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何度やっても飽きない。遊ぶたびに変化する360度シューティング『Leap of Fate』レビュー

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ニューヨークの陰に生きる4人が、己の運命を切り開くために戦うサイバーパンク360度シューティング。それが『Leap of Fate』だ。
移動と照準を同時に行うツインスティックシューティングのテンポの良さが、瞬間移動「シャドウウォーク」と必殺技「グリフ」によってさらに加速され、上達するほどに美しく立ち回れるゲームはやるほどに楽しい。
さらに、ステージ構成も、パワーアップ分岐も毎回ランダムなのでローグライクチックに毎回新鮮な気持ちで飽きずに遊べる。

少しゲーマー向けの複雑さで、最大限に楽しむならiPadの画面サイズは必要。だが、それを満たせるならまずハマるおすすめゲームである。
本作はステージ方式を採用しており、ダンジョンをピラミッド状に重なったカードで表現している。
1枚のカードがダンジョンの1部屋で、カードのマークが部屋の内容を示す。敵が多い場所はドクロマークが多く、宝の豪華さは宝箱マークの大きさで示される。ショップや試練の部屋など特別な部屋もある。
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プレイヤーは上から順にカードをめくり、ダンジョンを進んでいき、最終的にボスカードの部屋を攻略するとステージクリアとなり、最終ステージを攻略すると新たな運命を切り開いた主人公のエンディングストーリーが見られる。
ただし、ライフが最初からからやり直しとなる。
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▲ストーリーは英語だが、理解しなくてもゲームは楽しめる。

バトルの基本システムは、移動スティック+指をスライドした方向に弾を発射するツインスティックシューティング。
だが、「シャドウウォーク」と「グリフ」の存在により、アクションゲームとしてのテンポ感が大幅に強化されている。
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シャドウウォークとは、瞬間移動である。画面左上をタッチすると、シャドウウォークの準備に入り、時間の流れが遅くなる。この状態で目的地をタッチすると、瞬間移動が完了する。
たとえば、下の画面。シャドウウォークの準備に入った状態で敵を引きつけて……。
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一気に背後へ!シャドウウォークには追加効果もあり、例で示したキャラクターのAeonであれば、移動経路にいた敵にダメージを与えてもくれる。
つまり、シャドウウォークは単に移動してピンチを逃れるだけでなく、攻めにも使えるのだ。
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▲元いた位置と、移動後の位置の間にいる敵全員のライフが減る!

グリフは、言ってしまえば魔法のようなもの。使い方はシャドウウォークとほぼ同じ。画面右上をタッチして準備態勢に入り……。
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ターゲットを決めて発動。グリフは破壊力抜群なので、後半に強敵と戦うときは必須となる。
また、グリフはキャラクターによって異なるが、プレイ中にアイテムをとって変更できる。レアグリフもあれば、グリフの仕様上限アップアイテムと組み合わせて初めて真価を見せるグリフもあり、グリフの引き次第でゲームの展開すら変わることもある。
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この2つによって、単なる360度シューティングではなく、シャドウウォークで高速移動し、効率よくグリフを叩き込んで敵を倒すテンポの良いゲームになっているわけだ。
これらは部屋に入るたびに一定回数使えるので、けちけちせずに使い切れるのも良い。
操作に慣れるまで戸惑うが、慣れてしまうとスピーディーにゲームが進む爽快感がたまらなくなるはずだ。

そして、そのアクションを飽きずに何度も遊べるものにしているのが、個性豊かなキャラクターと成長システム。
キャラクターそれぞれに異なる性能を持ち、攻略法もハッキリ異なる。
影の魔法使いAeon。彼は直線ショットを放ち、シャドウウォークで移動した道筋にいる敵にダメージを与える。オーソドックスで使いやすいキャラだ。
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サイボーグ、Big Mo。彼は破壊の権化で、能力が極端。
破壊力のあるビームは便利だが、使いすぎると一定時間は冷却時間に入ってしまう。囮能力のあるシャドウウォークで敵を遠くに集め、手榴弾のグリフで一網打尽にできるが、グリフ使用回数は極端に少ない。
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精霊使いのMukai。彼は接近戦で戦うため、ダメージを受けやすいが、攻撃の火力はピカイチ。ボスをスタンさせて滅多打ちにできる。スリルと爽快感を味わうならこいつだ。
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不死の超人Rasimov。彼はライフを消費して買い物やスキル強化を行う。敵はマナを落とさず、その代わりに頭蓋骨を落とす。頭蓋骨を貯めると、ライフが回復する。
強いのだが、ライフ管理がプレイのメインになる。
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キャラクターに応じて、4種類のプレイスタイルがあり、ゲームを進めるとそれぞれに異なるストーリーも楽しめる。
それだけでも飽きないのに、ゲームの成長システムの揺らぎがまたいい味を出している。
本作では、マナを支払うとパッシブ・移動・攻撃の3種類のスキルを得られる。
ライフの最大値や攻撃力を上げるベーシックなものから、シャドウウォークの効果を変えるもの、ダンジョンの部屋自体を変えるものなど、さまざまなスキルがあるのだが……このスキルの成長ツリーがランダム。
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スキルツリーの上から順番にスキルを覚えていく必要があるので、あるときは強力な能力が序盤から手に入り、あるときは欲しい能力がなかなか手に入らないなんてことも多い。
さらに、パッシブスキルはレベルが上がるのに移動スキルは上がらないなど、スキルを覚える優先順位もプレイごとに変わるので、毎回偏ったキャラクターができるのだ。

ただ、同時にそういったゲームは大抵「強い能力が手に入らない不便」を感じるものだが、このゲームはキャラの個性がハッキリしているため、60%ぐらい大枠のプレイスタイルは変わらず、残り40%程度に変化が発生するようなバランスになっている。
だから、プレイに窮屈さは出なくて、フレーバーが毎回変わるような印象。ここは、奇跡的なバランスを保っている。
万が一にキャラクター育成がうまくいかなくても、かなり多くのミッションが用意されており「とりあえず、ミッションをこなして次のプレイに賭けよう」とい落としどころもある。
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▲ミッションをこなすと、追加能力や機能、ハードモードが細かく解放されていくので結構やりがいがある。

まあ、何はともあれ、冒頭で書いたように「ある程度ゲーマー」で「iPad」を持っているなら手を出してみて欲しい。
シャドウウォークで駆け抜け、グリフを叩き込むゲームプレイは上達するほどに癖になるし、毎回異なるプレイフィールのゲームは飽きるところがない。
レアグリフを手に入れ、入手アイテム、スキルがかみ合った日には脳汁が出まくり。
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▲レアグリフを手に入れて、ゴーレムに戦わせてレーザーで遠くで撃つお仕事。楽々クリア……

ただ、画面が小さいとキャラクターが見づらいので、このゲームを楽しめるのはiPadか、iPhone Plusのサイズの端末を持つプレイヤーだけだと思う。
その点だけは残念だが、こんな面白いゲームの定価が480円なのは、正直「お安い」としか言えない。
説明文を見て気になった方は、即座に試して欲しい。

評価:8(すごく面白い)※iPhoneなら評価7

課金:
なし

おすすめポイント
プレイのたびに変わる成長とダンジョン構成
シャドウウォークで高速移動し、テンポ良く楽しめるゲーム
各キャラクターの個性が際立っている
ミッションと、プレイで解放されるストーリーが繰り返しプレイに目標をくれる

気になるポイント
画面が小さいとあまり楽しめない

(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Leap of Fate (itunes 480円 iPhone/iPad対応)

動画: