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ブラウン管モニターまで再現。痛快1980年代風アクション『Kung Fury: Street Rage』レビュー

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「今、1980年代風カンフー映画を作りたい!」という触れ込みで資金を調達し、2015年5月に公開された映画『Kung Fury』に公式ゲームが登場した。
古のお約束とパロディをこれでもかとぶち込んだ本編は、10秒に1回は突っ込みどころがやってくるジェットコースターのような作品だったが……ゲームもこれに負けていない。

『Kung Fury: Street Rage』は、パロディ満載で、かつゲーム好きなら避けて通れない痛快カンフーアクションである。
……ってタイトルからセガの『ベアナックル(海外名:Streets of Rage)』のパロディか!

ゲームを始めてもまた突っ込まざるを得ない。
起動時に「NEO-FURY」の文字が躍り、往年の名機NEO-GEOのロゴの動きをトレース。
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▲NEO-GEOが1990年代とか、野暮なことはいいっこなしだ!古っぽければOK

さらに画面が湾曲しており、古いブラウン管モニターの空気まで再現しているのだ。
画面には「INSERT COIN」の文字。
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映画と同じく、ゲームも1980年代風アーケードのパロディなのである。
だが、『Kung Fury: Street Rage』はそれだけで終わらない。ゲームもまた映画と同じように素晴らしいのだ。

このゲームは、左右からやってくる敵を倒し続けるエンドレス・カンフーアクションである。
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画面の右側をタップすれば、右に攻撃を繰り出す。
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左を攻撃すれば、左に攻撃を繰り返す。
攻撃を連続でヒットさせるとコンボ数が上がり、どんどんスコアが上がっていく。これだけ。
ゲームウォッチ時代かのようなシンプルなシステムだが、信じられないぐらいハマる。
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1つは、敵のバリエーション。
最初こそ簡単だが、少しずつ敵の種類が増えて単調なタップゲームでは終わらない。
耐久力の高い敵、攻撃するとワープして反撃する敵など5種類の敵が絶妙に入り交じって登場する。
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もう1つは演出の素晴らしさ。
攻撃するたびに画面が光り、小気味よい音が響く。この感触に原始的な快感の面白さ。
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最後に、一番アツいのが独自の先行入力コンボシステムだ。
このゲームではプレイヤーの入力はすべて記録され、主人公は攻撃を外すまでその順番に攻撃する。
例えば、右を10回タップすれば、攻撃が外れるか右に10回攻撃するまで動き続けるのだ。
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未来の状況予測して攻撃しないといけないので、先行入力にはリスクがある。
1回でも予測を外せば、攻撃が外れてその隙に敵に攻撃されてしまうからだ。
しかし、先行入力分の攻撃は通常攻撃より早くなるので、短時間に大量の敵を倒せるのだ。

序盤こそ左右にタップするだけだが、敵が増えるとさまざまな敵の行動パターンを読み、少し先の未来を予測して戦う高度なアクションゲームとなる。
雲霞のようにやってくる敵に対して、「ここは右に4回、左に5回だ!」と予測し、その通りに切り抜けたときの気持ち良さ。
アクションの小気味よさと合わせて、ものすごい快感である。

シンプルだが、単調ではなくて面白い。
ゲームも映画に負けぬ快作なので、ぜひ遊んで欲しい。

評価:3.5(かなり面白い)

おすすめポイント
小気味よいアクション
シンプルだが奥が深い
アーケードパロティ風のスタイル

課金
広告削除(240円)

(バージョン1.0、ゲームキャスト トシ)

アプリリンク:
Kung Fury: Street Rage (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)