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大阪梅田のインディーゲーム展示会『ゲームパビリオンJP』レポート。 関西独自色と、開発者の知識共有を重視した新しいインディーゲームイベント

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2023年3月25日に大阪は梅田スカイビル10Fで行われたインディーゲーム展示会『ゲームパビリオンJP』。
新しくできたこのインディーゲームイベントは、いったいどのようなもので、何を目指して開催されているのか。
本記事では主催者である秦亮彦さんのコメントも交えて紹介していく。

会場はゆったり広く、常に参加者が適度にいた印象。試遊台の多くには常に人がついていた。
公式では事前チケット販売数150と発表されていたが、当日はその倍はいるのではないか、という感じだった。
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イベントとしては日本の同人イベントのノリを濃く残しており、イベント会場内をジャックして「インディーロボゲー祭」「爽快☆シューティングゲームオンリー」「健全・全年齢エロゲオンリー」というぷちオンリーイベントも同時開催。
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さて、インディーゲームの展示会が増えるなか、大阪に突然登場したように見える「ゲームパビリオンJP」。
そんなゲームパビリオンJPを運営する秦亮彦さんに、イベントの目指すところについてお話を伺った。
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▲主催の秦亮彦さん

ゲーキャス:
近年、急激にインディーゲームイベントが増えてきている印象ですが、ゲームパビリオンJPはこの時期になぜ、大阪で開催することになったのでしょうか。

秦:
実は、もともとずっとやりたかったイベントで、急に開催したわけではないんですよ。
もともと私、10年ぐらい同人ゲームイベントをやっていて、ずっとイベントをやりたかった。コロナがなければ3年ぐらい前にこのイベントをやっていたはずなんですよ。

ゲーキャス:
もともとあったのは確か「同人ゲームフェス」ですよね。
名前を変えて実施された理由は?

秦:
2010年ぐらいは個人でゲームを作ってる、ゲーム会社に所属しないでゲーム作ってる人が作ってるのが同人ゲームだみたいなとこがあったわけですよ。
前までは個人だと開発機はもらえない、とか境目があったわけですよ。

それが2023年の今はもう境目がなくなってきて、同人ゲームという言葉が伝わりづらい。ともすると「DLsiteのゲームかな?」みたいな。
それも否定はしませんけれど、もっと伝わる言葉で今イベントをやるなら新しい名前で「ゲームパビリオンJP」にしよう、となりました。

ゲーキャス:
大阪で実施することへの想い、などはあるでしょうか。

秦:
私が住んでるっていうのが一番大きいんですけど(笑)
ただ、東京はイベントがもう多すぎて「あの東京で今からじゃあやります」っていうのはちょっとしんどいんちゃうかなと。
あと、関西でやると名古屋から中四国ぐらいからこう人が集まるんですよ。

ゲーキャス:
実際に見てみると名古屋のメーカーの完全新作(未発表!)から、鳥取大学などの学生さんなど、東京のイベントでは見られないゲームが多くて驚きます。
目新しいものもあって、「来てよかったな」という感じがありました。
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▲『レイジングブルーA』の開発者さんは、関西で同人系のゲームイベントがあることを知って10年ぶりに新作を作ることにしたのだとか。

秦:
とくに学生さんは東京まで出ていくのはきついですよね。でも、関西イベントなら出られるのはとてもいいことだと思ってます。
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▲鳥取大学からの参加。自らの受験経験からゲームを作ったという学生色あふれる1作。

ゲーキャス:
このゲームのイベントが目指す理想などはありますか?

秦:
開発者の交流の場として、スキルや知識を共有していく場所になりたいという思いはあります。
私自身がゲーム業界に携わるようになり、同人のときはわからなかったことがゲーム会社に入って見えるようになりました。
一方、ゲーム会社に入ってもゲーム作りの悩みは個人開発と似たところもある。双方のノウハウが役に立ち会うとこもあるんじゃないかな、と。

今回、企業で例えばデバックの企業に入っていただいてますけど、個人の開発で縁が薄い外部のサービスの存在を意識してもらうと役立つこともあるんじゃないかなって思いがあります。

ゲーキャス:
だから、イベント終了後に参加者が気楽に参加できるイベント公式の懇親会があるんですね。

秦:
はい。
個人とゲーム会社の知識を共有するという意味で、今回70ぐらいのサークル、企業とかいろいろ来てくれて、そこが良かったなと思ってます。

ゲーキャス:
最後に、今後の「ゲームパビリオンJP」について展望があればお聞かせください。

秦:
イベント2週間前にも「もくもく会」という開発者が集まってゲームを作る集まりをやってますし、開発に主眼を置いたコミュニティにはなっていくんじゃないかなという気はします。
ゲームを展示して、そのあとで個人とゲーム会社でゲーム作ってきた人が一緒になって、知識の交流ができる場所。
来年もやりますので、とくに関西の開発者の方には方は注目していていただければな、と思っています。

ゲーキャス:
ありがとうございました。

本イベントでは、ビットサミットなどで見ない「同人系」の流れがありつつ、同時に「同人イベント・コミケのように夕方になると人が減ると思っていたが、ずっと人がいて良かった」という声もあり、同人イベントと近年のインディーゲームイベントの良い部分が融合しているように見受けられた。
今後、関西でインディーゲーム展示をするなら選択肢の1つになるかもしれない。

ゲームパビリオンJPについては、以下の公式サイトリンクからどうぞ。
Gamepavilionjp │ インディーゲーム展示会