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レビュー:Steins;Gate(シュタインズゲート) プレイして気づくと朝。止まらないノベルゲー

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体験版
タイトル STEINS;GATE(iPhone)
STEINS;GATE HD(iPad)
体験版STEINS;GATE Lite(シュタインズ・ゲート ライト)(iPhone)
STEINS;GATE HD Lite(iPad)
ジャンル 想定科学アドベンチャー
価格 3000円
アプリ内購入 なし(体験版は全シナリオ3000円)
日本語対応 あり
販売元:5pb.Inc. | Version:1.3 | GAMECENTER:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch / iPad |レビュアー:ドラゴン
評価:3.5(iPhone:かなり面白い) / 4.0(iPad:すごく面白い)
引き込まれるストーリー
雰囲気にマッチしたサウンド
表情が豊かで、細かく動くキャラ
ノベル系ゲームに必須な機能が揃っている
iPhone版は携帯操作が面倒
オタク文化に耐性がないと辛い
XBOX360で2009年に発売された『Steins;Gate』の移植作品。
主人公が偶然につくりだした過去にメールを送信できる装置を使用し、過去に干渉して現在を変えていく、時間をテーマにしたSFストーリー。
悲劇の未来を避けるために過去を変えようとするが、過去を変えることに成功したときに「過去を変えた」と認識しているのは主人公のみ。
「自分が未来を変えるために努力している」ことを理解してもらえないなかでの必死の試行錯誤、孤独な苦悩を描いたストーリーは1度引き込まれるとやめどきが見つからない。
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マルチエンディングで6人のヒロインそれぞれをメインにした話に分岐していくが、よくあるギャルゲーのような単純なハッピーエンド展開といった内容ではなく、全てのエンディングがそれぞれある味わい深い内容で、全てを見るまでやめることができない。
実際、初めてプレイした時にはちょっとプレイするつもりが一気に10時間プレイしてしまい、気づくと朝になっていたほど。
その翌日、翌々日とやり続け、いっきにクリアしてしまった、自分にとっては忘れられないゲームだ。
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クセのあるアニメ調のイラストに反して、ゲーム内の設定は実際の科学理論の考証のもとでリアルに作られており、ゲームにありがちな嘘臭さを感じさせない本格派SF。
かといって、難しい用語を理解してなくても楽しめるような作りになっており、そのあたりのバランス感覚も絶妙。
発売初期こそギャルゲーとして扱われていたが、圧倒的な面白さから様々なハードに移植され、2011年の時点で累計出荷は30万本を突破。
10万でスマッシュヒットといわれる時代にその3倍売れているという事実からも、単なるギャルゲーでは済まされないことがわかるだろう。
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もとは高額のパッケージゲーム、もちろんフルボイス

キャラクターも立ち絵形式ながら、表情が変わるだけでなく喋るときには口が動いたり、話に合わせて多少の移動があるなどかなり細かい。
またサウンドも雰囲気にかなりマッチしており、ストーリー以外にも引き込まれる要素がしっかりと構成されているのも素晴らしい。
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▲XBOXでは追加課金だった演出強化が最初から適用されている状態。

ストーリーの分岐選択は少々特殊で、携帯電話を介して行われる。
ゲーム中で携帯電話に着信やメールが入ったり、こちらから携帯電話を使用して連絡できる場面があり、電話に出る・出ないなどで分岐することがあるのだ。
単純に選択肢が2〜3表示されて選ぶだけのアドベンチャーと比べて「今、自分が行動している」感覚があって「上手くできている」と感心させられる。
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▲本体を縦にすると画面全体がガラケー調に。

iPhone版では携帯を使用するとき、本体を縦にする必要がある。
これはガラケーを使っている雰囲気を出す演出なのだと思われるが、頻繁に電話を操作するため縦横の操作が入ってちょっと面倒。
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▲iPad版ではボタン1つでこの状態になる。

操作はタッチ操作向けに調整されており、タッチで進行し、右スライドでスキップ、下スライドで既読の確認、2本指タッチでメニューを開くことが可能。
スキップは分岐で自動ストップ機能付き、セーブもオートセーブに任意セーブと再度戻ってやり直すことが苦にならない、何度も移植されているだけありこの辺もさすがといえる。
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▲TIPSでは用語の説明も移植に合わせて調整されている。

ノベルゲームとしての操作もバッチリ、ストーリーも素晴らしい本作だが、実は万人受けしない大きな欠点を1つ抱えている。
登場人物は中二病の主人公を筆頭にアニメやゲームのオタクのオンパレードで、ストーリーの進行の合間にある息抜きパートの内容では2chのネットスラングが飛び交い、アニメやゲームのコアな話が頻繁に出てくる。
好きな人や知っている人からすれば面白い話となっているが、オタク文化やネットスラングが嫌いな人からすれば拒絶反応が出ても全くおかしくないレベル。
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▲普通に語尾に「ニャン」が使われる場面…恥ずかしい。

ボリュームは全てのルートを見るだけで30時間はあり、単なるおまけではなくその全てが楽しめる驚きの濃さ。
オタク系の話が嫌いでなければ、間違いなくオススメ。
ストーリーは物語が大きく動き出すまでは少しダルいが、1章の終わりぐらいからの内容の濃さは半端では無く1回クリアするまでやめるタイミングがないほど面白い。
あと少し…あと少しがいつの間にか最後までいってしまう。
ダウンロードするときは休日前にしないと間違い無く仕事に支障をきたす。

ノベル系ゲームとしては最高クラスと言える内容で個人的には4.5をつけてもいいと思っているが、3000円という高額アプリであることとiPhone版は携帯操作が忙しすぎるということを考慮して評価はiPad版は4.0、iPhone版は3.5としたい。

余談だがこのゲーム、映画[バタフライ・エフェクト]をもとにしているという噂がネットで流れていたのを目にしたのでレンタルして見てみた。
基本の設定は異なるが、流れは似ていてこちらも「あの時こうしていたらどうなっただろう?」の連続で、見応えのある映画となっている。
3作目まであるが、それぞれが独立した内容になっていて個人的には2以外がオススメ。

STEINS;GATEの詳細・ダウンロードはこちら
STEINS;GATE HD(iPad)の詳細・ダウンロードはこちら
iPhone体験版STEINS;GATE Lite(シュタインズ・ゲート ライト)の詳細・DLはこちら(itunes)
iPad体験版STEINS;GATE HD Liteの詳細・DLはこちら(itunes)

映画バタフライ・エフェクト3/最後の選択(字幕版)の詳細はこちら(itunes)


動画


ちょこっと攻略

マルチエンディングについて

基本的な分岐はこのタイミングで行動しなければこのヒロインのエンディングになるなと分かるぐらいになっているが、トゥルーエンディングだけは初期の方からフラグを立てて行く必要があり、手早く見たい場合は攻略サイトの利用をオススメ。

実は移植前の本作では携帯で自分からアクションを起こせるタイミングは一度クリアするまで画面に表示されないようなつくりになっていた。
そのため、かなりのプレイヤーはインパクトの強い鈴羽エンドから見ることになっていた。
個人的には最初からトゥルーエンドを探すより、こちらのエンディングから順番に見たほうが本作は楽しめるのではないかと思っている。
実はここが、あれだけ褒めていて評価4.5にならなかった理由の1つ。
※鈴羽ルートは分岐で何もしないことで到達するルート。

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▲実際のラジオ会館+シュタゲのコラボイベント時の写真。こんなのを撮りに行くぐらいにははまった