「魔法の力でグラフィックを強化した」クロックタワーの後継作『Night Cry』試遊の感想と監督インタビュー
昨年、たびたび話題に上ったホラーアドベンチャー、『Night Cry』。
これは、巨大なはさみを持った化け物から逃げるアドベンチャー、『クロックタワー』のオリジナル開発スタッフがその後継作として製作しており、今もファンがリリースを待っている期待作だ。
そして、この作品をニコニコ闘会議2016で試遊できたので、監督の河野一二三さんのお話とともに紹介したい。
プレイして最初に驚いたのは、グラフィックが思ったよりも美しいこと。
もともとはPS Vitaとスマホ向けに作られていたので、かなりショボかったと記憶しているが……グラフィック的にはPS3世代のゲームに近い。
モデルなどはPS2.8といった感じだが、光のエフェクトはリアルタイム計算されており、PS3クラス。
こういったホラーゲームは、グラフィックが良い方が楽しめる。
思った以上に見た目が良くなっており、まずは嬉しかった。
ゲーム部分は、オーソドックスなポイントクリック型のアドベンチャーとなっている。
マップ上の気になる場所をクリックすると、その場所にヒロインが歩いて行き……。
イベントのある場所なら、そのままイベントシーンに移行する。
今回の試遊では、ほんの少ししか遊べなかったが、船内に不気味な小道具があり、かなり雰囲気は出ていた。
また、何人か名前付きの人物も登場し、
さて、肝心のシザーマンだが……驚くほど、そのまま『クロックタワー』のシザーマン。
試遊版では1度しか会えなかったが、製品版では何度もシザーマント遭遇し、クローゼットに隠れたり、逃げ回ったりして何度もやり過ごすことになるようだ。
▲光の使い方がいい感じで、うまい緊迫感が出ていた。シザーマンの様子は、買ってのお楽しみで。
試遊は、シザーマンをやり過ごしてコインランドリーにたどり着いたときに終わった。
乾燥機の中に隠れたものの、外に出られない。
そしてそのまま乾燥機が回り始め……ゲームオーバー。
いかにもB級感漂う結末に大満足だった。
▲河野一二三さん。背後は気にするな!
直球ですがリリース日はいつになるのでしょうか?
河野さん
ぼちぼち発表できると思います。
今回展示しているのはα版ですけど、ゲーム自体は一通り完成して、今はブラッシュアップしています。
リリースについては、まずPCで出して、そのあとVita版を出して、スマホ版という順番になります。
あまり間を置かずに出して、熱量を高めたまま出したいと思っています。まだモバイル版に手をつけていないのでわからないですけど。
現在、ドレス姿で、お尻を突き出して歩く感じのセクシーなヒロインが公開されていますが、残りのキャラクターはどのようになるのでしょうか。
ストーリーは全く異なるものが展開するのでしょうか?
▲ヒロインは歩き方もセクシー
河野さん
やっぱり、ホラーゲームにお色気担当は必要じゃないですか。
ストーリーは、マルチサイト的なノリ(※異なる視点から同じ事件を体験する)になるんですけど、もう1人のヒロインは、今までのシリーズを踏襲したヒロインかな。
今回、乾燥機のドラムの中で殺されてしまいましたが、そういったB級感あふれる死に方がたくさん用意されているのでしょうか。
河野さん
あれは、悲劇でもあり、喜劇でもありますよね。
実際に自分が必死に逃げて、あんな死に方をしたら悲惨ですけど、横から見ていると笑えちゃう。
人間って、必死になったとき、端から見たら笑えちゃう。ホラーとコメディは紙一重ですから。
シザーマンも、シザーマンらしく間抜けなところもあって。
ただ、ストーリーは完全にシリアスです。
スマホからPCへの移植で苦労などありましたか?
操作とか。
河野さん
素直にマウス操作に変えられたので、問題はありませんでした。
もともと、『クロックタワー』の操作がスマホでも問題ないものだったので、スマホ向けにして要素がなくなることもなかったので、PCでも普通に遊べました。
グラフィック面がものすごく強化されていましたが、その点はどうでしょうか。
どう考えても、クラウドファンディングで稼いだより金がかかっているように思えるのですが……。
河野さん
バッカーさんの援助には感謝していますが、当然、あれでは足りない。
でも、そこで俺が魔法を使ってなんとかしています(笑)
ただ、なぜか魔法を使うたびに、俺の口座が減っていく(笑)
な、なるほど(それは魔法ではないのでは……)、すてきな魔法ですね。
逆に、モバイルゲーマーとしてはそこまでして強化したグラフィックが、モバイルで再現できるのか気になりますが、そちらはどうでしょうか。
河野さん
基本的にはダウンサイジング(※画質などを落としたもの)した素材を使います。
が、スマホは画面が小さいので、ダウンサイジングしても同じぐらいの見た目にできます。そうなるように努力しています。
性能に依存する部分……髪の毛の揺れやリアルタイムシャドウなどは、どうなるでしょうか。
▲なんと、髪の毛に当たり判定がついて、カットシーンがより自然になっていた
河野さん
最近のスマホはPS Vitaの性能を超えているものもあるので、機種を選ばなければ移植できるかもしれません。
しかし、移植しても30分しか遊べないぐらいバッテリーを消耗してしまうかもしれないので、検討して決めます。
なるほど。できるだけ高いクオリティで遊びたいのですが、バッテリーが30分しか持たないとさすがに考えてしまいますね……。
欲を言えば、バッテリーを消耗せず、最高のクオリティで遊べる日を期待しています(笑)
河野さん
ありがとうございます(笑)
楽しみにしていてください。