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定命の人間として何度も人生を体験し、人間社会の発展を促す歴史構築シミュレーション『Horizon』改めて発表。BitSummit 8thレポート

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2021年9月2日~9月3日に行われたインディーゲーム展示会 Bitsummit 8th。
その中でも、Room6 制作の『Horizon』の展示は出色の人手だった注目のタイトルだ。
コロナ下で人が少ないイベント会場でも常に誰かが体験しているのが見て取れ、筆者が空きを見つけて体験できたのはイベント開始から5時間も経過した15時を回った頃。
非常に注目を集めていたゲームだった。

(記事:yupika 、編集:寺島壽久

『Horizon』は、「不死の少女エリーとなって、定命の人々と共に生き、数々の別れを体験する」放置ゲームとして発表された(愛しき人の死を見送るRPG『Horizon』発表。永遠を生きる少女になり、生まれ、子をなし、老いて死ぬ普通の人と別れ続けるゲーム
しかし、BitSummit 8th では主人公が定命の人々の側になり、何度も死んでは新しい人生を生きるローグライク要素のあるサバイバルゲームとなっていた。
プレイヤーは1回の人生で学問を究めたり、戦いを極めたりと自由に生きられる。
そして、死んだ後にその能力や実績を反映して社会が育ち、それが積み重なる「生きて人類を発展させて死ぬことを繰り返す」ゲームになるらしい。
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公式 PV はこちら。


「貴方は生まれ変わりました…世界を発展させてください…」というようなテロップでゲームが開始し、ゲーム画面は主人公が中央に、森の入り口のようなところで突然プレイヤーが操作可能な状態で始まる。
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画面・動きの印象としては 2D のプレイヤーが中心となったスクロールでプレイヤーができるのはジャンプ等はなく左右の移動のみ。
Kingdom:New Lands』に大きく影響を受けているように見えた。
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デモでは、“建築”のボタンを押すと“空小屋”が作れることが確認できた。
そういった建築や時間によって夕暮れから夜へと背景が変わる様子も『Kingdom』の表現に近い。
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フィールドにはキノコ(攻撃してくる)やウサギ(攻撃はしてこない)等がウロウロしているので、叩いて倒してみる。
生物は倒すと「解体する」とコマンドが出て、それをボタン押しっぱなしでしばらく実行して動かずいることで肉になる。
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こういった倒したらアイテムが即手に入る形ではなく、一連の動作をさせる部分にはリアル指向のゲームだなということを感じた。
それを証拠にステータスのボタンを押すことで満腹度と睡眠が表示される。どうやらHPの他にこういった衣食住の管理が必要なゲームだということらしい。
現在ではどうやら睡眠や空腹のバフやデバフは実装されていないようだが、肉を食べると摂取したKcalの表示等もあった。
クラフト(これは建築とは別メニュー)には葉っぱの寝床、鍋があり、睡眠の質や料理の要素もあるようだ。
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デモでは成長やNPCの要素などはまだ何もないのでひとまず右にどんどん進んでいくと、ちょっと強い敵が出てくる。
開拓して遠くに行けば行くほど敵も強くなるような導線ということだろう。
そこで、キノコ以上に強い食虫植物に負けて、「あなたは死にました…」となった。
本来はこのあと、100年以上の時をまたいで転生する…というゲームになるらしい。
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▲こういった巨大な敵も出現するらしい。

さて、ここで開発の方にお話を聞けたのでミニインタビューを。

Q.この作品のアピールポイントを教えて下さい。
A.本作品は、死ぬと100年など大きな期間をあけて転生するようなシステムとなっています。
その自分が死んでる間にもNPCが建築物を作ったり発展させていたり、また主人公が開発(発見)したスキルなどが世界中で使われていたり……。
そういった発展と冒険が両方楽しめるものを目指しています。

Q.発表時は放置ゲームでしたが、大きくジャンルが変更されて驚いています。変更された理由を教えてください。
こちら開発当初はモバイル向けで考えていたのですが、自分たちの現在の開発やパブリッシングの主軸がコンソールの買い切りゲームに移っていってたこと、また最初の発表時に非常に大きな反響を頂いたこともあり、それに合わせてゲームの仕組みから考え直しました。

Q.スマートフォン対応は考えていますか?
スマートフォンのノウハウは、先程もお答えしたように開発経験があるので十分あるのですが、
本作は今の所操作体系がスマートフォンに最適化できるものになるか、楽しく遊べるものに落とし込めるかなど、かなりの考慮が必要なのでひとまずはコンシューマー(Switch)を目標に開発しています。

Q.現在の段階で想定している完成までの開発率としてどのくらいなのか気になります。
今はまだ、プログラマであるリーダー曰く2%というところだということで(笑)
なんとか2022年には発売はしたいです。

Q.当初は永遠を生きる少女が主人公でしたが、今は死ぬ人間側が主人公に代わっています。
開発初期のゲームテーマは「生と死のコントラスト」ということで、永遠を生きる少女(生)と、あっさりと死んでしまう普通の人間(死)ということでコンセプトを決めていたのですが、紆余曲折あって、いまは少し(死)の方に比重を置いている形になってます。
それに伴ってメインのキャラクターも変更しました。
ただ、「永遠を生きる少女」については引き続き登場する予定で、このゲームのバックグラウンドを流れる大きなストーリーや謎に密接に関わってくる存在になる予定です。
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現在は操作に関しては全ての機能に1ボタンを割り振っていて、例えば睡眠のボタンや建築のボタン等はメニュー等にまとめることができそうに思える。
このあたりも開発中の為、後々操作体系は整理されたり、もっと多くのコマンドが出来るようになったりするようだ。

先に挙げた『Kingdom:NewLands』は、夜に襲い来る敵から都市防衛をするタワーディフェンスで、リソースを切り詰めて貯めて島を渡っていく硬派な面クリア型に近いゲームだった。
こちらは UI 等にその影響は感じるものの、死が終わりではないことから腰を落ち着かせて発展させていき、拡大再生産とクラフト要素が大きくフィーチャーされた『Terraria』だとかそういうゲームに好きな人向けになっていくのではないだろうか。

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会場ではグラフィックの人が先に作っているという要素を公開していたが、駅や機関車の要素はそれだけでワクワクするものを感じた。
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インタビューのとおり、現状は要素の枠組みだけという状態だが今後、各パーツをどこまで作り込んでいけるか楽しみな作品だ。

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