タイトル：Battle for Wesnoth
ディベロッパー：Kyle Poole
プレイ時Version：1.5
ジャンル：戦術SLG
価格：600円Battle for Wesnothの詳細はこちら(itunes)
Battle for Wesnothはドット絵で描かれたキャラクターたちが戦いを繰り広げる日本人にも馴染みのターン制戦術SLG。
PCで人気を博している無料SLGの移植版で、独自のコミュニティを持ち、多くの人の手が加わったこのゲームはAppStoreでもトップクラスの良作SLGだ。
どんなゲーム？
PCで無料配布されているターン制SLG。
ターン制、ステージ攻略型でユニットを次のステージまで持ち越せるというシステムはファイアーエムブレムのような和製のSLGそのもの。
だが、独自の特徴もきっちりもった骨太のSLGだ。
プレイヤーは主人公をはじめとして複数のユニットを雇い、マップ上の敵を倒したり、特定の場所を占領することでステージをクリアしていく。
ユニットには「ヒーロー」と「通常ユニット」の２種類があり、ヒーローは主人公や重要人物。シナリオに関わり、死ぬとゲームオーバー。
通常ユニットはお金で雇え、死んでもそのままゲームを進められる。
と言っても、名前もあればランダムで特殊能力も与えられるため、きっちり育てて次以降のステージまで連れていかなければ後半厳しくなる。
最大の特徴は時間の概念があること。
６ターンを１日として朝昼夕夜、と時間が変化していき、その中でユニットの能力が大きく変化するのだ。
最初の画面写真に比べてすぐ上の画面が暗いことがわかるだろうか。
これが時間の経過だ。
キャラクターには３つの属性があり、ロウフル（秩序）・ニュートラル（中庸）・カオティック（混沌）のどれか１つとなる。
ロウフルは昼は強く、夜は弱体化し、反対にカオティックは夜に強く、昼は弱くなる。中庸は常に一定だ。
その匙加減たるや、強い時間帯は敵の弱いユニットを一瞬で殺すことができるほど（逆もあり得る）。
つまり、自分の陣営のユニットの属性と時間を考慮して戦線を張り、戦っていく戦術が求められる。
時間と共にダイナミックに入れ替わる攻防はゲームを飽きさせない。
また、ゲーム内のシナリオもすばらしい。
先にも言ったとおりフリーゲームとして配布されているため、多くのユーザーがオリジナルのシナリオを発表しており、このアプリではその中でもよく遊ばれるもの、つまり良作を収録している。
収録されているキャンペーンは21あり、それぞれにシナリオテキストやイラストが付属している。
内容も王道のキャンペーン、チュートリアル、お遊び、トリッキーなものまで様々。それぞれにボリュームがあり、全部プレイしたら100時間は超えるだろう。
だが、そのバリエーションのおかげでなかなか飽きない。
ただし、一部のシナリオは英語を読む必要があるため、中学生程度の英語は理解できることが望ましい。
それだけあれば会話が分からなくても目的はわかる。
個人的にはOozeというスライムのようなクリーチャーが人間になる短編シナリオが気に入り。
このシナリオでは街の人と話して金を貯めたり、仲良くなったり（恋人までできる）とシステムを利用してRPG要素まで付け加えている。
（画面中央の妖精っぽい女ユニットが人型になったOoze）
マルチシナリオの要素もあり、プレイしていてニヤリとさせられた。
ゲームのバランスはかなりシビア。
難易度選択もあるが、常に楽にクリアは出来ないだろう。
ただし、それを補うかのように「UNDO」（やり直し）「自動セーブ」（１ターンごとに自動セーブされ、いつでも好きなターンに戻れる）、「ほぼ無限のセーブ枠」が用意されており、SLGマニアでなくともやり直しをすれば誰でもクリアできる。
本格派のSLGをプレイしたいのならこれ！といえる良品。
トシの評価(5段階）
PCでは無料だが、腰をすえてやる必要があるためしっかり時間を作らなければならなかった。
これが携帯で電車の中などで楽しめるだけで買う価値がある。
絵はキャンペーンによっていかにも洋物といった絵から、キレイな絵画、日本を意識したものまで様々。統一感が無いが、クオリティは十分なので味と思って楽しめる。
キャラクター性もあり、戦術性もあり、ボリュームがありでおすすめゲーム。
iPhone3Gでは処理が重いが、3GSなら問題ない。
４では非常に快適なので、iPhone4のユーザーならば特にオススメ。
総合評価4（すごい面白い）
質・量ともにそろったキャンペーン
きれいなドット絵
シビアだがやりがいのあるゲーム
良好な操作性
