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安定のリズムゲームを、絵本風の物語とともに楽しむ。『Lanota』レビュー

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また、台湾なのか。良質なリズムゲームの産地から、「定番」とも言える品質の新作が登場した。
『Lanota』は、台湾のリズムゲーム好きが集まって作られた「絵本風ロールプレイングリズムゲーム」。
まず、絵本風に示されるストーリーが魅力となっており、絵とストーリーで楽しめる。その上に、ダイナミックな演出と基本に忠実なリズムゲームが加わり、幅広くお勧めできる1作となっている。
「カオティック」と呼ばれる現象により、音と色が失われ、崩壊しつつある世界。
その中で、色と音を守るクリスタル「ノタリウム」を調律し、人の住める世界を取り戻すことを目的に主人公たちは旅立つ。
イラストがふんだんに使われ、絵本調に進んでいくストーリーはわかりやすく、魅力的だ。
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そして、ワールドマップから曲を選ぶと色のない世界が表示され、「調律」が始まる。
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リズムゲームパートは、オーソドックスなリズムゲームである。
画面には巨大な円盤が表示され、中央から外枠の判定ラインに向かってマーカーが流れてくる。そのマーカーを、リズムに合わせてタッチしていけばスコアが増える。
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マーカーは3種類。タッチが必要な白いマーカー、指定方向にフリックする矢印付きマーカー、画面を押しっぱなしで受け止める青いマーカー。
リズムゲームに慣れているなら、違和感なく入り込めるわかりやすさだ。
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システム部分は普通だが、演出面はなかなか新しい。
中央の円が一部だけ大きくなったり、操作に合わせて回転したり、360度ダイナミックにマーカーが出現したりと、演出的な見応えや曲とのシンクロ度は十分。
上下の反転には最初戸惑うかも知れないが、慣れれば問題なく楽しめる。
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そして、曲が終わると「調律」が完了し、線画に色が塗られ、ストーリーが続く。
これをラストストーリーまで繰り返し、ストーリーを見終われば後はハイスコアを狙って遊ぶゲームとなっている。
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リズムゲームとして見ると、上級者も初級者も楽しめる配慮が素晴らしい。
システムはオーソドックスだが、ミスしてもゲームが進む「Tune」と、ミスが多いと途中で終了になる「PURIFY」の2段階のモードも選べるのがまず初心者に嬉しい。
それでいて、各曲は3段階の難易度、10段階の譜面速度を最初から選べるの上級者もでてプレイしやすい。
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また、リズムゲームはただスコアだけを求めるストイックなプレイになりがちだが、その点に対する配慮も良い。
色のない世界からのストーリー→ゲーム→色がついた世界とストーリーの流れに達成感があり、初期はストーリーを追っているだけで楽しい。
そして、1度クリアした曲には「チャレンジ目標」が表示され、これをクリアすると「ノタリウム」を手に入れられる。これを集める事を目標に、段階を踏んで上達できるのも良い。
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曲は民族音楽調からピアノインスト、ポップス、日本語曲まで幅広くそろえており、クオリティは十分。
曲数は初期の240円で10曲。追加楽曲は480円で5曲。イラスト付きのストーリー、曲が入っていることを考えれば音ゲーの中でも格別に安い。
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▲楽曲は購入前に視聴可能。

気になる点と言えば、マーカータッチ時の音が消せたり、複数から選べるとなお良かった程度。
安心して遊べるゲームシステム、ただストイックなプレイにならない配慮、魅力的なイラストとストーリー。
別段突っ込みどころはなく、リズムゲーム入門にも、リズムゲーム好きにもおすすめできる『Lanota』は、間違いなくリズムゲームの定番になるだろう。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント
可愛いイラストと、ストーリー
段階を踏んで上達できるチャレンジシステム
曲に合わせたダイナミックな演出


課金について
480円でストーリーと楽曲5曲

(ゲームキャスト トシ Ver 1.0)

アプリリンク:
Lanota (itunes 240円 iPhone/iPad対応)