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レビュー ワトソンが美少女な推理アドベンチャー ワトソン : ザ・ビギニング (シャーロック・ホームズ)

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タイトル:ワトソン : ザ・ビギニング (シャーロック・ホームズ)
ディベロッパー:A-Games
プレイ時Version:1.1.3
ジャンル:推理アドベンチャー
価格:230円
ワトソン : ザ・ビギニング (シャーロック・ホームズ)の詳細はこちら(itunes)

萌え系の絵柄で勝負するa-gamesの最新作は推理アドベンチャー。
会話の中から事件のヒントを得て、適切な証拠を突きつけて矛盾点を暴いてゆく。
平たく言ってしまえば舞台がイギリスで操作するのが萌えキャラになった逆転裁判。


システムはきっちり。
大事件を解決した疲労で体を壊し、田舎町来ゲートまで療養に来たホームズたちがそこで起きた事件を解決する推理アドベンチャー。
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過労のホームズを休ませるためにワトソン(=プレイヤー)が一念発起して事件の解決に挑む。
探索パートでは登場人物との会話で事件の情報を集め、時には現場調査をして証拠を集めていく。
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対決パートでは集めた情報や証拠から相手の主張の根拠を突き崩していく。
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地道に集めた情報から推理し、事件の結果を暴いていくカタルシスが売り。
ホームズもワトソンをサポートしてくれるが、プレイヤーの推理が誤っていると「信頼度」が減ってしまい、0になるとホームズが事件を担当してしまいゲームオーバーという仕組みだ。
…まあ、逆転裁判のシステムをそのままパクって簡単にした感じなのでもう外れようもなく、変な欲を出して独自システムをつけずに舞台をイギリス、主人公をホームズとワトソンに置き換えてうまく作られている。
なお、会話のログや証拠品の確認がいつでもできるなど基本的なつくりで不自由を感じることもない。
強いて言えばメッセージの早送りができないぐらいか。


肝心の質は
この手のゲームは文章や話の筋が特に重視される。
ここまでで気づいている方もいるかと思うが、話の筋はシャーロック・ホームズの「ライゲートの大地主」どおりに進むので、推理ものの骨格としてはあまり問題はない。
文章については韓国製のゲームだが、日本語訳はまあまあOKといったところ。
気になるところもあるが、十分楽しむことはできる。
ヒントも多く推理は中身は簡単になっているが、ザ・ビギニングの名の通り最初の一作と考えればこんなものなのだろう。
推理マニアを満足させるようなものではないが、推理気分を味わうのは十分。


ワトソンに注がれた愛
このゲーム、絵がすごいいいわけではない。
が、ヒロインであるところのワトソンに入った力は並ではない。
目尻や口が多少動くだけの他のキャラ(なんとホームズですら例外ではない)に対して、ワトソンの手は動き、髪の毛は揺れ…スタッフの愛が一身に注がれている。
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自分を「ボク」と呼んでツンツンした態度を取るワトソンはちょっとかわいい。
なお、ワトソンのグラフィックは頑張っているがシナリオ上は恋愛要素も萌え要素も(多分)ないのでそちらを期待している方は注意。
なぜかワトソンが女になっている以外はあくまで純粋な推理アドベンチャーだ。


トシの評価(5段階)
発売してもかなり長い間最初の選択肢でフリーズして動かない、言語道断なゲームだったが2010/10/22のアップデートをもって解消。
(それ以前の期間でフリーズに触れずに紹介しているようなサイトは信用しないべきである)
本編もどれだけひどいかと思って遊んでみたら普通に楽しめる出来で意表をつかれてしまった。
ワトソンが女になっている以外は逆転裁判を簡易にしたような普通の推理アドベンチャー。
アドベンチャー好きなら楽しめるはず。
逆転裁判と比べても気軽にやるならこちらでも全然見劣りしないと思う。
ただ、個人的には男ワトソンとホームズの渋い英国風推理アドベンチャーだともっと良かったのだが…。

総合:2.5(楽しめる)
+逆転裁判を簡易化したシステム
+ライゲートの大地主に沿ったシナリオ
-ときどき日本語が不自然
-メッセージ送りができない。