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銀河セールスマンとドローンを操作して暴動を止める。『Tales From Deep Space』レビュー。

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良質なゲームを提供し続けるAmazon Game Studiosから、また1つ良質ゲームが登場した。
銀河を股にかけるセールスマンEと、ドローンのKACIを操作して宇宙ステーションを冒険するアドベンチャー『Tales From Deep Space』である。

操作快適、グラフィック良し、日本語対応良しと、今作もまたソツない作りで楽しめるはずだ。

ゲーム開始と同時に、主人公のE(イー)は宇宙ステーション「ビックムーン」でトラブルに巻き込まれる。
ステーションの労働種族ミークが蜂起し、ステーションが閉鎖されてしまったのだ。
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なぜ、ミークの蜂起が起きたのか。
相棒のドローン、KASIと共にその謎を解き、解決するのがプレイヤーの目的となる。

さて、前述の通り『Tales From Deep Space』はEとCASIの2人を操作する横スクロールのアドベンチャーだ。
操作は快適で、キャラクターはプレイヤーが指を置いている方向に向けて移動し、反応も良い。
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2人のキャラクターを同時に操作したり、切り替えたりしてパズルを解いていく点にある。
主人公の1人、Eは射撃能力に優れ、離れた位置にいる敵を倒したり、スイッチを作動させたりできる。
その反面、ジャンプ力が低く、身体的には弱い。
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もう1人の主人公、CASIは機械なので肉体的にEよりも強い。
エンジンを吹かして高くジャンプしたり、人体に影響を与えるガスやバリアを無視して行動できる。
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この2人の強みを活かしてトラップを切り抜けたり、1人がスイッチを踏んでいる間にもう1人がトラップを解除したりと、EとCASIの2人を使い分けてパズルを解くのがこのゲームの面白さだ。
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一応バトルもあるがアクション色は弱く、手順を踏んでトラップを使ったり、背後をとって奇襲すれば簡単に勝てる。
あくまでアドベンチャーの仕掛けとしてのバトルにとどまっている。
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▲仕掛けを起動すれば、どんなバトルも楽勝。最強のロボだって、KACIが警備システムをハッキングすれば手を下さずとも倒せる。

システム的にはよく見るものだが、全体的にグラフィックは美しく、十分楽しめる内容となっている。
宇宙交易の玄関口である華やかなステーション、ミークたちが暮らす下層部の様子などがしっかり描かれていて魅力的だ。
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▲画面奥も、手前も、宇宙人とステーションを効果的に描いている。

宇宙ステーションで働いている「ミーク」の姿も、小ずるい詐欺師の「ジャンカー」も、いかにも宇宙人していて、宇宙ステーションの雰囲気をしっかり楽しめる。
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また、ゲームの舞台はとても丁寧に作られており、ほぼ一本道なのにそんなことは感じさせない。
頻繁にチェックポイントがあるのでやり直しは楽だし、2人のキャラクターが分断されても簡単に合流できるステージ構成となっていてストレスはほぼない。
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とにかく快適に宇宙ステーションを冒険できる作りで、ストーリー、世界観、丁寧なステージ構成どれをとってもそれなりの水準を満たしている。
快適に遊べるアドベンチャーを探しているなら、手にとっても良いだろう。
ボリュームはクリアだけで5時間。アイテムを集めてコスチュームを手に入れるやり込みを考えると、10時間ぐらいは遊べるだろう。
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しかし、どこをとっても「それなり」で飛び抜けた長所がないのは欠点でもある。
良作ばかり輩出してきたAmazon Game Studiosの名を落とすような出来ではない。
が、飛び抜けた魅力を感じないため評価は3.0(面白い)にギリギリで届かないので2.5(価格通りに楽しめる)とした。
もう少し作り込めば、多くのプレイヤーを虜にできたかもしれない。本当に惜しい。

評価:2.5(価格通りに楽しめる)

課金について

なし

おすすめポイント
操作性、ステージ構成ともに快適に遊べる配慮がある
難しすぎず、最初から最後まで楽に遊べる

気になるポイント
世界観やストーリーをもう少し深く掘り下げて欲しかった

(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Tales From Deep Space (itunes 840円 iPhone/iPad対応)

動画: