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博打+ローグライク要素+デッキビルドRPG『サイコロ元素師(Dicey Elementalist)』レビュー。サイコロ運をプレイヤーの腕でコントロールする度胸のRPG

サイコロ元素師 (App Store 無料 / GooglePlay 近日予定)
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毎回ダンジョン入口から初期状態でプレイが始まり、冒険中にランダムな カードを手に入れてデッキを強化し、ボスを倒すローグライク系+デッキビルドRPG。
そこにサイコロを振ってランダムに魔力を得て戦う、ちょっと博打要素が強い新作『サイコロ元素師(Dicey Elementalist)』が登場した。

本作では攻撃する前に火土水風光闇6つのエレメントが描かれたサイコロを振って、出た目に応じたエレメントのカードしか使えない。
強力なカードを持つだけでなく、運が悪いときのフォローも含めた戦術が必要な”運をコントロールするローグライク”として、このジャンルのなかでもまた少し新鮮な気持ちで楽しめる。
初心者への配慮もばっちりなので、このジャンル初心者にもおすすめだ。

それではゲームを順をおって説明していこう。
まず、冒険に出るときに使用するキャラクターと難易度を選択する。
キャラクターは全4種で、それぞれ”スキル”と呼ばれるバトル時に使用できる能力が異なり戦術がかなり変化する。
キャラクターは1人は最初から、1人はプレイで使えるようになり、残り2人は有料。ただし、各120円と250円と安めで、有料キャラクターは使い方が変化するだけで特別強いわけではない。
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続いて遊ぶモードを選択する。
本作にはカード選び放題の制約の少ない初心者ルールから6枚以上カードを持てない達人ルールまで細かく異なる4ルールが用意されており、好きなスタイルで遊べる(ただし、1度クリアしないと上級ルールは選べない)。
また、それぞれのルールに難易度が設定されているので、遊びたくないルールがあれば、遊びたいルールの高難度に挑戦すればそれなりの手ごたえが味わえる。

キャラクターとルール、難易度を選択したら、ついにダンジョン入りだ。
ダンジョンのルートは毎プレイランダムに生成され、プレーヤー は目の前の看板をみて先に待つイベントを判断し、行き先を選択する(後戻りはできない)。
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ダンジョン内にはコインを貯めて買い物ができるショップイベント、サイコロ勝負でボーナス戦うイベント、宝箱が置いてあるボーナスイベントなどいろいろあるが、もちろんメインとなるのはバトルイベントだ。
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バトル時には、前もって準備した最大6枚のカードデッキと装備を使用して戦う。
各カードには“火のサイコロが2つで6ダメージ”とか、“3つ同じエレメントで8ダメージ”など、使用条件と効果が設定されている。
強いカードほど サイコロ運が良くなければ使用できないため、使用条件が厳しいカードは戦闘中にずっと使えない可能性もある。
そのため、使いやすさと強さのバランスを考えたデッキを考えることが本作の面白さの核となる。
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続いて、最大10の装備をバトルに持ち込める。
装備はカードと違って持っていれば必ず効果を発揮するアイテムだ。
ダメージを与えたり、HPを回復したり、直接効果を発揮するカードに対して、装備は毒を強化したり特定のカードを強化したりと、サイコロの目を操作したり、特殊な効果を発揮するものも多い。
運に左右されるカードデッキのリスクヘッジに使っても良いし、うまく戦略がハマったときに大爆発するような博打装備もでき、このバランス設計がまた楽しい。
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準備が整ったらいよいよバトルだ。
バトルはターン制で、基本的にはプレイヤーが先行で5つサイコロを振る。
サイコロを振ると、その目に応じて使用できるカードがハイライトされる。
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プレイヤーは好きなカードを使用した後に、2回までサイコロの振り直しができる。
このとき、 振り直したくないサイコロをタップで指定できるので、5個のサイコロを振って同じ属性が3つなど、難しい使用条件のカードでも利用すれば使用不可能ではない。
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また、火と水など異なる属性のカードを使っていても、最初に火属性カードを使用できたら、次に火属性のサイコロを振りなおして水属性カードと組み合わせるなど、欲張れば他属性デッキもOK。
このおかげで、プレイヤーはさまざまな属性から効果だけを見て素晴らしいものを選ぶ夢見がちなデッキから、単属性で染めた堅実なデッキまで様々なデッキを試すことが可能となっている。
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そしてサイコロ振り直し回数が尽きるか、 スキルカードをすべて使い終える化してターンが終了すると敵の行動が始まる。
敵も最高6枚までのカードを持っており、プレイヤーと同じようにサイコロを振り、プレイヤーと同じようにスキルを使用してくる。
また、すべての敵は”毎ターンHPを回復する”とか”ダメージを減らす”とか、必ず1つ特殊能力を持っていて、これが画面の1番上に表示されているのでこれを必ず注意して戦わなければ簡単に敗北することもありえる。
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そしてプレイヤーか敵どちらかのHPがゼロになると戦闘が終了し、 敵のHPがゼロになったときは、 お約束の報酬タイム。
経験値などが手に入り、カードや装備をランダムにドロップするので、そこから選択してキャラクターを強化し、さらにダンジョンの奥へ進める。
もちろん、プレイヤーのHPがゼロになったときは最初からだ。
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これを繰り返してダンジョン奥にいるボスと戦い、各モード・難易度で定められた数だけダンジョンを攻略すると最終成績が発表されてゲーム終了となる。
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ゲームには永続強化要素もあり、プレイすると星屑や緑宝石などの資源が貯まり、初期状態のキャラクターを強化したり、新ダンジョンや新イベントなどが解放されてプレイ自体も変化していく。
途中で倒れても資源は手に入るので、安心して繰り返しプレイし、変化をつけて楽しめるやり込みゲームと言えるだろう。
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難易度としては比較的やさしめで、日本語にも対応していて遊びやすい。
また、この手のローグライク・デッキビルド系ゲームはデッキにカードを加えたら特別なことがない限り削除できないが、本作では戦闘中でなければいつでもデッキや装備を変更できる。そのため、敵を覚えて適切にカードを入れ替えて先に進めるのも、上達を感じやすくて良い。
このジャンルの初心者にも自信をもっておすすめできる。
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一方、このジャンルに慣れたプレイヤーならかなりサクサク攻略が可能で、気軽に手を出してガンガン進める。
サイコロによる偶然性と、それを織り込んだリスク管理は先に挙げた『満月の夜』やこのジャンルの人気作『Slay the Spire』を遊んでいても目新しく楽しめるし、その新しさを楽しんでいる間にスムーズに最高難易度を解放できるので、慣れたプレイヤーでも退屈せずに楽しめると思う。

課金要素は前出のキャラクター追加と、星屑などをプレイで得られる資源が2倍になって広告が消えるSVIPパス(買い切り610円)、プレイを続けるほどに報酬をもらえる(バトルパスに相当する)王冠が370円の3種類がメイン。
緑宝石を好きなだけ追加で購入できる。
ガチャゲームに比べてはるかに安価だし、現在のところ無課金でもほとんどの要素は解放できるので、無料で楽しんでより遊びたければキャラクターを買えばそれで済む。
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サイコロの博打要素、それ以外の堅実な要素を組み合わせて遊ぶ本作は魅力的なので、まずは無料分(もちろん、最後まで遊べる)を遊んで試して欲しい。
なお、現在は iOS のみだが、Android版も開発中なのでAndroidユーザーの方も気になったら公式Twitterをフォローして待っておこう。

プレイ動画:


概要:
毎プレイ最初から、プレイを通じてカードを手に入れ、デッキを組んで強くなるローグライク系バトルゲーム。サイコロを振ってその目に応じて使用できるカードが決まるランダム性のコントロールが楽しい。

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
サイコロ運を制御する楽しさ
初心者から上級者まで繰り返し何度も遊べる

気になるポイント
職業によっては高難度の序盤が安定しない

アプリリンク:
サイコロ元素師 (App Store 無料 / GooglePlay 開発中)

開発:Doublethink Games(US)
HP:https://twitter.com/diceyelemental1
レビュー時バージョン:1.1.2
課金:キャラクター購入、緑宝石購入(ゲーム内要素が増える、課金しなくても入手可)、VIP(広告削除など)

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中