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「私はゲームじゃない!」と言い張るアプリの本性を暴き、ゲームであると理解(わか)らせるパズル『There Is No Game: Jam Edition』レビュー

There Is No Game: Jam Edition (App Store 無料 / GooglePlay 無料 / Steam 無料)
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新年は短くさっぱり終わって、しかも興味深いゲームで始めたい。
ということで2021年最初に紹介するのは「私はゲームじゃない!」と言い張るゲームアプリをいじくりまわし、本性を暴くパズル『THERE IS NO GAME』を紹介しよう。
プレイ時間はたった10分。
ゲーマーを挑発するアプリの本性を暴いて「オマエはゲームなのだ!」と理解(わか)らせてやろう。
熟練ゲーマーは、嘘つきアプリなどに負けない。

本作は短時間でゲームを製作するゲームジャムイベントで2015年に制作されたもので、「Deception(欺く)」というテーマで製作されている。
欺くのはゲームアプリ自身。
ゲームアプリが意志を持ち、ゲームではないフリをしてプレイヤーが遊ぶことを阻害する。
起動最初のメッセージからして「実は、このアプリはゲームじゃないんです」だし、タイトルロゴも「THERE IS NO GAME(ここにゲームはありません)」。
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だが、これは確かにゲームなのだ。
プレイヤーはできる限りの行動でアプリを破壊し、アプリが隠している本性を暴き、それを突き付てやらねばならない。

この先はゲーム内容の紹介だが、たった10分で終わるゲームなので、少しの紹介でもゲームの50%ぐらいを語ることになってしまう。
よって、最初の説明で気になったら先を読まずに冒頭のリンクからゲームをDLして遊んで欲しい。
全編英語だが、高校3年生程度の英語力があれば字幕を読めると思う。

ゲームを始めると、アプリが早速語り掛けてくる。
「これはゴミのようなものだから、TV見たり外で遊んだりしよう?
なんなら返金申請してもいい。あ、これは無料だからその必要すらないですね」と。
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もちろん、こんな生意気なアプリは理解(わか)らせてやらねばならない。
画面をたたいてタイトル画面を壊せば、もう「NO GAME」じゃない!
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「すべてを壊す気ですか!?タイトル画面を戻して!」とアプリは語るが、熟練ゲーマーはそんな声に負けない。
とある方法ですでにミュートボタンを探し出してある。
これを押すとアプリは声が出ないどころか窒息して死にかける。
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▲ミュートボタンを押すたびに俺はアプリを窒息させていたのか……などと思うと不謹慎かもしれないけどちょっと笑ってしまった。こういった演出が秀逸。

そして、さらに色々するとアプリの存在意義をハックしてタイトルの文字を並び替えることに。
「嫌がるアプリを暴く」ことがこんなに楽しいとは。プレイしていて自分の意外な一面を発見してしまった。
アプリよ、俺の勝ちだ!
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え、これで終わりではない!?
なんと、ゲームっぽいものが始まってしまう……が、この先はプレイしてその目で確かめて欲しい。
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なお、本作は2015年に発表されたあとで大きな話題を呼び、2020年に大幅に拡張された製品版『There Is No Game: Wrong Dimension』が登場している。
このゲームをプレイして気に入ったら、本編もまた楽しめる(Jam Editionの後で遊んだほうが楽しめる)と思うので、あわせて理解(わか)らせてやって欲しい。

プレイ動画:(クリアまで遊んでいるので序盤だけ見るか、詰まったときにどうぞ)


概要:
ゲームであることを拒否するゲームの正体を暴くポイントクリック型パズル

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
意外な操作でアプリの正体を暴く楽しさ

気になるポイント
高校生程度の英語力は必要

アプリリンク:
There Is No Game: Jam Edition (App Store 無料 / GooglePlay 無料 / Steam 無料)

開発:Draw Me A Pixel(フランス)
HP:http://www.drawmeapixel.com/
レビュー時バージョン:1.0.4
課金:なし

ライター:寺島壽久(ゲームキャスト トシ)
ゲーム紹介サイト、ゲームキャスト管理人でゲームライター。
アクション、新しさのあるゲーム、旅を感じるゲームが好き。
Twitterでも情報発信中