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25の世界を巡るエレベーター。『Elevator: Isolation』レビュー

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突然だが、筆者は不思議な塔を上るRPG、『魔界塔士SAGA』が好きだ。
塔は様々な世界につながっていて、現代、SF世界、平和なディストピアなど、進むたびに異なる世界がパッと出てくる不思議さに、幼い頃魅了されていた。
そして、この『levator: Isolation』も、そんな要素を持つゲームであり、最近のお気に入りだ。
本作は、異次元をつなぐエレベーターに乗って25の世界を巡る、短くて不思議なアドベンチャーである。

ゲームは、「HAPPY INC」という怪しげな会社の建物に入るところから始まる。
操作は移動と、視点操作だけなので、説明なしに誰でも遊べるだろう。
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さて、そうして進むと目の前にはエレベーター。出口は開かない。
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辺りを見回していると、プレイヤーを招くようにエレベーターの扉が開く。どうやら、エレベーターに乗るしかないようだ。
スイッチを押すと、扉が閉まり、勝手に階を移動し始める。
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そして、次に扉が開いたとき……そこにある白黒の世界。
いったい、ここはどこなのか。ただ、気になって外に出ようとしても、プレイヤーはエレベーターから外には出られない。
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そして、時間が来るとドアが閉まり、またエレベーターが移動を開始する。
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次に扉が開いたときに出てきたのは……「HAPPY INC」。しかし、なにやら物騒な気配を漂わせている。
これは、平行世界なのか、それとも現実なのか。しかし、やはり外に出られず、見ることしかできない。
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深く考察するまもなく、エレベーターは移動し、次々と違う世界が開ける。
時限爆弾と、それを解除するロボット。解除に失敗したら、どうなってしまうのだろうか?
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地下鉄の線路上。目の前からは、電車が迫ってくる。
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……緊迫した瞬間が続くかと思えば、8bit風の世界に迷い込むことも。
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そして、すべての世界を見終えたとき、初めてプレイヤーはエレベーターから降り、自分の足で移動できる。
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本作は、初めてUnity(ゲーム制作ツール)を触った作者による習作だ。そのためか、明示的に何かしらのテーマが線でつながることはない。
しかし、ほぼ操作ができない中で異なる世界を見せられると、想像力が働いてしまい、なんとも言えない奇妙なもやもやが心の中に残る。
こういった体験もまた、ゲームならでは。
これで世界観がもっと練り込まれていれば、一気に名作になれたかもしれないのだが……そこまで望むのは贅沢というものか。

「見るゲーム」と割り切って体験すれば、短くて不思議な体験に満足できるだろう。

評価:5(面白い)

課金:
なし

おすすめポイント
次々と不思議な世界が提示され、想像力が刺激される

気になるポイント
世界観の掘り下げが足りない

(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Elevator: Isolation (itunes 240円 iPhone/iPad対応)