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日本の学生がたった2ヶ月で作ったゲームが世界の開発者をわかせた。インディーゲーム『DownWell』が今年登場予定。

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インディー開発者のイベント「Tokyo Indie Meetup」で、会場をひときわ沸かせた日本のゲームがある。
普段は東京の開発者が集うこのイベントだが、9月22日は TGS2014 のために集まった世界各国の開発者も参加しており、そのほとんどがこのゲームのプレゼンに熱い視線を注いでいた。

そのゲームとは、日本の学生が2ヶ月で作ったアクションシューティング、『DownWell』だ。

『DownWell』は、左右の移動操作で穴をおりていくアクションゲームだ。
ステージはローグライクのようにランダムに生成され、プレイヤーは毎回異なるステージを遊べる。
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落ちていくアクションというと、最近流行の「死にゲー」を想像するが、『DownWell』は死にゲーではない。
「落下シューティングアクション」である。
主人公のブーツには銃が仕込まれていて、落下時に真下に向かって乱射できるのだ。
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銃には複数の種類があり、マシンガンの爽快な連打音に歓声が上がり、ショットガンの爆風がおならのようだと笑いの声が上がり、ゲームをプレイしている間、会場はずっと歓声に包まれていた。
敵や障害物を破壊する演出も爽快で、シンプルな説得力がそこにあった。
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作者「このゲームは、ローグライクの要素を入れているのでショップもあります」

そう、このゲームはお金を稼いで武装などを買っていく要素もある。
なんとなくローグライクではなく、かなりローグライクを意識しているのだ。
ということで、お店からはアイテムを買うだけでなく盗むこともできる。
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だが、盗んだ瞬間に店主が怒り狂い、キャラクターを瞬殺。
一瞬でミンチになる主人公。
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ここでプレゼンは終了し、居並ぶゲーム制作者から拍手がわき起こった。
シンプルだが爽快感あふれるアクションと、ユーモラスな武器、そしてローグライク要素を面白く取り入れた内容は、実際とても魅力的に見えた。

そこで、開発者のもっぴんさんに、ゲームについてお話を伺ってみた。
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ゲーキャス:
もっぴんさんは、なぜインディーゲームを作り始めたのでしょうか?

もっぴん:
芸大で声楽を学んでいるのですが、4年生になって「これは違う。インディーゲーム開発者として食べたい!」と思って、このゲームを作り始めました。
GameMakerStudioというツールで、2ヶ月かけて作った初めての作品が『DownWell』です。

もっぴん:
短時間でプレイできて、何度も遊べるものを目指しています。
最初は、穴から落ちて針山を避けたりする即死系ゲームだったのですが、パワーアップアイテムを作っているときに足から銃を撃つ「ガンブーツ」をいうのを考えて…それを使って見たら「これ、面白い!」と。
このガンブーツを中心にゲームを組み立てたら、良い感じになって、今の『DownWell』になっています。

ゲーキャス:
有料ゲームを予定しているそうですが、日本は有料ゲームで食べていけないことで有名です。
食べていきたい、というならば広告付きで放置系ゲームを出すのがいいように思いますが…アクションは広告付きでは辛いジャンルですよね?
なぜ、このようなゲームにしたのでしょうか。

もっぴん:
最近の日本のゲームは、変な動物を育てたり、勇者が何かするものばかりで変化がないなーと思って。
そんな状況を変えたいと思って、オリジナルゲームを作ることにしました。

ゲーキャス:
自分も、ゲームのガワを変えただけで同じシステムのゲームがずらりとならぶ状況は気になっていたので、このゲームがヒットしてくれることを願っています。

と、お話を聞いたあとで、『DownWell』を実際にプレイさせていただいた。
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うん、荒削りだが、面白い。
ガンブーツで撃ちまくりながら落下することが爽快で、それだけでも面白い。
まだ細部は調整中とのことだったが、ゲームの柱となる面白さはすでにあった。
海外でもウケるポテンシャルを感じる作品で、完成が楽しみな1作だ。

リリースは今年中にしたいとのことで、リリースされる頃には海外の多くのメディアでこのゲームの名前を聞くのではないだろうか?
ゲーキャスでは、『DownWell』の続報を追っていくのでお楽しみに。

最後になるが、自分は学生がゼロからの開発でこれだけのものを作れる…そこにもまた感動させられた。
ゲームを作ることが趣味でできて、なおかつクオリティも上げられることを体感させられたのだ。
新しい開発者と、ゲーム制作の趣味化、2つの意味で希望を感じたゲームだった。

関連リンク:
もっぴん | Japanese indie game developer(公式サイト)