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ドリームキャスト版『シェンムー』に隠された裏ワザが20年越しに発見される。元開発者「あの頃の俺達が面白いと思った物が、日の目を見た事が嬉しい」

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およそ1年前の2018年7月18日、ゲームについて会話する掲示板、ゲームキャストDiscordに“元シェンムー開発者”を名乗る男がふらりと現れた。
そして、「これは大技林にもネットにも出てないですが、港でのQTEの最後で、波動波動Aを3フレーム以内に入力すると、真昇竜(※コメントのまま)、でますよ」と、20年間見つかっていない裏技を暴露してシェンムーファンの間で話題となった。
が、その条件を満たす方法がなく、幻の裏ワザで終わりそうになっていたのだが……なんと、この裏ワザが存在することが研究者によって明らかになった。

その裏ワザの発生条件とは、港のイベントで「波動波動A(236236+A)を3フレーム以内に入力」というもの。
通常は1回の入力で1フレームが経過するため、波動拳コマンドを2回入れる時点で6フレームが必要。
つまり通常は入力できない。
そのため、Twitterで呼びかけたり、ねとらぼの記事に取り上げられたりしたが、「幻のまま終わるのか……」と思われていた。


しかし、今回はソフトのバイナリを書き換える(プログラム書き換え。動作保証はないので非推奨)ことで疑似的に入力をクリアし、その技が存在することが明かされた。


港の最後のQTEで、コマンドを入れると……。
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主人公の姿勢が低くなり、
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そのままジャンピングアッパー!
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実際に動画を見ると、根本ヒットにスローモーションをかけて真・昇龍拳っぽく見せているのがわかる。
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このコマンドは、開発時点では入力可能な状態だったが、プロデューサーの鈴木裕さんに見つかってしまって封印(3フレームという実質入力不可能なコマンド受付時間になった)されたもの。
しかし、「入れてさえおけば、後々、例えば10年くらいすれば、解き明かされるだろう」と裏ワザ自体は削除しないで入れておいたという。

「俺らは、セガの社員ではあったけど、社会人らしからぬ、ただただ面白い事だけを求めてゲームを作って居たし、そういう気持ちを忘れたら、絶対に駄目だってみんなで言ってて。」

「本当はね、こういう、誰かから教えられる分けでもない、様々なミニマムイベントを全キャラに並行的に持たせて、エンディングは一緒でも、途中経過がプレイヤー全員違う、みたいなのを、俺らは作ろうとしてたんですよ。マルチエンディングの対極にあり、メインストーリーだけは絶対に沿わせながら、プレイヤー全員に異なる体験をあげたかったんです。」

ニコニコ動画のコメントを見ると「これが見たかった!」「なんてことだ、ガセだと思っていた!」と驚きの反応。
プレイヤーに何かしらの浪漫や体験を与えるために仕込まれたコマンドが、20年の時を経て目論見通りに働いたようだ。
これをうけてその元開発者の方に話を伺ったところ
全ては懐かしい。
あの頃の俺達が面白いと思った物が、こうして日の目を見た事が嬉しいし、こうやって見つけてくれた方によって、衆目に見られて、また楽しんで貰えたら、それが一番。
なによりまだシェンムーには、隠された要素が他にもいっぱいあるからね?
とのこと。
まだまだ『シェンムー』には隠れた要素がある。人類が生きているうちに、それをすべて解き明かすことはできるのだろうか……。
近日、続編『シェンムーIII』もリリース予定だが、この熱が生きているのか、そういった視点で見るとまた面白いかもしれない。

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