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Apple、Macと同じM1搭載の『iPad Pro』発表。メインメモリは最大16GB、PS5などのコントローラーにも対応し、スマホ版『Devil May Cry』のプレイ映像も

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Apple によって、タブレットの世界が変わってしまうかもしれない。
4月21日2時より行われた Apple のカンファレンスで発表された新型 iPad Pro は、それほどインパクトのでかい物だった。
新型 iPad Pro は、Apple がノートやデスクトップ型の Mac に使用している M1 チップを搭載し、メモリは最大で16GB。
つまり、Mac とまったく同じ性能を発揮できるようだ。

M1 の浮動小数点演算性能(3Dグラフィック性能の1つの目安となる値)は2.6 TFLOPS といわれている。
この数字は PS4 の 1.84 TFLOPS を越える。最新ハードの PS5 は 10.28TFLOPSで、Xbox Series X 12 TLOPS だが、タブレットとしては恐ろしいほど高い。
実際、M1 の Mac が発表されたとき、2016年の大作系ゲーム『Rise of the Tomb Raider』が十分に動作することが報告されていた。
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▲『Rise of the Tomb Raider』。画像はSteam版のもの。

CPUとメモリを統合した M1 を採用したことでメモリも Mac 同様に 8GB に増加(以前は6GB)するので、性能とメモリ両面で PS4 クラスと言える。
ストレージへのアクセスも2倍速くもなる。
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最新の PS5 と XBox Series のコントローラーにハプティック(触覚フィードバック)と共に対応。
実際、iPad Pro を利用して PS5 のコントローラーで『Devil May Cry』と思われるゲームをプレイする様子もイベント中に流れた。
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▲ゲームは中国で開発されている『Devil May Cry』の正式ライセンス作品『鬼泣-巅峰之战』。iPad Proの性能を要求するわけではないが、象徴的だ。

ただ、前世代の iPad Pro に積まれていた A12 Z が約 1.1 ~ 1.3 TFLOPS と言われており、Apple の発表によると CPU は50%、GPUは40%程度の性能向上になるとされている点は気になった。
この通りに計算すると、iPad Pro は 1.8 TFLOPS 程度。FLOPS の値がすべてではないが、PC 向けと比べて動作クロックが落ちる可能性も考えられる。
このあたりは実機レポートを待つしかないところだろうが、言葉通りであれば1~2年ぐらいは他社が追いつくことは困難だろう。
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ポートは Thunderbolt を採用し、最大 40Gbps 高速データ転送が可能に。
セルラーモデルは 5G 通信に対応。
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M1 に続く最大の特徴はおそらくそのディスプレイにある。
11インチモデルはこれまで同様に Liquid Retina ディスプレイを採用しているが、12.9インチモデルはApple が誇る Pro Display XDR の技術を応用し、ディスプレイが刷新されている。
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12.9インチモデルは、コントラスト比は100万対1、1000ニトのフルスクリーン輝度、1600ニトのピーク輝度の Liquid Retina XDR ディスプレイが搭載。
10,000もの LED が埋め込まれ、高輝度を実現しているとのこと。
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バッテリー駆動時間はインターネット・動画資料で10時間と前モデルと同じ。
サイズなどは11インチモデルが 178.5mm×247.6mm×5.9mmで重さは466g(セルラーモデルは468g)。前世代と変わらず、5g軽量化。
12.9インチモデルは 214.9 mm×280.6 mm×6.4mmで、重さ682g(セルラーモデルは684g)で、前世代より0.5mm薄くなり、41gも軽くなっている。
認証は FaceID を採用し、Touch ID はなし。

リアカメラは前世代と同じながら、フロント側には新しい TrueDepth カメラを搭載。
12MP、122°視野角のの超広角カメラで、f値は2.4。
アニ文字とミー文字、スマートHDR 3などに対応。
これにより、ビデオ通話時にユーザーの位置を認識し、移動してもユーザーを画面の中心に写せるセンターフレーム機能が実現された。ただし、f値は2.2から少し落ちている。
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価格は11インチモデルが94,800円(税込)から、12.9インチモデルが129,800円(税込)から。
予約受付は4月30日より、発売は5月後半となる。
128GB ストレージから 2TB ストレージまで用意されており、1TB 以上のモデルはメインメモリが16GBに増量される。
前モデルは11インチモデルが91,584円から、12.9インチモデルが113,184円からだったので値上げではあるが、この内容なら仕方ない、と思える発表でもあった。


Apple の言葉を額面通りに受け取るなら PS4 世代のゲームから現在のインディーゲーム程度は十分に動くと考えられる。
単純に M1 チップを採用した iPad Proの性能はバケモノとしか言い様がなく、タブレットゲーマーであればチェックせざるを得ない。

また、チップセットが統合されたことで、今後は Mac と iOS アプリがより近くなり、場合によっては同じものになっていくことも容易に想像できる。
そうなると、PC からスマホまで Apple のエコシステム内でそろえる利便性が高くなっていくことだろう。
iPad Pro は、色々な意味で注目に値する製品になりそうだ。

ただ、チップセットがこれまでの Aシリーズから Apple 独自設計の M1 に変わったことで、何かしら動作の問題が起きる可能性もある。
環境の移行で問題が発生して困る場合は、発売後少し様子を見た方が良いだろう。

関連リンク:
iPad Proを購入 - Apple(日本)