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Civilization Revolution 2 レビュー - 中毒性の高さは健在。時間泥棒の戦略SLG、再びスマホへ!

Civilization Revolution 2 (itunes 1,500円 iPhone/iPad対応)
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『Civilization Revolution 2』は、人類の文明を導き、他の文明に打ち勝って世界を統一する戦略シミュレーションの最新作だ。
ただし、今回のゲームは『Civilization Revolution 2』という名前だが、初代の『Civilization Revolution』家庭用版のグラフィックを使って見た目を美しくし、システムをアレンジしたマイナーチェンジ版である。

文明や、テクノロジー、文化遺産に新しいものが加わっているが、基本システムはほぼ同じ。
事前の情報では1時間で遊べると言われていたが、プレイ時間も前作とほぼ同じ。

しかし、元々面白いゲームのマイナーチェンジならやっぱり面白い。
一度始めるとやめられない中毒性の高さも健在で、多くのプレイヤーの時間を奪い去る良作だ。

まず、このシリーズが初めての方のためにゲームの説明をしていこう。
このゲームは、石器文明から宇宙時代まで、5000年もの文明の進歩を体験しながらゲームが進めるターン制の戦略シミュレーションだ。
スタート時は「紀元前4000年」で、プレイヤーは文明を選択してマップ上に入植して町を作り、文明を育てることとなる。
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▲入植する位置次第で天国にも地獄にもなる…。

町を作ると、毎ターン資源を入手し、建物を建てたり、【青銅器】や【貨幣】などの【テクノロジー】を研究したり、兵士を作ったりできるようになる。
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いろいろなことができるが、まずやることは探索だ。
マップはランダムに生成され、プレイ開始時は周囲の地形しか分からない。
なので、次は町で兵士を生産し、マップを移動させてだんだんと世界の様子を明かしていくこととなる。
その過程で蛮族と衝突したり、肥沃な土地を発見したりすることもある。
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さらに進むと異文明(蛮族は文明として扱われない)と接触が始まり、ゲームが大きく動き始める。
異文明はCPUに操作されており、プレイヤーと同じ条件で文明を育てるライバルだ。
異文明とは一時的に和平を結ぶこともできるし、すぐに戦うこともできる。
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このとき、プレイヤーの選べるのは戦う・戦わないの2種類だけだが、その奥にはもっと深い戦術がある。
というのも、このゲームには4通りの勝利方法があるからだ。
その4つとは、戦争で他の文明を滅ぼす【軍事的勝利】、お金を貯めて経済を握る【経済的勝利】、宇宙に進出して技術で世界を制覇する【技術的勝利】、優れた文化で世界の人々の心を1つにする【文化的勝利】である。

異文明に対して戦争を挑むと軍事的勝利につながるが、和平を結んでも他の3種類の勝利を目指せる。
戦争しないで金を技術開発に注ぎまくった方がいいのかもしれないし、金を使わずに貯めて経済的勝利を目指した方がいいかもしれない。
「戦う・戦わない」の選択肢のバックに、プレイヤーの方針や選んだ文明によってさまざまな理由が見え隠れするのだ。
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▲文明ごとに異なる能力があり、作戦も変わる。

もちろん、他の文明の動きも考える必要がある。
1つの文明と戦争している間に他の文明が成長し、プレイヤーが弓矢で戦っているのに、異文明はライフル兵や爆撃機で応戦してくるような展開も十分あり得るシビアなゲームなのだ。
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▲前線で戦っているのは騎士やカタパルトなのに、後方からライフル兵がやってくる…!

マップを探索するか、技術を開発するのか、兵士を作るか。
それらの微妙なバランスをとって戦う、奥深い戦略ゲームとなっている。
そして、マップが毎回ランダムに変化するので、このバランスも毎回異なり、飽きずに何度でもプレイできてしまうので別名を「廃人ゲー」とも呼ばれる。
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と、ここまでで気になった方は買ってしまっていいと思う。
今作は日本語対応で説明もしっかりしているので、多くの人は普通にプレイできるハズだからだ。

続いて、前作との差異を説明していこう。
一番大きいのは、見た目と操作方法の変化だ。
家庭用のグラフィックを流用して、見た目は大幅に美しくなっている。
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ユニットは長押しで選択する方式になっており、ターン終了は画面右下のボタンを左へドラッグ。
都市の詳細情報はピンチアウト。
ユニットの防御設定はユニットの右上にある小さなボタンで行う。
事前情報では「モバイルに特化した操作」とあったが、正直慣れるまでかなりツライ。
慣れれば何とかなるものの、直感的ではないのでここは今後改善して欲しい。
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最初に「マイナーチェンジ」と書いたが、戦術を変える細かい変化がいくつかある。
一番大きなものは砲撃システムの追加だ。
【防壁】を建設した都市に射撃ユニットを配置すると、射撃側は反撃を受けずに一方的に敵を攻撃できる。
以前はあまり使えなかったカタパルトなどが、防衛戦で威力を発揮するようになっている。
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続いて【目標】システム。
プレイ中に目標が提示され、規定のターン内にこれを満たすとボーナスが手に入る。
ボーナスは大きくないが、序盤ではかなりプラスになることも多い。
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似たシステムとして、プレイ中に特定の条件を満たすとボーナスがある【偉業】システムもある。
しかし、これは難易度が上がると達成困難なので、あくまでおまけだ。
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最後に【ライブイベント】の追加。
これは史実などをモチーフにした新しいマップが配布されるスペシャルモードだ。
現在は独立戦争のみが配信されているが、おそらく今後増えていくか新しいイベントと入れ替わるのだろう。
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他にもCPU難易度が落ちたり、いくつかの文明、世界遺産などが追加されたりとゲーム部分が細かく変わっている。
1つ1つは小さいが、すべてを足してみるとプレイ感覚はそこそこ違う。
とくに防衛が楽になったので、軍事的勝利以外の勝利も狙いやすくなった。

ゲームシステムに関わらないところでは、【シヴィロペディア】の追加がファンには嬉しいところだ。
シヴィロペディアでは、ゲーム中に登場する様々なものの細かい解説を見られたりする。
ゲーム内での効果から、歴史的背景まで解説されていて、読み物としても面白い。
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グラフィックが美しくなり、システムが変化し、嬉しいおまけもついた『Civilization Revolution』というのが自分の印象だ。
マイナーチェンジなりに変化はあるし、元々あった中毒性の高い面白さも健在。
操作性と若干テンポが悪い部分があるが、前作がそうだったようにここはアップデートで改善されるところだろう。

前作を未だに遊んでいるような方、ひたすらハマった方はこれもまた楽しめるはず。
1500円という価格は iOS の中では高く見えるが、100時間以上遊べるゲームがこの価格なら品質に比べて十分安い。

『X-COM Enemy Unknown』のときも思ったが、2K Games は高価格でもそれ以上に楽しめるゲームを提供し続けている安心のメーカーなので、高額でも買い切りで面白いゲームをガンガン出して欲しい。

評価:4.0(すごく面白い)

おすすめポイント
毎回展開が変わるランダムマップ
美しいグラフィック
多様な戦略が試せる

気になるポイント
前作のマイナーチェンジ
前作と比べると操作性が少し悪い

(バージョン1.0、GCドラゴン)

アプリリンク:
Civilization Revolution 2 (itunes 1,500円 iPhone/iPad対応)