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レビュー:拡散性ミリオンアーサー、2ヶ月目の評価

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タイトル 拡散性ミリオンアーサー
ジャンル ソーシャルカードバトルゲーム
価格 無料
アプリ内購入 特別通貨購入(ゲーム内入手不可)
日本語対応 あり
販売元:スクエア・エニックス | Version:1.0.1 | GameCenter:なし | 対応機種:iPhone / iPod touch | レビュアー:トシ
評価:2.0(良くはない)
イラスト・音楽の質は高め
一応ソーシャルカードバトルの基本は抑えている
イベントの内容が単調、ルール運用がグダグダ
シナリオ追加が遅い
核となるデッキ構築やルールをなど全体的納得行くものになっていない
オート合成オン・オフさせてください…orz
カードバトル系のソーシャルゲームはユーザーのフィードバックを得て常に改善し、運営側がコンテンツの追加、イベントを重ねて盛り上げていくもの。
どんなにアプリが良くてもサーバーが落ちていてはゲームが出来ないし、コンテンツが消費されれば停滞し、イベントが悪ければプレイヤーは離れていく。
この系統のゲームの真の評価は実際に運営が始まってからの様子を見なければわからない。
レビュー:拡散性ミリオンアーサー 期待はずれの話題作」の記事で酷評してから2ヶ月が立った今、あらためて評価してみたい。

まずはシステム面から。
改善点としてはバトルシステムの大きな不満点であった「BCが全快でなければバトルできない」という欠点にすぐ対応した。
ガチャやレベルアップ演出が飛ばせない点も改善されている。
タスクを切らないとログインボーナスがもらえないなどのバグ、妖精報酬がもらえない、1回の操作で2回分行動してしまうなど目立ったバグは解消されたかに見える。
レビューに招待IDを書くように勧めるスパムもなくなったようだ。
AP・BC回復薬を誤って使ってしまうUIも改善され、全体として質が向上した。
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が、デッキシステムのわかりづらさやその他の欠点はそのまま。
特にガチャや探索で出てきたカードが自動的に合成されてしまう「オート合成」はいい加減にしてほしい。
これは、同じカードを手に入れると自動で合成されてLVUPしてしまうシステム。
1LVのときに売却・合成したほうが効率がいいので損した気分になる上、合成演出でゲームの流れが止まるのでストレスだけがたまる謎の仕組みだ。
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そして、なによりもサーバー停止が多い。
ただ、お詫び補填アイテムが他のゲームと比べて格段に豪華で、額にして2500円分の課金アイテム(ドリランドなど大抵しょぼいカード1枚だ!)をポンともらえることもあり、一部(ほぼ全体?)では「次のサーバー停止はいつだろう、お詫びアイテムが早く欲しい」という逆転現象も起きている。
ユーザーを離さない対応ということで、ここは評価したい。
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続いてコンテンツ。
ストーリーモードはゆっくりプレイしていても1ヶ月程度で終わってしまう。
カードだけは増やしているが探索できる地域もなく、マンネリ。
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最後にイベント。
妖精をフレンドと倒す「妖精討伐」イベント、プレイヤー同士のバトルでポイントを稼ぎ、順位を競う「激闘!黄金の竜王を目指せ!(以下竜王イベント)」、いわゆるコンプガチャのゆるい版「黄金ガチャ」、ひたすら探索を続けて騎士を鍛える「ミノーズブートキャンプ」が主だったイベント。
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黄金ガチャの発表翌日に「コンプガチャ規制」の報道があって笑ったタイミング最悪だったのだが、この黄金ガチャはプレイヤーとのバトルに10勝することでも回せ、さらに極端に出る確率の低いカードもないと思われる非常にゆるいガチャで、いわゆる「廃課金」を促す仕組みにはなっていなかった。
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いけなかったのは竜王イベントのルール変更。
その時点でこのゲームは1回バトルするごとに手持ちカード12枚を出す必要があり、事実上限界までBCを使い切るシステム。
だが、手持ちのカードを少なくして消費BCを下げて弱い相手と連戦することで、勝利数を重ねることができた。
私の友人は今まで手に入れたカードの中で再入手不可能なカードのみを残してイベントをしていたが、突如この方法が使えなくされてしまった。
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↑複数アカウントを使わなくても容易にできた「不正」

他のソーシャルゲームでは能力値割振り薬などが存在し、イベントに応じてコストなどを調整していくのは常套手段。
バグと思われる手段を使ったわけでもない。
ドラゴンコレクションなど他のゲームでも同じ事例があるが、基本的にはイベントが終わるまでイベントに関わるルールは変更しないのが基本だ。
ほかのゲームで許される手段で、課金して手に入れたカードを捨ててまでイベントをクリアしにいっても、無課金ユーザーと同じお詫びでルール訂正されてしまうのは最悪の判断だったと思う。

普通のソーシャルゲームは開始2ヶ月で4種類ぐらいのイベントを、使う能力をおりまぜていれてくるが、ミリオンアーサーはバトル・バトル・バトル・探索・バトルと続いて極端。
また、無課金で楽しめるイベント、課金者が有利なイベント、課金者のみがクリアできるイベント、というようにイベントも分かれているのが普通だが、無課金で楽しめる雰囲気のイベントもなければ、課金者が有利なイベントもない(むしろ、不利なイベントがあったぐらいだ)ので中途半端。

ということで、システム面は改善されたもののまだまだ、イベントは単調でルールの運用がいまいちと、ドリランドの劣化バージョンを抜け出せていないが、急速に改善されつつあるのがこの2ヶ月。

だが、すでに進化しきったゲームを体験していたプレイヤーにはこの2ヶ月の停滞はかなり痛い。
実際、もともとこの手のゲームをプレイしていた友人は半分以上やめてしまった。
改善されつつも並の会社のゲームならすでに大ヒットは望めない状態になる内容を考慮して、評価はぎりぎりで2.0としたい。

今回は(も?)評価は辛めだが、精力的なアップデートなどを見ると、今回のイベントでの失敗も糧にしてまた急速に進化し、あと2ヶ月した頃には一線級のカードバトル系ソーシャルゲームになっているだろう、ということも同時に書いておく。
ミリオンアーサーの今後に期待したい。

拡散性ミリオンアーサーの詳細・DLはこちら(itunes)

関連サイト:
ミリオンアーサー攻略(攻略!ゲームキャスト)