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レビュー:N.Y.Zombies 2 名作の続編は普通のFPSだった

N.Y.Zombies 2 170円 + iPhone/iPadの両方に対応
課金:ゲーム内通貨(十分手に入れるには多少の稼ぎ作業が必要)
開発:Foursaken Media
評価:2.5(価格通り楽しめる)
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グラフィックの雰囲気は良い。
武器のリロードを計算して戦う戦術性
課金・経験値稼ぎ前提のバランス調整
移動時にやたらにものに引っかかる ゾンビが徘徊し荒廃したニューヨークの街で戦うFPS(主観視点シューティング)ゲーム『N.Y.Zombies』に3年ぶりの続編が登場!
多い時では20体以上のゾンビが同時に出現し、銃で一気に蹴散らしていくときの爽快感は格別。
グラフィックの雰囲気はかなりのもので、iPhone5だとワイド画面で楽しむことも可能。
ただ、最初に言っておくと前作と今作はまったく違うゲームといってもいいぐらいシステムが変わっているので、前作のファンは要注意。
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前作は移動できなかったが、今回はアナログスティックでマップ上を移動できるようになった。
これによって探索要素が加わったが、内容は「生存者を見つけろ」「補給物資を5つ探せ」などと単純なもの。
襲ってくるゾンビたちを倒していくのがメインということは変わらない。
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前作では5種類の武器を装備できたが、今作は4種類の武器・防具を選んで出撃する。
武器は右下のアイコンで切り替えることができ、発射したい場所をタッチして指を離した瞬間に撃つ。
普通のゲームだとタッチした瞬間から発砲するのでちょっと違和感があるのと、とっさに撃つときにうまく反応しないことがあるので要注意。
また、マシンガンなどの連射武器は連続で2回タッチして押しっぱなしで連射するので、緊急時にうまく撃てないことも…。
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▲敵が突然出てくるとうまく撃てないことも…。

銃は一定の段数を使い切るとリロードが必要だが、弾数に制限はない。
メインとなる武器のリロード中をいかに乗り切るかがポイントで、「やばい、ほとんどの武器がリロード中だ!」という状態を切り抜けて逆転するピンチから逆転の快感がこのゲームの面白さ。
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前作では回数無制限だったグレネード・地雷などの補助武器は1回のステージで特定回数しか使えなくなって弱体化しているので注意。
接近戦武器にはナイフに加えてバットや斧が加わり、バリエーションは増えた。
これらの武器はドル紙幣や金塊を使ってショップで購入し、アップグレードが可能。
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ほか、ステージクリア時に手に入るSP(スキルポイント)を【医療トレーニング】【接近戦】【射撃】の3カテゴリに割りふってキャラクター自体をカスタマイズできるようにもなっている。
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今作からはマルチプレイに対応しており、サバイバルモード(制限時間なしで限界まで戦うモード)と特定の特定のステージで他のプレイヤード同時に遊ぶことも可能。
サバイバルでは仲間が死んだときに死体の上で10秒間待つと復活させられるようになっており、3人で遊ぶことを前提にバランスが調整されているようだ。
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▲以外にイケメンで他のプレイヤーが表示される。

難易度はノーマル、ハード、ナイトメアの3段階で、正直ノーマルでも他のゲームのベリーハードぐらいは難しい。
ストーリーモード以外にも、ストーリーをクリアできないときにドル紙幣や金塊、SPを稼ぐためのミッションが存在するので、プレイヤーがシューティングを苦手でもいつかはクリアできる仕組みになっているのだが、そのミッションですら少しずつ難しくなっていくので簡単ではない。
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元祖『N.Y.Zombies』は移動がなく、360度から攻め寄せるゾンビをグルグルとその場で回転しながら倒す、ゲームセンターのガンシューティングに近いゲームで、武器交換システムによるハラハラ感と逆転感、そして撃つことに集中して遊べることが何より面白かった。
難易度が低くしておけばかなりお手軽に遊べるし、難しい難易度でも極めればどんどん進めるゲーマー好きしそうな難易度とバランスでやりこみがいがあった。

が、今作はよくも悪くも普通のFPS。
そして、難易度設定はどう見てもお金稼ぎを何度もすることが前提。
また、移動が増えて複雑になったからかヘッドショット(ゾンビの急所)を狙う要素がなくなり、ちょっと爽快感も落ちる。
前作が【FPSの要らない部分を削ぎ落して楽しめるようにした】作品でそれがウケていたのに、普通のFPSになってしまったので前作と同じ物を期待しているファンはがっかりするかも。
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▲個人的には、グラフィックが綺麗になったN.Y.Z.そのままでよかった気がする。

難点は先ほど挙げたバランスの面と、移動中に小さな物やゾンビにやたら引っかかること。
ゾンビを撃ちながら後ろに進んでいると場所によっては引っかかって移動が難しいし、まれにゾンビ後ろから迫っているのに、そのゾンビに引っかかって前に移動できないこともある。
移動は速度が遅いことも含めて、もう少し快適にして欲しかったところ。

しかし、全体としてみると価格に比べてかなりよくできたゲームとは言える。
射撃操作に癖がある(タッチして指を離した瞬間に撃つので)ので慣れるまでは楽しめないかもしれないが、慣れればかなり面白い。
少しの稼ぎ作業が苦ではなく、長時間遊べるFPSを探しているのならばこれは買っても損しないだろう。
英語を読まなければならないがストーリーもそこそこ面白いし、実績達成で見られるフィギアも作りこまれているなどゲーム以外のお楽しみもある。
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▲実績達成で見られるフィギア。かなりの作り込み。

『N.Y.Zombies』として見なければ十分遊べる。
前作はなんだかんだで偉大だった。
評価は3.0にするか悩んだが、なにもないところからゾンビが突然出てきたり、まれにゾンビが壁抜けしてワープしてくるなど細部の甘さが目立つので2.5としたい。

アプリリンク:
N.Y.Zombies 2 170円 + iPhone/iPadの両方に対応
N.Y.Zombies 85円 + iPhone/iPadの両方に対応

動画: