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Aralon: Sword and Shadow紹介

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タイトル:Aralon: Sword and Shadow HD
ディベロッパー:
プレイ時Version:2.0
ジャンル:RPG
価格:900円(iPad対応後に1200円)

Raven Swordを拡張して作成された大作アクションRPG。
父の死の真相を追って冒険するというメインストーリーがあるが、膨大な量の寄り道要素が用意された自由度の高いRPG。
普段はクリアしないとレビューしないのが当サイトの方針だが、12月のどこかのタイミングで値上げ予定ということもあり、「インプレッション紹介」という形で案内する。


Aralonとは?
Crescent MoonGamesから発売された、大作RPG。
同じ開発会社が製作したRaven Swordを拡張したようなRPGで、決められた順番なく自由にできるサイドクエストが大量にあり、グラフィックはそこそこでも環境音や雰囲気にこだわったオープンワールド型(世界が存在して、それを自由に歩き回れる)ゲーム。
・キャラクター能力・スキルをカスタマイズ可能
・盗賊、戦士、魔法使いなど4種の職業と人間、エルフ、トロルの3種族から主人公を選択可能
・メインの冒険以外にもある膨大なサブクエスト
・100以上の装備品
・敵の戦闘AIが進化
・NPCとの会話が豊富に。
・馬やドラゴンなどの乗り物やNPCを雇うなどができる。
・鍵開け能力などで犯罪も可能、もちろん犯罪を犯せば犯罪者になる
・釣りや薬草合成、魔法のパイプをふかすなどの寄り道要素
・3つの勢力どれかに所属して冒険可能、ギルドシステム
…数え上げるだけできりがない要素があり、家庭用機のオブリビオンのようなゲームになっている。
実にプレイ時間は30時間以上(前作は8時間程度)に及ぶという。

Raven Swordの進化系
実質的な前作に当たるRaven Swordは画像は荒かったものの環境音や地形など細かいところで雰囲気に気を使い、「土地を冒険している」気分にさせてくれるゲームだった。
Aralonではそれをさらに進化させ、ひとつの世界を作り出している。
ゲーム内時間に合わせて移動する太陽と変化する光源、環境音、NPCとの会話など、グラフィックや演出上の表現は全てよくなっている。
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NPCに攻撃することもできるし、水中を泳いで探索することも自由。
前作以上に「世界を冒険している」気分を味わうことが可能だ。
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ゲームシステムの複雑化に合わせ、スキルなどのショートカットが自由に登録できる、アイテムの確認がしやすくなるなどインターフェースも進化。
ほとんどすべての面で前作の正統進化させており、Raven Swordが楽しかった人は間違いなくハマれるゲームだ。
ただ、唯一ジャンプボタンが無くなったのは少し寂しかった。

プレイ印象
開始でいきなり難易度を選択させられる。
カジュアルを選べば適当に楽しみたい人も、ハードを選べば超コアゲーマー向けになる印象。
ここで難易度やプレイヤーの指向をあるていど吸収しているのはさすが。
十字キーで移動、攻撃ボタンやショートカットキーでスキルを発動させるオーソドックスな操作系で、操作自体はやり安い。
十字キーの配置を左利き用にしたり、エフェクトや地形の描画を調節してハイクオリティで思いモード、簡素化されているが快適に動く設定があるのも好印象。
3Gユーザーでもそこそこ快適にプレイできる。
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グラフィックは決してすごくはないが、光源処理や環境系に力を入れており実際にプレイしてみると悪くない。

いざゲームを始めてみると前評判通りやれることが多くて楽しかった。
薬草を合成してみたり、護衛を雇ってみたり、さらにその護衛を敵に一瞬で倒されたり(しかも、その護衛の死体を漁ることすらできる)、なんとなく川をさかのぼってみたら敵の洞窟を発見したり。
自分の意志で行動して結果が返ってくる感じがたしかにある。
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(スクリーンショットは召喚した炎の精霊。死んだ護衛の代わりに大活躍)
プレイ時間5時間でもまだまだ序盤で、ボリューム感もたっぷり。
間違いなく上質のRPGだ。

難点を挙げると、世界が複雑になった分ストーリーの流れを把握する必要も出てきたので前作よりも多少英語力が必要になっているのが大きいか。
一度受けたクエストはいつでも確認できるのは前作のとおりだが、それでも今作は「クエストを受けるかどうか」の流れを会話から読み取った方がいいことがあるからだ。
また、地図が全体マップしか無い(ダンジョンは複雑ではないが、ちょっと迷うかも)、敵を自動補足するシステムが少しお馬鹿だったり、NPCが思いも寄らない行動をとったりと粗も目立つ。

最後に不満を述べてしまったが、全体として見ると「自由に冒険できる世界」という長所がありつつ、「細部が不親切で粗がある」という短所もある「大きな長所で小さな短所を打ち消し、結果的にプラス評価になる」タイプの作品と言えるだろう。
この長所が「面白そう」と思えるならすごいハマッてしまうはず。
がっちりと行く先を示されて迷わないRPGを求めているならケイオスリングスやインフィニット・レガシーで、迷いつつもその迷った先での寄り道も楽しむあてのない冒険を楽しみたいならAralonで。
癖はあるが間違いなく、手のかかった大作RPGだ。

Aralon: Sword and Shadow HDの詳細はこちら(itunes)