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リアルでもCGでもない不思議な映像。ミニチュアの街をさまよう『Lumino City』レビュー

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3Dグラフィックス全盛期の今だからこそ、手作りのすばらしさが光る。陳腐なフレーズだが、『Lumino City』を遊べばその言葉に納得できるはずだ。

ゲーム中に登場する建物などは、紙やカードを使ったミニチュアを撮影したもの。街中のエレベーターや、大きな風車などのギミックも、ミニチュアライトやモーターを使った手作り。
それをゲームに取り込んだ結果、CGでもリアルでもない、不思議な映像世界を楽しめるオンリーワンのゲームを作り上げることに成功している。
このゲームは、ルミという少女を操作し、不思議な街で誘拐された父を探すアドベンチャーだ。
システム自体は普通で、気になる場所をタッチして調べ、謎を解いて先に進むだけ。
しかし、ミニチュアで作られた風景と世界観を味わうだけで楽しい。もう、これだけでご飯3杯はいける。そんなすばらしさだ。
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『Hitman GO』や『Warhammer Quest』のように、ミニチュア風のゲームは他にもある。
だが、3DCGで作られた「ミニチュア風」と比べて陰影のつき方、物質の質感が異なり、独特の景観を作り出している。
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リアルなのに、現実感はない街の空気感はぜひ体験しておくべきだ。
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さらに、リリース当初は日本語に対応していなかったが、アップデートで日本語でも楽しめるようになった。
住人たちの会話や生活は、やはり現実離れしており、街の不思議さを演出している。
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ゲームに使われたミニチュアの設計図などの資料、謎の解法を書いたマニュアルが付属するので、難しい謎解きゲームが苦手でも、十分に楽しめるはずだ。
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▲目次は日本語だが、本文は英語。ただ、図説付きなのでなんとか理解できる。

アドベンチャーゲームは、ほとんどの場合でストーリーやビジュアル、音楽などで品質が決まる。
そういう意味で、独自のグラフィック、どこかとぼけた音楽と不思議な世界観がマッチした本作は素晴らしい作品だ。
いわゆる雰囲気ゲーが好きなら、逃がせない1作だろう。
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ただ1つだけ難点を言うなら、タッチの反応が悪い場所があるということか。
はしごや道などが密集している場所では、正確にタッチができず、行きたい場所に移動できないことがある。
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ただ、それすらも欠点としては小さい。
アドベンチャーが嫌いでなければ、試して損はない1作だ。

評価:3.5(かなり面白い)

おすすめポイント
美しいミニチュアの風景
奇妙な構造の街で生きる不思議な住人が作る世界観

気になるポイント
一部の場所で、操作が面倒なときがある

課金
なし

(バージョン2 ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Lumino City (itunes 600円 iPhone/iPad対応)

動画: