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レビュー:Might & Magic Crash of Heroes DSの名作はやっぱりおもしろかった

Might & Magic Clash of Heroes(Ver1.1) 450円 iPhone/iPadの両方に対応
開発:Ubisoft
評価:3.0(価格より面白い)
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奥深いパズル
RPG仕立てでボリュームの有るストーリーモード
オンライン対戦がアツい。
バグで落ちたり操作できなくなることあり
操作の最適化が不十分
2009年に海外向けでニンテンドーDS向けソフトとしてリリースされた『Might & Magic: Clash of Heroes』の移植版。
パズル+RPGの融合作品として海外評価はかなり高く、個人的にも非常に期待していた1作。

ゲームのベースは『マジカルドロップ』のようにブロックを吸い取って発射し、移動させて特定の形にそろえていくマッチパズル。
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▲吸い取って、くっつける!

ただのマッチパズルとの差は、ブロックがそれぞれ特別な能力を持つユニット(兵士)になっており、揃えると力をチャージしはじめ、一定ターン後に敵に向かって攻めこむ対戦バトルゲームになっていること。

各ユニットには攻撃力が設定されており、揃えた段階で最大の半分まで、残りをチャージ時間で分割して毎ターン蓄えていく。
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チャージが終了すると敵に突撃し、正面の敵の場にいるユニットにダメージを与える。
そして、全てを破壊してもパワーが残っていれば、その数字がそのまま敵のHPにダメージとして与えられる。
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▲妖精はビームで敵を攻撃。

プレイヤーが3手動かすと度に手数が減っていき、0になると敵のターンへ。
敵もプレイヤーと同じようにユニットをくっつけ、プレイヤーを攻撃してくるわけだ。
交互にユニットを揃え、先に相手のHPを0にした側の勝利となる。
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ユニットには“カラー”と“兵種”があり、通常ユニットは同じカラーで縦に3つ並べるとチャージを開始。
同じカラーで横に3つ以上並べると“ウォール”になり、敵の攻撃を防いでくれる。
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また、通常兵種のほかに縦2マスを専有する“エリート”、2×2マスを専有する巨大ユニット“チャンピオン”が存在し、これらも同じカラーの通常ユニットを2つ(チャンピオンは2×2に4つ)並べるとチャージを開始する。
サイズ大きいぶん配置が難しく扱いづらいが、通常ユニットにはない固有の特殊能力を持ち、特にチャンピオンユニットは発動するだけでバトルの勝敗を決定づけるほどの強さがある。
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また、通常の攻撃以外にも“リンク”と“フュージョン”という特殊ルールがあり、戦術に深みを加えている。
“リンク”は同じカラーのユニットが、同じターンにチャージを終えて攻撃すると発生する特殊ルールで、パワーが通常よりも高くなるというもの。
チャージ中に敵の攻撃を受け、ユニットが破壊されるとリンクが発生しなくなるが、こちらは狙いやすい。

“フュージョン”は同じユニットを、同じ列で揃えると1ユニットに合体して強力な攻撃をしてくれるというもの。
残りチャージタイムは短い方に合わせられるため、強力だが条件が難しい。
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さらにダメージを受けたり与えたり、そしてリンク攻撃を仕込むと魔法ゲージが上昇し、満タンになるとキャラクターごとに決められた必殺技を使用することが可能。
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で、これらを組み合わせると

「俺のターン!エリートがチャージ開始するぜ!」
「ウォールでしのぎつつ別の列でチャージ開始!」
「リンク攻撃を準備してウォールごと粉砕してくれるわッ!」

などという、アツいバトルが楽しめるわけだ。

さらにパズルとしてもかなり深く、要らないユニットは、ユニット長押しで削除。
この時、削除したの後ろにユニットいると前に詰めて整列するのだが、ここでユニットがマッチすると手番が回復する副効果あり。
そのため、削除の順番次第で1度の手番に3回以上ユニットを動かせるようになり、パズルゲームとしても奥が深い。
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▲パズル要素のあるステージは頭を悩ます。

戦っていると攻撃したり破壊されたりでユニットが減るので、そんな時は“援軍“。
援軍を呼ぶとユニットが最大数まで場に補充される。
なお、これは手番扱いとなる。
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▲減ったら援軍を呼ぶ!

ゲームモードは1人用のストーリーモードと、対戦モードの2つ。
ストーリーモードではエルフ・王国の騎士・ネクロマンサーなどさまざまな種族のキャラクターたちが、戦いに巻き込まれていく群像劇的な展開。
英語なのでストーリーがわかりづらいのはともかくとして、いろいろなキャラクターの戦術で遊べるのが楽しい。
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白い魔法陣をタッチするとキャラクターが移動し、特定のマス(場所によってはランダムエンカウントも)に入るとストーリーが進行してバトルが発生する。
マップの端にある魔法陣をタッチするとマップがスクロールするということさえ知っていれば、基本的には不自由なし。
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バトルでユニット、キャラクターのレベルを上げたり、新しい装備を手に入れたりとRPG的な展開を楽しむことができる。
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オンライン対戦では、ストーリーモードで手に入れたキャラクターとアイテムを使って非同期バトルが可能。
1手終わるごとに通知が入り、長時間かけて戦うわけだ。
ストーリーモードよりも、こちらは本番という感じでかなり白熱する。
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と、前評判に違わず面白いゲームなのだがバグが多いのとiPhone最適化不十分という難点を抱えている。
“ユニットが削除できないバグ”、“トリプルタップで耐久力画面へ切り替えた後、戻れないバグ”など、再起動しないと行けないのだが、発生した場合はいちいち中断ボタンを押して解除する必要がある。
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▲バグ回避のやり方を知っていれば簡単に戻れるけど…。

これらはちょっと面倒、知らないと大変という話なのだが、最悪なのは落ちるバグ。
頻繁ではないが、1試合が10分程度かかるのに落ちることがあるのがかなり辛い。

また、操作に関してはiPhoneの細かい画面では厳しいことも多い。
ピンチインとピンチアウト操作で画面を拡大して操作できるのだが、それでも操作ミスがときどき発生する。
iCloudセーブに対応しているので、ゆっくりできるならば家ではiPadでプレイしたい。
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▲拡大できるけど、やっぱりiPhoneでは辛い。手戻しあっても良かった。

編成画面でもユニットドラッグで編成を変えられないなど、操作性は最悪ではないけども最適化は不足気味。

ただ、それでも前評判通り元のゲームは良いし、十分すぎるぐらい面白い。
バグや少しだけ気になる操作性(iPadなら気にならない)を考えても450円でこのボリューム、内容は十分にお得で、じっくりゲームがしたいプレイヤーにはおすすめできる。
将来バグが修正されれば、評点は3.5に上げるつもりだ。

2013.02.12
ユニット削除できないバグについての復帰方法の指摘があったため記事修正

アプリリンク:
Might & Magic Clash of Heroes(itunes) 450円 iPhone/iPadの両方に対応

動画: