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AppStoreでゲームを見続けて思ったこと1「アプリ価格=アプリの質+サービス」

AppStore
ドメインを取ってブログを運営し始めて今日でちょうど半年。
知識が浅いなりにAppStoreを見続けて考えたことがあるので、自分なりに書いてみる。
今更なことを言っているのかもしれないが。

「アプリ価格=アプリの質+ブランド」
見落としているものとは、アプリの価格に何が含まれているか、ついて。
アプリの価格はアプリの質に応じて決められるべきだろうか?
答えはYESでありNOでもある。
メーカーがアプリに付ける価格はアプリの質によって決められる。
しかし、ユーザーがアプリを購入するときには、「アプリの質」に加えて別のものも無意識に価格に織り込んで金を払っているのだ。
見えないものとは「ブランド」である。

全く同じように面白く見える「ゲームA」「ゲームB」があったとしよう。
それぞれメーカーAとメーカーBが開発しているとする。
メーカーAは過去に面白いゲームを生み出し、しかもアップデートもしっかり行っていた。
対するメーカーBは個人開発の初ゲームアプリリリース。
すると、「仮に動かなくてもメーカーAならアップデートしてくれるし、ステージ追加もあるかもしれない」とユーザーはゲームAを選んで購入する。
これがメーカーAの持つ信頼、ブランドの力である。
場合によってはゲーム内容が劣っていたり、価格がかなり割高でもブランドの力で買ってもらうことができる。

つまり、アプリの価格とは「アプリの質」+「ブランド」ということに(恥ずかしながら今更)思い至った。



ブランドはサービスから
このブランドを作るってくれるのが過去にメーカーが「サービス」を行った実績である。
ユーザーは「サービス」が受けられることを期待し、「ブランド」お金を払う。
前節の式を言い換えるなら、アプリの価格=「アプリの質」+「サービスに対する期待の先払い」と言うことができるだろう。
サービスは「バグがあればアップデート」「一定以上のゲーム内容」から「日本のメーカだからアプリが日本語対応」「購入後のステージ追加」まで多岐に渡るユーザーの勝手な期待である。
しかし、それでも期待したサービスが受けられなければ当然ブランド力は低下するし、次に出すアプリの売上にも影響する。

ユーザーCがメーカーAのゲームを買った後、ゲームにバグはなくAppStoreの説明文通りだったとしても、
「ステージが追加されなかったから次は買うのをやめよう」
という(メーカーから見れば)理不尽なことすらあり得るのだ。
AppStoreのゲームは買って終わりではなく、その期待を裏切らないことで初めて問題なく販売完了したこととなる。


サービスは眼に見えない。
このサービスが厄介なのは気づきずらい「目に見えない物」を提供させられること。
例えば、「ゲームの質が変わらないのに値下げしたら評価が下がった…」というのは「サービス」が見えてない意見である。
定価でアプリを購入するというのは「ゲームをいち早くプレイできる」サービスを購入しているのに等しい。
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最近であれば、EAはMotal Combatがそれだ。
12月に800円でリリースし、数日後クリスマスセールとして115円に値下げした。
その行為のためUSのレビューでは★1が続出している。
EAのような巨人が戦略的に行うならともかく、小規模のメーカーなら即死である。
EAにしても、来年のクリスマス付近に出るゲームは定価での購入者が減ることをさけられないだろう。
メーカーは正当な理由なく値下げしてはいけないのだ。
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翻って、サービスが成功している例だとアップデートでのボリュームアップが目覚しいストリートファイター4やAngry Birdsが挙げられる。
ストリートファイター4に至ってはアプリは元値が高いだけにユーザーのサービスへの期待も高く、「Retina非対応」を★を下げる理由にするユーザーもいれば「有料DLコンテンツが存在する」というだけの理由で評価を下げるユーザーもいる。
USでは日本より定価が高い(日本は900円、USは9.99$=1200円)こともあり、さらにこの傾向が強いようだ。
それでも概ね評価はよく、カプコンはうまくやっていると言えるだろう。

家庭用機、店頭で販売するゲームの時、ユーザーがブランドに求めていたことは「購入した時点である程度以上の品質であること」だった。
しかし、現在は「購入者が満足しない場合のフォロー」まで期待される。
目に見えな要求まで満たさなければならないAppStoreのなんと大変なことか。

AppStoreでは「信頼」が売れるのだ。
そして、メーカーが売っていないつもりでもユーザーは信頼を購入している
ここを抑えなければ長い目で見てブランドの創造は難しく、AppStoreに埋もれることになるのではないだろうか。

長くなるので今回はここまで。
次回は見えないサービスを読み取るにはどうすればいいか書いていこうと思う。

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