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King、キャンディの商標を用いてキャンディクラッシュより前に存在したゲーム名の変更を迫る。開発者の告発の手紙で明らかに。


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先日、キャンディクラッシュ(英名、Candy Crush Saga)のKingがキャンディの商標を取得し、他のゲームに警告を送り始めたことを記事にしたが、今度は Candy Crush Saga よりも前から存在していた CandySwipe を抹消しようとしていることが話題になっている。

最初の商標記事はこちら→『キャンディークラッシュ』のKing社、EUで【CANDY】を商標登録し、CANDYとつくアプリに警告を送る

原文はCandySwipe Open Letter to King regarding trademark.で確認できるが、今回は(粗いので間違いがあるかも知れないが)簡単に日本語訳してみたので見て欲しい。

拝啓、キング様

おめでとう、あなた方は勝利した!

私は、白血病のため62歳で他界した母をしのび、 CandySwipe を作成した。母はこのタイプのゲームが好きだったので、母が他界した5ヶ月後の2010年に。実際、Androidのフルバージョンをクリアすると 「...the game was made in memory of my mother, Layla...(このゲームは亡母のLaylaをしのんで作らた)」というメッセージが確認できるだろう。
母のような思いやりのある人々と、私の家族(妻と10歳、4歳の息子)のためにこのゲームを作った。

CandySwipe をリリースした2年後、あなた方はモバイルで Candy Crush Saga をリリースしたが、アプリアイコンや、キャンディのブロック、「Sweet!」というロゴまでほぼ同一だった。
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とても似ていたので、CandySwipe が Candy Crush Saga の盗作と思われたり、CandySwipe を Candy Crush Saga だと思っていた人たちのクレームや混乱の言葉が数百件もあった。

あなたが2012年に商標を登録しようとしたとき、私は「混同する可能性(法に基づいた私の権利だ)」があるのでそれに反対した。
私は Candy Crush Saga が出る2年前、2010年に CandySwipe の登録商標の申請をしていたので。

さて、商標に関する異議申し立てで1年間静かに戦い続けた後、あなたが CandySwipe の商標登録を抹消し、私が、私のゲームの名前を使えないようにしたいと思っていることを知った。
そして、King.com、あなたはそれを成し遂げた。
最後の1ヶ月で Candy Crusher というゲーム(このゲームはCandySwipeやCandy Crush Sagaとは全く違うゲームだ)の権利を買ったから。

おめでとう!あなたは良く戦った。私は負けた。
Candy Crush Saga より明らかに前に存在していた CandySwipe を追い落とし、私の家族から生活を奪ったあなたが幸せであることを願っている。

私は独立開発者として、3年以上このゲームに関わって過ごした。CandySwipeは母が他界した後に、独力でプログラミングを学んで作った最初のゲームであり、最も成功したゲームだった。
私の生きがいだったものを、あなたはまさに今、奪おうとしている。
CandySwipe が持っていた可能性をすべて奪おうとしている。

今まで、平和的に解決するかも知れないと思ってこれを公にしてこなかった。
しかし、CandySwipe商標登録の侵害から逃れるために別の商標を買い取ったあなたのやり口にはウンザリだ。
これはあなたたちのサイトで示されている「An open letter on intellectual property (知的所有権についての公開書簡)」にある「我々はゲーム業界の繁栄を望んでおり、良い開発者(大なり小なり)はかけた労力と生まれた作品を守る権利があると信じている」という、Riccardoの言葉に反します。

私も、自分の作品を守ろうとしているだけなのです。

今、私はあなたがたのことをよく知っています。
それと同じように、この手紙を書くことであなたに私のことを知ってもらいたいと思っています。

あなたの成功に、おめでとうと言いたい。
(以上、King.comの知的所有権についての公開書簡はこちら

もちろん、この話は一方的なものなのでKingの反論を聞くまでどちらが正しいのか判断するのは難しい。
だが、CandySwipeが2010年から存在していたことも、商標登録されていたことも確かなようだ。
Candy Crusher は 2004年にリリースされたゲームなので、この商標を抑えれば CandySwipe に対抗できるかも知れないのは確かだが…。

最初の記事で、

「我々はCANDYの単語を使用する全ての人に権利を押しつけることはしません。いくつかの使用例は正当性があるからです。CANDYという商標を適切に使用しているアプリ開発者に権利を執行することもしないでしょう。」

とKing社が語っていたが、キャンディクラッシュより前に存在していたゲームには明らかに使用に正当性がある。
果たして、これにKing社がどう出るのか見物だ。

追記と修正:
前半部分は完全にオリジナルの訳ですが、下記の翻訳を見てから終盤の「今まで〜」以降に訳に取りかかった結果、盗用とも思えるような大きな影響を受けていました。
お詫びすると共に元記事へのリンクを張らせていただきます(なお影響を受けたと言っても明らかに下記の訳の方がクオリティが高いです)。
「亡き母を想って作ったゲームが奪われようとしている」CandySwipe作者から、Candy Crush Sagaへの手紙(和訳) - どらろぐ

また、Candy Crusherについて少しだけ追記し、訳の文体を統一しました。

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