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スクエニ、『ファイナルファンタジーピクセルリマスター』発表を記念して産みの親である坂口さんと音楽担当植松さんが作品を振り返る動画を公開。貴重な裏話がポロリ


スクウェア・エニックスは、『ファイナルファンタジーピクセルリマスター』の発表会動画を期間限定で公開した。
『ファイナルファンタジーピクセルリマスター』とは、『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズの1作目から6作目を、新しいドット絵とサウンドで蘇らせるシリーズ。
動画内では、『FF』産みの親でもある坂口さんを中心に、音楽についてはシリーズ音楽を担当した植松さんを交えつつ振り返っている。

「35年後にリメイクされているとは思っていなかった」と初代を作った頃から振り返っており、当時の開発風景がわかる貴重な情報がちらほら。
FF5のジョブチェンジシステムでは、あまりに分量が多いので「本当に全部(全キャラ×全ジョブで)グラフィックを用意するんですか?」とスタッフに怒られたとか。
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▲今になると全部違うのが当然だが、言われてみると全キャラ全ジョブのグラフィックを用意するのはすごい。

天野喜孝さんにイラストをお願いした理由と、お願いしたときの思い出なども語っている。
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個人的に興味深かったのは、『FF5』から合流した北瀬さんがFFシリーズにもたらした影響。
ともにイベントシーンなどを作っており、お互いの状況を確認して「あいつより、もっとすごいものを作ってやる」という競い合いが発生していたという。
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その中でも、『FF5』の名物キャラクター、ギルガメッシュは勝手に入っていて、坂口さんは怒っていたというから驚き。
しかし、テストプレイヤーに遊ばせたら好評だったため、OKになったという。
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また動画では『FF6』での変化についても言及。
世界観の変化については、FFは1作でそのとき持っている物を出し切るので同じキャラクターが出てくる作品をやらずに、世界観を変えようとしていたとのこと。
単純に1作で出し切ると違う物を作りたくなり、違う世界観になっただけと言うことのようだ。

ケフカというキャラクターについては集英社の鳥嶋さんに(ドラゴンボールなどを送り出した名物編集)「悪役がたっていない」と言われて作ったことを語っている。
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終盤には植松さんが登場し、FFの音楽の変遷についても語られ、今だから話せる裏話も飛び出す。
とくにすごいのが「テープ2本事件」。
FF1のとき、植松さんがテープに入れてきたものを持ってきたとき、坂口さんは「1度作り直したら良くなると思っていたので全ボツにした」という。
つまり、ボツにするためにボツにしたというわけだ。

しかし、植松さんもただでは起き上がらなかった。同じ曲の曲順を入れ替えてテープをもっていくと……坂口さんは気づかずに「これだよ、これ」とOKしたという。
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なお、『ファイナルファンタジーピクセルリマスター』の音楽は全部作り直して、オリジナルに忠実にしつつ膨らませているが、全部植松さんが見て、アレンジしすぎにならないようになっているとのこと。

などなど、とにかく情報盛りだくさん(ここに書いたことは半分以下)。
『FF』ファンの方はぜひ動画で見て欲しい。



関連リンク:
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