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プレイヤー全員がハトになって完全平等で平和で格差のない社会を体験する『ハトバース』リリース。テキストが打てず、通話もないから平和な世界…のはずが、すでに崩壊の兆しも

ハトバース|鳩のメタバース (App Store 無料)
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人間が仮想空間上で過ごせるメタバースを作り上げる前に、ハトたちは理想郷を電脳世界に築いていた……?
ファクトリーは、ハトとなって仮想空間でのハト体験が楽しめる『ハトバース』をリリースし、その世界を紹介する『ハトバースカンファレンス2022の映像』をYouTubeで公開した。
『ハトバース』は参加するプレイヤー全員が鳩になり、ほかの鳩たちとのリアルタイムコミュニケーションを楽しむ空間。
全員が全く同じ鳩になり、テキストは打てず、鳴き声のみでコミュニケーションをとるため平等で争いがない平和な世界が楽しめるという……が、筆者が参加したときにはすでにその理想は破れていた。
まずは『ハトバースカンファレンス2022の映像』をご覧いただきたい。


本作の中においては、全てのプレイヤーが鳩。
テキストも入力できないし、鳴き声は「ぷるっぷぅ」という単一の鳴き声だけで、言葉で傷つくものやいじめは発生しない平和で真に平等な社会が『ハトバース』では実現されているという。
お金で服を購入したりアバターを選択する機能もないので、格差も存在しない。
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スコアやクリアといった要素も実装されておらず、言葉でもプレイの腕でもマウントをとられることがない。
一方、弊害としてあまりにもやることがないので、「圧倒的につまらない、2分で飽きました」と開発者が自ら伝えている。
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NFTやブロックチェーンなどメタバースと同時に使われがちなものについては「大変で面倒だから」と採用を見送っているが、プレイヤーのためにゲームスタート地点にシーソーを設置し、ゲーム世界を動き回る3匹のニワトリも用意したという。
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さて、一見(すぐ飽きる)理想郷に見えるこの『ハトバース』だが、筆者がプレイを始めたときすでに理想郷は黄昏を迎えていた。
運営が楽しみのために用意したニワトリにのると、ニワトリを押さえつけられるためニワトリに乗るテクニックの競い合いが発生していた。
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▲鳩に乗られたニワトリはもがくが、とべなくなってしまう。

さらには、シーソーについては多数派の鳥がシーソーの片側に陣取り、少数派の鳩がシーソーを利用できないように固めており、社会対立が深刻化する兆しが見えた。
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▲短いプレイ時間の間だが、新参者にシーソーを利用するタイミングはやってこなかった。

どんな退屈で何もない空間でも、人間はやることと違いを見つける。
もはや、格差やテクニックによるマウントが存在しない社会ではなくなっていた。
運営の優しさが、理想を壊してしまう……平和な社会と、楽しい社会は両立しないのだろうか。
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その答えは、『ハトバース』をプレイして確かめてみて欲しい。
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ちなみに、こちらは飽きるまで遊んでみた筆者のプレイ動画だがYoutubeで表示されている時間から広告動画を見ていた時間を差し引くとちょうど2分だった。


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