゲームになれていける仕組みになっている。
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ミッションをこなすとAPが手に入り、これを利用して機体を強化していける。パワーアップ要素は「ショット速度」「オプション」から、「アイテム収集範囲」までさまざま。
序盤は機体が弱く、シューティングとしての爽快感も薄い。だが、ステージが進むにつれて敵の攻撃が激しくなり、プレイヤー側も上達し、無理なく本格弾幕シューティングにデビューできるのがチャプターモードだ。
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もう1つは、ゲーマー向けにはチャレンジモード。
これは1つの長いステージを遊び、スコアを競うもの。このモードは4段階の難易度が設定されており、最高難易度であれば上級者も納得の歯ごたえと面白さである。
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元々のシステムが面白く、上級者から初級者まで楽しめるわけだ。
だが、2つの対象に向けてゲームを作ると、どこかで齟齬が生まれる事が多い。そして、弾幕月曜日もその罠にはまってしまっている。おそらく、シューティング上級者ほど、このゲームをすぐにやめてしまうだろう。
というのも、初心者向けの序盤のステージは機体のショットもショボいし、敵の出現パターンもシンプルで食い足りないからだ。
正直、「つまらない」と感じてもおかしくない。しかも、ミッションモードをある程度クリアしないと上級者向けのチャレンジモードは遊べない。

チャプター3まで進めれば歯ごたえも出てくるが、その前にやめるプレイヤーもいるだろう。
そんなシューティング熟練者は、「フル強化・チャレンジパック」で一気にパワーアップすれば、普通のシューティングと同じように遊べる。その価値が十分あるゲームなので、安心して買っていい。

そしてもう1つ、バランス面の落とし穴もある。APが十分に手に入らないため、ミッションモードでは初期の機体(レーザー)だけ集中して強化しないと同じステージを何度も繰り返すハメになるのだ。
シューティング慣れしているほど早くAPが貯まる仕組みにはなっているが、間違えてワイドショット機体を買ってしまうと先に進むのがなかなか辛い。
機体のタイプが違うとパワーアップも別なので、成長させる手間もかかる。

とはいえ、余計な機体を買わなければ初心者には素晴らしいゲームだし、序盤を切り抜ければ上級者にも面白いゲームになっている。
だから、シューティング入門は最初から地道に、上級者はフル強化パックを買って遊びまくって欲しい。

評価:7(要チェック)

課金:
追加機体。120円×2、240円×2。それぞれに機体+アルファのおまけ効果あり。
おすすめはAPが増えるサーチ。STG上級者なら480円の「フル強化パック」がおすすめ

おすすめポイント
鮮やかで見やすく、避けやすい弾幕
弾幕シューティングにコツコツ入門できる
チャレンジモードはシューティング好き納得の面白さ

気になるポイント
複数の機体をパワーアップするのが面倒

(バージョン1.3.0、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
弾幕月曜日 (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)