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『どうぶつフレンズ』に考えさせられたソーシャルゲームの問題点:ゲーキャス トシのゲームを語るぜ!2

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さて、昨日はネット上で色々言われていた『どうぶつフレンズ』がネット上の評判とは違う、まあまあ良くできた街づくり系のゲームだったので擁護したが、本題はこちら。

「このゲームに課金したけども、なぜか初期化されて金が返ってこない。」

という調査だった。
結論から言うと、自分はHTC 3D EVOでプレイしてみたところ何も問題なくプレイできている。
ただし、レビュー欄を見る限り同様の現象が発生しているので危険なアプリと言えそうだ。
USでのレビューも散々で、非常にバグが多いゲームのように見受けられる。
普通に動作している限りは街づくり系でもキャラクターを押し出した、それなりのアプリだけども、現状プレイをおすすめすることはできない。 さて、なぜこのようなことが発生してしまったのだろうか。
自分の推測では2つある。

まず、直接的な原因としてアプリの動作チェックを行なっていないにもかかわらず、アプリをプレイできる状態にしてしまったことがある。
公式でアプリの動作保証をしているのは限られた機種だけだが、Google Playではユーザーが所持していない端末で動作しないアプリをDLさせない機能があるにもかかわらず、それをしていない。
現に自分のHTCではプレイできてしまった。
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▲サービス開始から時間が経ってから動作確認済み機種のお知らせ

国産端末にはさまざまな問題を抱えたものがあるので、そこで意図しないバグが発生して評判を落とした可能性もあるし、もしかしたら話に聞いた初期化もそれに関連しているかもしれない。
なお、知り合いはArrowsの旧機種だった。

ソーシャルゲームはランキングに載らなければDL数が伸びづらいという側面がある。
今回の件では幅広くDLされたいがためにそういった配慮を怠ったのではないか、と思われる。

自分の知る限り多くのソーシャル・カジュアル系オンラインゲームでは課金に影響するほど大きな不具合が出る可能性が非常に高い。
大手のゲームだと『ケリ姫スイーツ』では初日から課金消失バグ報告が上がっていたし、AppStoreに存在する数ヶ月以上サービスしているゲームでも信じられないバグが残っていたりする。

普通、サービス業で大きな瑕疵があれば、たいていは返金される。
が、ソーシャルゲームの世界は、ほぼプラットフォームに乗っかっているので30%をプラットフォームに抜かれた後で、不具合で返金すれば企業の丸損で、最悪サービスが潰れてしまうので返金は難しい。

ならば正常な企業なら不具合を少なくするとなるはずだが、ソーシャルゲームの世界ではお詫びと称して少しアイテムを配布すればいい、という空気がある。
多数を占める無課金者はアイテムが貰えて嬉しい。
少数の課金者が騒いだ所でゲーム自体は大きく荒れ辛い。

だから、普通にテストすれば出てくるようなバグを放置して課金に関わる新しいガチャやイベントだけはひたすらに力を入れて行われる。

しかし、その影でゲームに金を払う気のユーザーにはだんだんと「ゲームってそういうもの、怖いから金払わない、やらない」という空気が醸成されつつあるように思える。
おそらく、彼らは将来に渡って金を払わないだろう。

一回ユーザーを集めてしまうと、ゲーム内で資産ができたユーザーは辞めづらい。
自分は課金した後に馬鹿にされたら即座にやめて別のゲームをやればいいと思っているけども、溜め込んだ資産と人間関係というのが強力らしく、ユーザーはそのまま継続して遊び続ける。
なので、課金してくれているユーザーが嫌になるまで絞るだけ絞り、その後にお客さんがゲーム業界にカネを落とすかどうかは気にしない。

今回の『どうぶつフレンズ』の1件で、アプリやネットワークの初期の完成度で、どれだけメーカーがユーザーやゲーム業界を大事にしているか見えてくるのではないか?
と考えさせられた。

もちろん、バグや障害をなくすことは難しい。
だから、PCなどのオンラインゲームでは、リリースまでアルファ・クローズドβ・オープンβまできっちり時間をかけてテストをする。
それでも不具合は出るし、ネットワーク・負荷系のトラブルはしょうがないところもあると思う。

そんななかでも防げることはいくつかあって、Androidの機種問題などはその1つ。
多すぎて網羅は難しいが、少なくとも大手であるはずのGREEが非対応機種でもリリースしてしまうということは、表ではゲームに本気と言いつつ、未だに売上だけを追求する姿勢を表しているのではないだろうか。
開き直って“それがソーシャルゲームというもの”だというならば、いっそ潰れてしまえと思う。

ただ1つ、自分が希望を持っているのはソーシャルゲームというか、基本無料ゲームが徐々に新しい方向性を目指して違う面白さを目指しているところだ。
現在は面白いゲームと言えば『パズドラ』の1人勝ちだが、そのうち好みは細分化されて、次世代ではもう少し1タイトルあたりのユーザー数は少なくなって分散するはず。

その頃になって、複数タイトルを維持するほどの客がいないなんてことになっていなければいいのだが。

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