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The Room Two レビュー - 脱出ゲームを本気で作るとこうなる。2013年Apple最優秀ゲーム賞受賞作品。

The Room Two (itunes 500円 iPhone/iPad対応)
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The Room Two は美しい箱を細部まで調べ、謎を解いて部屋から脱出するアドベンチャーゲームだ。
日本風に言うとやっていることは脱出ゲームだが、グラフィックやサウンドのクオリティが段違いに高く、ゲームの世界に没入してプレイさせられてしまう。

2013年 Apple に最優秀iPadゲーム賞を受賞したのも納得の内容で、「脱出ゲームは飽きた」という方にこそプレイしてもらいたいゲームだ。
今までは iPad でしかプレイできなかったが、先日 iPhone にも対応したのでこの機会に紹介したい。

フル3Dで作られた部屋はどこを見ても美しく、スライド操作で360度どの方向からも見られる。
サウンドや照明も効果的に使われており、ゲームの不思議な空間に入り込んで、自分1人がポツリといる気分になる。
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調べられるものをタッチすると近づき、細かく見られる。
近づいても全てのものが細かく作り込まれており、「近づいたらなんだか微妙な形だった」という幻滅もない。
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細かい道具までこの通り。
角度を変えると金属の光の反射具合も変化し、どこまでもリアルな存在感。
これを体験するだけでも価値があると思えるぐらい、世界が作り込まれている。
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そして、ゲームでやること自体は普通のアドベンチャーだが、プレイすると操作がタッチパネルに最適化されていて、作りの丁寧さを感じる。

物体に近づくと、タッチして触ったり、スライドで移動させて調べられるようになって、コマンドを選ぶ必要はない。
また、触れた場所が指の動きに合わせてそのまま動くなど、自分の手で調べている手触りを感じられる演出も見事だ。
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物体の謎を解くとアイテムが手に入ったり、新しい物体が出現したりして、ゲームは続いていく。
手に入れたアイテムは拡大して見たり、そのアイテム自体を操作して調べることもできる。
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▲金属のゆがんだ感じまでリアル。すべてが作り込まれている。

また、前作に引き続き魔法のレンズでのぞき込むと、見えないものが浮かび上がってくる演出もある。
一見なにもない場所でも…。
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▲画面右の赤いレンズボタンをタッチするとレンズモードに。

レンズごしに覗くとこの通り。
このまま浮かび上がってきたものタッチして操作することも可能だ。
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やることはだいたいこれですべて。
シンプルだが謎の種類は豊富で、作り込まれた世界のおかげで没入感もバツグン。
今作ではホラー調のストーリーが展開され、1人で見知らぬ場所に放り出されている孤独感もあってドキリとすることもある。
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基本的にはあまり欠点のないゲームなのだが、唯一の難点は英語。
英語が読めないと解けない謎は少ないし、1カ所で詰まっていると簡単な英文で出るのでわずかな英語力があればクリアはできるのだが…(一応、ゲームキャストでThe Room Two攻略を準備しているのでそちらを確認してクリアもできるようになる予定)。
ストーリーも雰囲気でわかるが、英文が読めた方がより楽しめるのは間違いない。
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やっていることは脱出ゲームだが、本気で作ればここまで楽しめるのか、と思えるゲームだ。
圧倒的な映像と雰囲気の演出にハマると先が見たくてプレイしたくなってしまう。
自分も脱出ゲームには飽き飽きしていたが、このゲームは最後までやってしまった。
量産型の脱出ゲームに飽きている方にはぜひプレイしてもらいたい1作だ。

なお、この記事を書いている2014年2月4日時点ではiPhone対応記念で300円で購入できる。
今まで気になっていた方もこの機会にどうぞ。

最終評価:3.5(かなり面白い)

おすすめポイント
美しいグラフィック
多彩な仕掛け

気になるポイント
ストーリーや一部は英語

(バージョン1.0.3、GCドラゴン)

アプリリンク:
The Room Two (itunes 500円 iPhone/iPad対応)

関連リンク:
The Room Two攻略

動画: