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廃病院と怪物、隠された狂気……Amazon本気のホラーゲーム『Lost Within』レビュー。

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『Lost Within』は、PC向けのFPS『Prey』で一世を風靡したHuman Head Studios開発のホラーゲームだ。
さすがゲーム機のメーカーだけあって、そのグラフィック、操作性、恐ろしさ、すべてにおいてハイクオリティ。

販売元のAmazon Game Studios(以下、AGS)は、Amazon携帯端末「Fire Phone」の専用ゲームを作る会社……のはずだった。
が、Fire Phoneが驚くほど売れなかったためか、AGSのゲームがiOSにもリリースされることになった。
iOSゲーマーとしては嬉しい事件である。

舞台となるのは、大火事で30年前に閉鎖となった「ウェザビー療養院」。
建物の取り壊し前に足を踏み入れた主人公は、そこで信じられないものを見る。
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内臓をくりぬかれ、機械と接合された怪物が療養院を歩き回っている!
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さらに、療養院の過去がフラッシュバックするように頭に流れ込んでくる。
この怪物たちはなぜ生まれたのか、取り壊し寸前の療養院に何が起きているのか。
プレイヤーは3人の主人公を操作し、それぞれの視点から療養院の秘密に迫ることとなる。
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このゲームは、スマホとしては最高クラスに作り込まれたホラーアドベンチャーだ。
グラフィックはこの通り最高品質。
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タッチパネル前提の操作となっており、移動したい場所をタップするだけで簡単に移動できる。
白く光る場所をタップすれば自動でその場所を調べてくれ、操作に不自由することはあまりない。
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▲ちなみに、ダブルタップで「走る」。

そして、これが一番重要なことだが……ウェザビー療養院の怪物たちはとても恐ろしい。
怪物たちの種類は少ないものの、見つかってしまえばほぼアウト。主人公たちは一般人なので、怪物たちに対抗できないのだ。
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扉を開けられない怪物に対してはロッカーの中に隠れ、音を頼りに襲ってくる怪物に対しては忍び歩きで冷や汗をかきながら横をすり抜け……手に汗握る「怪物たちとのかくれんぼ」が展開される。
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療養院の中にはさまざまなアイテムがあり、探索を助けてくれる。
しかし、アイテムが万全でも怪物たちは恐ろしい。
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「スタンガン」を使っても動きが止まるのはたった数秒。
「探知」を使って壁を透かして位置を確認しても、ちょっと目測を見誤ると簡単に捕まってしまう。
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怪物たちが近くにいると常に不気味なうなり声が聞こえ、療養院を進むほどに恐ろしさは増していく。
スマホのゲームでこれだけ緊張感を感じたホラーゲームは久々だ。

また、日本語対応がほぼ完璧なのも嬉しい。
「なんだかおかしい日本語」ではなく、「日本のゲームっぽい」レベルの日本語対応で、ストーリーは違和感なく楽しめる。
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ストーリーに関してはあと一歩の感もあるが、PCのホラーゲーム『OUTLAST』を易しくして、スマホ向けに上手く落としみ、ホラーアドベンチャーとしてかなりいい感じに仕上げてある。
あまりに『OUTLAST』っぽいのが気になるが、スマホでここまでのゲームができるのは素直に嬉しい。

プレイ時間はまっすぐ進んで4時間程度だが、飽きる前に終われてちょうどいい。
ホラーアドベンチャーを探しているなら、ちょうどいい1作だ。
そして、このゲームが気に入ったらSteamのOutlastも試して欲しい。

評価:3.0(面白い)

課金について

なし

おすすめポイント
日本語対応がしっかりしている
怪物たちが恐ろしい
恐怖を煽るサウンド

気になるポイント
ストーリーは好みが分かれるかも

(バージョン1.0、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Lost Within (itunes 840円 iPhone/iPad対応)

動画: