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レビュー: Plague Inc. -伝染病株式会社 - 伝染病で人類は滅亡するんだよ!まさかのMMRシミュレーター。

Plague Inc. -伝染病株式会社-(itunes 100円 iPhone/iPad対応/Google Play 基本無料)
評価:4.0(すごく面白い)
課金:追加要素解放(なくてもクリアすれば出現)
開発:Ndemic Creations
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リアルに人類を根絶させていることを感じる雰囲気作り
現実世界をシミュレートしつつ、ゲームとしても面白い作り。
ゾンビが病気として現実にあったらどうなるか?を体験できる
人類を根絶させるテーマが人を選ぶ。

「1999年、人類は滅亡する!」

を合言葉に、世紀末に人類が滅亡する原因を探るMMRという漫画があった。
微妙にリアルな雰囲気、そして毎回衝撃的な(ときにグロテスクな)描写で多くの少年たちにトラウマを植えつけた作品である。

話の中でも多かったのが「細菌・バクテリアなどの病原菌で人類が絶滅する」という説。
しかし、この歳になって思う。

「本当に、新種の病原菌で人類は滅亡するのか!?」

そんな疑問に答えてくれるのがこれ、新種の伝染病を作り出して世界中に広め、人類を根絶するシミュレーションゲーム『Plague Inc. -伝染病株式会社 -』である。
そのリアルさは伝染病の感染シミュレートについて作者が請われて講演するほどのものらしい。
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まず、伝染病タイプを選ぼう。
パラサイトなら人の精神に影響を及ぼす、生物兵器なら殺傷力が高いというように、伝染病によって特徴がある。
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▲自分の記憶が正しければ、バクテリア・ウィルス・プリオン・パラサイトにナノウィルスはMMRで登場している…。

続いて難易度と、遺伝子…DNAを選択して自分の伝染病をカスタマイズする。
これは初期選べないが、ゲームをクリアしていくことで増えていく。
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▲プリオンに遺伝子はないってキバヤシさんが言っていたのに!

そしてゲーム開始。
最初に伝染病の発生源となる国を選択しよう。

発生国によって伝染病は性質を変える。
例えば暑い国で生まれた伝染病は暑さに強く、寒い国に感染しない。
この辺りは結構リアルだ。
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その後はすべてリアルタイムに進み、時間の進行とともに感染者が増え、感染者が増えると国境を超えて(おそらく旅行などで)地続きの国に病気が感染してゆく。
空港・港のある国で流行れば船や飛行機を通じて海外にまで感染が広がる。
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音楽や、ときおり流れる効果音などはリアルな雰囲気で、プレイ中はいけないことをしている感抜群。
感染した地域は赤く表示され、だんだんと世界地図が毒々しい色に染まっていくのも見た目にヤバイ。
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ただ、ゲーム開始時の伝染病は基本的に感染はするが、それ以外の能力を持たない。
「えっ、それじゃ人類が滅亡しないじゃん!」
と、思うなかれ。
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▲伝染させるだけでは何もおきない。

多くの人間が伝染病に感染すると【DNAポイント】が手に入り、プレイヤーはこれを使って伝染病を進化させることができるのだ。

進化は大きく分けて3系統。
【伝染】は文字通り伝染力を高める進化。
貧しい国では「昆虫から感染」が効果的だったり、「水から感染」を選択すると船を通して海外に感染する確率が高まるなど、様々な特質がある。
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続いて「能力」。
こちらは選択した伝染病の種類に応じて特殊な能力を目覚めさせることが可能だ。
なかには「抗生物質が効かなくなる」など、現実で話題になる能力も。
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最後に「症状」。
「ウィルスに感染すると咳がでる」「下痢になる」といったものから、「内臓が停止して死に至る」という恐ろしい物まで。
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また、咳と嘔吐で「噴出性嘔吐コンボ」など、より感染力を増大させる組み合わせもある。
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▲ぶっちゃけ、かかりたくない…。

いずれの能力もいきなり強力なものを取ることはできず、「咳が出る」→「肺炎になる」と順を追って取っていく必要がある。
また、強力なものほどDNAポイントが多く必要になるという寸法だ。
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最初のうちは自覚症状もなく、人類に気付かれずに広がっていくが、進化していくとそうもいかない。
症状が重くなっていくと「新種の伝染病が発生した!」と気づかれ、感染が広がりすぎると「ヤバイ!治療法を発見しなければ!」と人類が病気の特効薬【Cure】の研究を始める。
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この瞬間からがゲーム第2のスタート。
MMRでは「新しい病気に対してなすすべもないのか!」と終わっていたが、現実(?)では放っておくとすごい勢いで特効薬が開発されてしまう。
ちなみに、特効薬が開発されたら即座に病気が根絶されてゲームオーバー。

今やエイズですら延命できるという人類に治せない病気などないのだ。
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▲一瞬でCureが製造されていく…!

また、Cure以外にも国境や空港、港を閉鎖することで伝染病の広がりを抑える行動に出ることも。
世界中でこれをやられると、それ以上伝染病が広がらずに人類を滅亡させることはできなくなる。
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対向する手段はやはり伝染病の進化。
対策がなされる前にひたすら感染を拡大し、症状を重くすると、国の機能を麻痺させ、Cureの開発を遅らせることができる。
また、Cureされづらくなる能力を身につけるのも手。
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▲人口が減りすぎると無政府状態に…!

で、実際にプレイしてみるとどうなるか…。
ほぼ全滅かと思えば島国が「港を封鎖」して数百万人が生き延びてしまったり、人類の半数を死滅させてもCureが開発されてしまったり…人類、しぶとい。
しぶとすぎる!
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リアルな世界では人類滅亡なんて夢のまた夢ですよ、キバヤシさん!
(※キバヤシとはひたすら人類が滅亡すると唱え続けたMMRの主人公的存在である)

などと、おちゃらけて紹介してみたが、プレイしてみると実際「どこから伝染病を感染させて広げるか」「どうすれば気付かれないで感染させられるか」、「病気が見つかった後にCureをされないようにする立ちまわり」などなど、奥が深く、作戦の練りがいのあるゲーム。

また、ネクロウィルス(ゾンビ病)というゲーマーにおなじみの架空の病気が体験できるのもポイント。
このモードではゾンビ対策部隊とのバトルをしたり、ゾンビが腐って戦えなくなる問題に頭を悩ませたりと、一風変わった楽しみ方ができる。
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テーマは不謹慎だが、プレイしてみるとたしかに面白い。
また、課金要素はあるが普通にプレイしていけばそれも含めて全部楽しめるので、ゲーム好きも安心して遊べる作りだ。

シミュレーション系のゲームが好きな方には是非プレイしてもらいたい。

(アルベルト Ver1.6.3)

アプリリンク:
Plague Inc. -伝染病株式会社 (itunes 100円 iPhone/iPad対応/Google Play 基本無料)