ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

5分で終わる寂しい物語。『The White Lie』レビュー

thewhitelie_1
『The White Lie』は、たった5分で終わるアドベンチャーである。
だが、ダーク系の絵本のようなアートが、どくとくの演出がプレイヤーを5分間釘付けにして、どっぷり世界観にハマらせる。
そして、終わった後はその5分で見たものについて少し考え込んでしまう。ちょっとした「体験」である。

ウサギのぬいぐるみ「グレッグ」と、その持ち主の「エマ」は仲良し。
thewhitelie_3

今日も、お互いに「おやすみ」と眠りにつく。
thewhitelie_4

だが、翌日起きると、エマは黙って消えていた。
さらに不穏な音楽とともに、扉から触手が部屋に侵入し……。
thewhitelie_5

部屋に飾ってあった物品や、二人の思い出の写真を次々と消していく。
thewhitelie_7

しまいには世界が色あせ、すべてが消えてしまう。
thewhitelie_9

最後に残った小鳥が、「何者かがグレッグとエマの記憶を消し去っており、すぐにでも逃げなければならない」とだけつげ、グレッグはエマを探して旅に出る。
thewhitelie_2

果たして、グレッグはエマを探せるのか。
これがあらすじなのだが、ここまででゲームの半分で、この後すぐにゲームは終了する。
App Storeには、「このゲームは5分で終わる。ゲーム制作のチュートリアルを作ったヤツが、試しに作っただけだ」という★1レビューすらある。

ただ、私は短いから評価を下げる作品とは思わない。
だが、アートワークや音の使い方は素晴らしく、プレイしている5分間はどっぷり世界観につかれるはずだ。

そして、逆にゲームが短いがゆえにプレイ後に考えるところがあった。
「The White Lie(罪のない嘘)」というタイトルは、このゲームのどこにかかっているのだろうか。
安直に考えると、小鳥が捨てられたグレッグに「記憶を消された」と嘘をついているのかもしれないし、また別のところに嘘があるのかもしれない。
短くても、世界観が確立しているから後味がある。

『The White Lie』は、たった5分で終わるが、後味まで感じられるアドベンチャーである。
時間がない方にうってつけだと思うので、ぜひ遊んでみて欲しい。

評価:6(面白い)

おすすめポイント
寂しげな世界観

気になるポイント
5分で終わる

課金
なし

(バージョン1.0 ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
The White Lie (itunes 無料 iPhone/iPad対応)