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オールドゲーマーへのラブレター。ゲームの歴史をたどるRPG『Evoland』レビュー

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ゲームの歴史に沿ってシステムが進化していくユニークなゲームがスマホに登場した。
『Evoland』は、モノクロのドット絵アクションから始まり、色がつき、描写が細かくなり、最終的にフル3DRPGまで進化する「進化するゲーム」である。

古いゲームシステムを順にたどっていく様子はゲーマーの記憶を呼び起こし、強烈な「懐かしさ」を引き出す。
「ゲームが進化する」新しいコンセプトと裏腹の強烈な懐古ゲーム。
それが『Evoland』である。

『Evoland』のたどる歴史は「ゲームの正しい歴史」ではなく、「制作者が遊んできたゲームの歴史」だ。
とくに『FINAL FANTASY VII』と『ゼルダの伝説』の影響を強く受けており、そこに向けてシステムが進化するゲームになっている。
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▲主人公はリンクとクラウドの名前を合わせて「クリンク」、ヒロインはエアリスならぬ「カエリス」。

ゲームのスタート時の画面は白黒で帯状。
しかも、プレイヤーには「右キー」しか与えられていないので、右にしか移動できない。
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しかし、宝箱をとるたびにシステムが追加されて世界が開けていく。
右に移動して宝箱を開けると「左キー」が増え、左に移動して宝箱を開けると全方位移動できるようになり……。
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▲細部の詰めが(8bitを飛ばして16bitになったり)甘いのは愛でカバー。

「攻撃ボタン」、「モンスター」、「16ビットカラーディスプレー」などが追加されてどんどん画面が賑やかになる。
次々とシステムが追加される体験は他のゲームにないもので、純粋に楽しい。
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▲手に入れたシステムに対する作者のコメントも面白い。

そして、FF風のエンカウントバトルが追加されて一気にFF感が強くなり……。
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途中でゼルダのように進化。
なお、アクション要素が強い場面では移動操作がいまいち感が気になった。
ゲーム進められないほどではないが……。
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そのままさらに進化し、FF7のようなポリゴンRPGに進化する。
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▲ちなみに、これは進化の最終段階ではない。

この時期になると、ロード時間までついてしまう。
確かに懐かしいが、これはいらない(笑)
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クリアまでは、だいたい2時間30分ぐらいだろうか。
ゲームの進化を「懐かしい!」と楽しみ、最後にJRPGを風刺したストーリーでちょっぴり笑って、楽しく飽きずに終われる。
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正直、ゲームとしては粗がある。
システムがめまぐるしく変わるなかで、「○○風」の表面をなぞる程度でゲームに奥の深さはない。
昔からゲームを遊んでいる方にしか勧められない。

「正しいゲーム史なぞ糞食らえ!俺は、俺が好きだったFF7やゼルダまでの歩みを懐かしむんだ!」
そんな清々しい「全力で後ろ向き感」を楽しめるならこのゲームはいい。
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▲途中で一瞬『ディアブロ』風になるのは、作者がちょっと浮気したからだろう。

コンピューターゲームが登場してからもう30年以上。
「あー、楽しかった!」ではなく、「あー懐かしかった!」と浸る新作ゲームがあってもいいと思う。
そしてFF7とゼルダ好きにとって『Evoland』はそんなゲームであり、昔からのJRPG好きに向けた熱烈なラブレターでもある。

評価:3.0(面白い)

おすすめポイント
ゲームシステム自体が進化するアイデア
懐かしさに浸れる

気になるポイント
FF7とゼルダの伝説至上主義で、ゲーム史は学べない
ゲーム自体は表面をなぞるだけで浅い
移動キーが不自由。とくにiPadで操作性が悪い

(バージョン1.2、ゲームキャストトシ)

アプリリンク:
Evoland (itunes 500円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

動画: