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白猫プロジェクト インプレッション - 基本無料のお約束を捨てて得た面白さ。2014年を代表するアクションRPG。

白猫プロジェクト (itunes 基本無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
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『白猫プロジェクト』は、2014年を代表するであろうスマホのアクションRPGである。
スマホでも快適に遊べるだけでなく、基本無料なのに力押しだけにならず、プレイヤーの工夫でクリアが楽になるゲームらしいゲームに仕上がっている。

今まで、国産の基本無料アクションゲームの多くは、基本無料の理屈に無理矢理アクションをねじ込み、アクションとは名ばかりのキャラクター育成の力押しゲーになっていた。
しかし、『白猫プロジェクト』はゲーム機のような感覚で遊べる、しっかりしたアクションRPGになっているのだ。

このゲームは、プレイヤー操作のキャラクターと、ほかのプレイヤーから借りたAIキャラクター1人がフィールドで戦うアクションゲームだ。
プレイヤーは最大4人までのキャラクターを連れて行けるが同時に操作できるのは1人だけで、ゲーム中に状況に合わせてキャラクターを切り替えて戦うシステムになっている。
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アクション画面では、指を置いてドラッグするとキャラがドラッグした方向に移動し、画面タップで近くの敵にオートで照準を合わせてコンボ攻撃を行う。
素早くフリックすると、キャラクターが前転して回避行動する。
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▲画面をドラッグすると、スライムのようにぷにっとしたカーソルが出る。

また、画面を長押ししてからドラッグすると、SPを消費してキャラクター固有のスキル攻撃が行える。
SPは通常攻撃を当てると回復するので、通常攻撃でSPを溜めてここぞと言うときにスキルを使う戦闘スタイルが基本だ。
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▲スキルが強いのはもちろん、スキル使用中は完全無敵となるので、敵の攻撃をすり抜ける目的でも使える。

操作はこれだけだが、驚くほどよくできていて、実際に遊ぶとゲーム機のアクションゲームを遊んでいるような満足感がある。
まず、その演出。
効果音やエフェクトが爽快で、タッチして攻撃しているだけで楽しい。
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▲とくに武闘家や剣での接近攻撃は爽快。

そして、何よりも「基本無料だからこう」という理屈でアクションゲームを歪められていないのがいい。
スマホの基本無料アクションには「制限時間」があり、プレイヤーが頑張ってもキャラが成長していなければ制限時間でゲームオーバーになることも多い。
もしくは、回避不可能な攻撃を多く出して、弱いキャラクターを排除する仕組みも多い。
これらはアクションの工夫を否定しており、アクションゲームというジャンルと矛盾したシステムだった。
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しかし、『白猫プロジェクト』は違う。
敵の攻撃パターンも見切れるものが多く、前転回避に無敵時間やスキルの使用中に無敵時間を使えば、強大なボス相手でもプレイヤーの工夫で戦果を上げられる。
時間制限もないから、プレイヤーのやりたいように遊べる。

ステージの作りもしっかりしており、平坦なステージだけでなく、障害物の隙間から敵が遠距離攻撃してくるステージ、敵が強いスペシャルステージ、スイッチで扉を開けていく仕掛けステージなどがあり、「簡単なだけのステージをやらされている」という感覚はない。
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ゲームがしっかりしているので、「特定のキャラが強ければそれでいい」という状況にもならない。
『白猫プロジェクト』では、多様な職業を使い分けることが重要になっているのだ。
攻撃が遅いのでSP回復が難しいが、超重要な回復スキルを使える【魔術師】。
防御が高く、射程が長めの近距離武器を扱える【騎士】。
状態異常を引き起こし、空を飛ぶ敵に強い【アーチャー】など、どれも個性と使いどころある。
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▲アーチャーはやや弱いが、ボスでも状態異常にできるので使い方次第で助けになる。

基本無料ゲームというのは簡単で、力押しで進められて、ストレスがなければいけないと言われてきた。
それはアクションゲームの「上達が楽しい」とは真逆で、だから日本の基本無料アクションゲームは面白くないことが多かった。
しかし、『白猫プロジェクト』はそこに反旗を翻した結果、面白さを獲得したのだ。

基本無料らしくないと言えば、「カード」や「合成」を排除したキャラクターの成長も魅力的だ。
このゲームでは、巨大な石版(『FF10』のスフィア盤のようなもの)から好きな能力を選んで成長させられるようになっている。
自分で選んで成長させている感があるので、成長が楽しい。
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▲なお、ガチャから同キャラが出てくると、限界突破アイテムを獲得したことになる。

また、キャラクターを使い続けると好感度が上がってイベントが発生する仕組みもあり、ゲームの中で生きている存在として描かれているのも好印象だ。
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これだけ面白くてスタミナ式ではなく、無制限に心ゆくまで遊べる。
無限にプレイできると「すぐクリアしてやることがなくなる」という問題がでるが、それにも対策が行われている。
このゲームはステージ数が多いだけでなく、【街作り】で自分だけの街を作れるのでやることがなくならない。
街作りパートでは、冒険で手に入れたお金で建物を建て、自分だけの街を作れる。
見た目に賑やかになるだけでなく、【訓練所】を建てればキャラクターの能力があがり、【金鉱】を建てれば一定時間ごとに収入を得られたりと冒険の役にも立つ。
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おまけ程度の要素だが、つくった街を自由に散策できるのも嬉しい。
将来的にこの仕組みが拡張されたら、街作りに熱中してしまいそうだ。
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▲自分の持っているキャラクターが、街を歩いているのも嬉しい。

さらに驚いたのが、オンラインで仲間を集って1つのミッションに挑める【討伐ミッション】の存在だ。
実力ギリギリのステージに友だちと挑むと、とてもハマる。
PSのゲーム『ブレイズ&ブレイド』を遊んでいたときを思い出してしまった。
ステージのバリエーションは少ないが、ここはこのゲームの伸びしろと言えるだろう。
今後、この仕組みでますます面白くなっていくはずだ。
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終始褒めてきたが、実際あまりけなすところはない。
強いて言えばチュートリアルがダルく、キャラがそろうまで面白くないので序盤でやめやすいところが商売的な欠点だろうか。
あとはもう、これだけのゲームを作ったコロプラを褒めるしかないだろう。
課金アイテムを使うと経験値やアイテムの入手量が3倍まで上げられるので、時間のない社会人にも優しい。
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▲ちなみに課金しなくても3倍アイテムをかなり購入できるので社会人だから課金しないと時間短縮できないわけではない。

現在、2章までクリアしているが課金必須ではなく、普通にプレイして苦戦しながら楽しく遊べた。
そういったバランス面も考えられており、かなり長時間ゲームっぽく遊べるはずだ。
いままで、基本無料の国産アクションゲームに絶望していた人も、ぜひ『白猫プロジェクト』は試して欲しい。

アプリリンク:
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動画: