レビュー:今でも通用する美しさ、驚きの操作性、時を超えてiOSに蘇った ソウルキャリバー
- アクション
- 2012年01月19日
ソウルキャリバー (itunes 1700円 iPhone/iPad対応)
開発:NamcoBandai Games
評価:2.5(価格通り楽しめる)

美しいグラフィック
ドリームキャストからの高い移植度
使いやすいバーチャルスティック、キャラクターは操作していて楽しい
1人用モードがもう少し欲しい。
開発:NamcoBandai Games
評価:2.5(価格通り楽しめる)






ソウルキャリバーは魔剣ソウルエッジとそれを求める戦士たちの戦いを描いた3D対戦格闘ゲーム。
デビューはアーケードだったが、ブレイクしたのは1999年に移植されたドリームキャスト版で。
圧倒的に美しいグラフィック、おまけモードの追加などでゲーム雑誌で満点を連発。
ヨーロッパでも異常に売れ、以後ナムコの看板ゲームとなった。
今作はドリームキャスト版の移植となる。

操作はガード・キック・縦切り・横切りの4つボタン+移動用のスティック1つ。
最大の特徴は自由にフィールドを動き回れる8Wayrunシステムで、スティックを倒した方向にキャラクターが自由に動き回れ、格闘ゲームとしては当時画期的なシステムだった。
単純に移動できるだけでなく、8Wayrunに対して強力でかわされやすい縦切り、8Wayrunを阻むが威力では劣る横切りという2つの攻撃方法を絡めて3次元的な攻防のゲームとしてゲームにも組み込まれていた。
また、移動方向に応じて強力な技が1ボタンで出るようになっており、「とりあえず強力そうな技を出して戦ってみるか」というプレイが可能。
「大量の技がありすぎて覚えられないしなかなか出せない」と言った3D格闘ゲームの常識を覆したゲームでもある。

プレイしてまず感じるのは今も色褪せないグラフィックの美しさ。
iPadの大きな画面でも十分見られるだけでなく、iPhoneのスクリーンに縮小するとことさら綺麗に見える。
これでなんと、iPod touch 4G と iPhone 4S でグラフィック面の差異は感じられないから驚きだ。
iPhone4/iPod touch 4G では処理落ちすることがあるものの十分プレイできる感覚だし、iPhone4S や iPad2 であればまったくドリームキャスト版と遜色ない。
この時期のゲームは「フル3Dにすると性能が足りないのでうまくごまかして綺麗に見せる」テクニックを駆使して作られていたが、まだまだ性能が足りないスマートフォンにそれがきっちりマッチしているのだろう。

次に驚くのは操作のしやすさ。
バーチャルスティックなのにかなり正確に方向入力が可能。
少なくとも、波動拳コマンド程度であれば問題は感じない。
さすがにそれ以上に複雑なコマンドとなると難しく、私が家庭用で出せた「収束する世界(ソウルキャリバーで一番複雑なコマンドの技)」は何回もチャレンジしたが出なかった。

ボタンは初期配置では同時押しが厳しい。
が、コンフィングで同時押しボタンを1つ作ることができるほか、ボタンの配置を変えられる。
iPadならばボタンを半分重ね合わせるように配置すると、重なった部分を押したときに同時押しになるので便利。
iPhoneでもボタン同士の距離を縮めるとそこそこいける。
快適なスティックと配置を変えられるボタンのおかげで、アーケードと遜色ないとはいかずとも十分すぎるほど快適な操作ができる。
元々複雑なコマンドを必要としないゲームの作りと、丁寧なコントローラー調整がマッチしたといえるだろう。
素直に驚いた。

iOS版のプレイモードは8人の敵と戦ってエンディングを目指す「ARCADE(アーケード)」、一定の体力で何人倒せるか競う「SURVIVAL(サバイバル)」、一撃で勝負が決まるサバイバル「EXTRA SURVIVAL(エクストラサバイバル)」、クリアまでの時間を競う「TIME ATTACK(タイムアタック)」、コマンドを見て練習できる「PRACTICE(プラクティス)」CPU同士の戦い、キャラクターの演舞が見られる「MUSEUM(ミュージアム)」の6つ。

1人用のやりこみはアーケードでクリアしたキャラの人数によって追加キャラクターや追加ステージが解放されること、タイムアタックやサバイバルの成績を競える程度。
プレイ時間はそこそこあるものの、1700円が定価のゲームと考えるとさすがに厳しい。
また、ドリームキャスト版に存在した「ミッションモード」・「アートギャラリー」・「オープニングエディット」は存在しない。
XBOX版は880MSP(約1300円)でiOS版の方が定価が高く、せめてXBOXと同等、できればおまけが付くぐらいが欲しかった。
ここについては「今後、さらにモードが追加予定です」という公式アナウンスを信じて待ちたい。

また、iOSのゲームとして考えると少し気になる点もある。
まずチュートリアルなどがいまいち充実していない。
縦切り・横切りの要素や、8wayrunの概念を説明するようなチュートリアルが欲しかった。
さらに、中断機能がないためサバイバルなどが途中でやめられない。
少し空いたときにプレイすることもあるiOS版には中断機能も欲しい。
操作も問題を感じないし、見た目も美しい、そしてiPod touch 4Gでも動くし、動かして楽しい。
これは本当に素晴らしいのだが、格闘ゲームは対戦してなんぼ。
それがないなら1人用のやり込める要素が必要だが、現状では価格に対して足りていると思えない。
現状での評価は質の高さと値段の高さを考えてぎりぎり3.0寄りの2.5(価格通り)としたい。
ファンならば買っても損はない(私もその一人だ)が、新規のプレイヤーには強くオススメはしない。
(ゲームキャストトシ Ver1.1)
スタッフコメント
トシ:
ゲームセンター、ドリキャス版と渡り歩いた私でも合格点をあげられる操作性(アイヴィー使いじゃないからかも…)。
見た目についても文句なしで、ソウルキャリバーファンなら買って損しない。
これまでイマイチだったナムコの本気をようやく見られた感じ。
弟:
XBOX版のほうが安くて優れているのでそっちを買えばOK。
対戦しないでどうしても持ち歩きたい人向け。
家庭用機で配信されると「懐かしいゲームが1000円だし買うか」となるのにiOSだと「1000円は高いな」となる不思議。
アプリリンク:
ソウルキャリバー (itunes 1700円 iPhone/iPad対応)
動画:
コメント一覧 (4)
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- 2012年01月19日 15:11
- ▼寝不足さん
事前にドリームキャスト版の映像をiPhoneに取り込んでみたら似たような感じだったので、予想の範囲内でしたが…iPadでやってからiPhoneで縮小したときは驚きました。
Unreal Engineなんていらなかったんや!
とか叫びました(笑)
ただ、旬を過ぎた上に対戦できない対戦格闘ゲームが、1人用のモードを省いて出るというのはもうそれだけで…ちょっとアレですね。
ということで嬉しかったファン心理とは別に評価は抑えめになりました。
ドリキャス版がフルに着たら1500円でも3.0はつけそうです。
コメントありがとうございます。
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- 2012年01月19日 15:27
- ボタンを重ね合わせるというのは目から鱗です
わざわざボタンを広げて二本指でタップしてました……
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- 2012年01月20日 18:57
- ▼すこや軍曹さん
私も実は、人に教えてもらいました。
だいぶ予想外。
コメントありがとうございます。
ソフィーティアも美しいままです!
モードの少なさは確かにアレですが、
演舞鑑賞モードがあるのには驚愕でしたね!
がっかりバンダイナムコと思ってると、いい意味で期待を裏切られますね。
バージョンアップにも期待ですね。