ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

Epic Games、「必要ならば多方面で何年も対立する」とAppleに予告していた。EpicのCEOが訴訟前にAppleへ送った複数のメールを公開


超人気ゲームアプリ『フォートナイト』が Apple の規約に違反して App Store から削除され、その後に開発元の Epic Games が規約自体が独占禁止法違反であるとして Apple を相手取って起こした訴訟。
ここ数日話題になっている話だが、Epic Games は Apple に対して事前通告していたことが明らかとなった。

これは、Apple が裁判所への提出資料において「Epic Gamesが App Store で自社を特別扱いするようサイドレターを出していた」と表記していたため、Epic Games CEOのティム・スウィーニーさんがAppleに直前に送った3通のメール文面を公開したことで判明したもの。
興味深かったので、そのうち2通を翻訳(ごく一部自信がないので、転載したり、他の記事で使わないでね)してみた。

最初のメールは「Epic Games を特別扱いするように求めたのではなく、すべての iOS 開発者が平等に決済機能などが使えるようになることを求めていたのに、Apple がミスリードしている」として公開したもの。
6月30日に送られている。
Apple の制限により、Epic は iOS アプリの一部の機能を顧客に提供することができません。
我々は、消費者に以下の機能を提供したいと思っています。

1) iOS の App Storeで配信されている『フォートナイト』、その他のEpic Gamesのソフトウェアで、Appleの決済ではない、Appleの手数料なしの競合する決済選択肢をのせること。

2)iOS App Storeと同じように基盤となるOS機能にアクセスでき、ソフトウェアのインストールやアップデートがシームレスに実行可能な競合ストアアプリである Epic Game Storeを、 iOS App Store から配信すること。

もし、Epic から iOS端末のユーザーにこれらの機能を提供することが許可されれば、消費者はデジタルプロダクトへの支出を少なくすることができ、開発者は販売によってより多くの収益を得る機会を得られるでしょう。
Epic は、Apple がすべてのiOSユーザーの利益のために、上記の機能を原則的に許可することを求めます。
私たちは、Apple がこれらの機能を全てを iOSの開発者に同じように許可する……言い換えるなら、、iOSプラットフォーム上でのソフトウェアの販売と配布を、PCと同じようにオープンで競争可能なものにしてくれることを願っています。

ご存知のように、Epic は、iOS App Store を通じて iOS デバイスに製品を提供するために、Apple Developer Program License Agreement のような、交渉の余地のない契約を受け入れることが求められていました。
また、Epic は、Apple の App Store レビューガイドラインのような、アプリ承認のための Apple の一方的な規約を遵守する必要があります。
Apple の契約書や規約には、Epic が競合するアプリストアや競合する決済処理オプションを消費者に提供することを禁止する制限的な条項が含まれています。
Apple は、Epic が iOS の顧客に競合するアプリストアや競合する決済処理を提供できるように、サイドレターとして提供するか、契約書や規約の制限事項変更する必要があります。

Epic が競合アプリストアと競合決済処理を提供することに原則的に同意することを、2週間以内にご決断ください。
その場合、デバイスのセキュリティ、顧客のプライバシー、高品質なユーザー体験を守りながらこれらの機能を使用すると Epic は確約し、詳細を詰めるために貴社のチームとミーティングを行います。
もし確認が取れない場合、Apple が Android のようにアプリストアと決済処理システムを選択することに必要な変更を行う意思がないものと理解します。
(Tim SweeneyさんのTwitterより。訳:ゲームキャスト)

タイトルにある「何年も対立する」は、8月13日に送られたメール。
当初より「裁判になることを織り込んで規約違反をした」と言われていたが、実際にその通りであることがわかる。
本日、Epic は iOS版『フォートナイト』で Epicダイレクト決済の提供を開始し、アプリ内決済をEpicダイレクト決済で支払うか、Apple決済で支払うかの選択を顧客に提供し、Epicダイレクト決済では節約分を価格を下げてプレイヤーに還元します。

私たちは、歴史と法律が私たちの味方であるという確固たる信念のもと、この道を選択しました。
スマートフォンは、人々の生活やビジネスに欠かせないコンピューティングデバイスです。
デバイスを製造し、消費者の商取引や開発者の創造的な表現を自由に制御し、制限し、課税できるAppleの立場は、自由社会の原則に反しています。
これらの制約を終わらせることは、低価格化、製品選択の増加、ビジネスモデルの革新という形で消費者に利益をもたらすでしょう。

今後、Epic が App Store に提出する『フォートナイト』のすべてのバージョンに前記の2つの支払い方法が提供され、プレイヤーが選択できるようになります。

私たちは、Apple がプラットフォームの制限にたいしてこれを反映し、世界の10億人の iOSユーザーに、Windows や macOS を含む世界有数のオープンなコンピューティングプラットフォームと同様の権利と自由をもたらされる歴史的な変化が始まることを期待しています。
その変化をサポートするため、Epic決済サービスに関する説明は中立的かつ事実に基づいたものにします。Apple が我々を支持する道筋を検討し、アップルの選択を伝える機会を提供するために。

Apple が、『フォートナイト』や今後のアップデートを消費者に対してブロックする対抗措置を取ることを選択したときは、残念ながら、Epic は、創造性、技術、ビジネス、法律など多くの面で Apple対立することになります。変化をもたらすために必要であれば、何年もの間 Apple と対立するでしょう。
(Epic GamesのTwitterより。訳:ゲームキャスト)
この文面が本当ならば、Epic Games と Apple のやり取りは小競り合いで終わることなく、何年も裁判で戦い続けることになるのかもしれない。
いずれにせよ、プレイヤーを巻き込まないで欲しいのだが……米国流はそうではないのだろうか。

関連リンク: