韓国発のダークな縦スクロールシューティング。
Steam、PS4、Switchなどでも発売された『Shikhondo - 食魂徒』が、スマホに完全移植でやってきた。
アジアンホラーな画作りは、ボスやステージの背景だけで物語を想像してしまう入魂の作りで、全5面と短いながら、シューティング好きなら手軽に楽しく遊べる。一方で、スマホ版には完全移植ゆえの難点もあり（つまり、スマホ版の欠点を除いて買いたいと思えれば、ゲーム基盤を選ぶのが良い）、良い点と悪い点がはっきりした作品に仕上がっている。
プレイヤーが選べるキャラクターは広範囲にショットを撃つ巫女と、集中攻撃が強い女学生の2人。
キャラクター移動は指に合わせて動くスライド式を採用しており、指の速度ではなく、指でスライドした方向へ移動する。
▲ケイブシューティングのように指の速度に合わせて動く移動ではないので、慣れが必要。
ショットにはオートで、1本指で移動していると通常ショットを、移動しながらさらにもう1本の指を画面につけると前方に攻撃力の高いショットを放つ。
画面下のライフ表示位置をタッチすると、ショットを止めることも可能。
また、画面をダブルタッチすると、画面の敵弾を消しつつ全体にダメージを与えるボムが発生する。
ゲームシステム面の特徴は、敵弾に近寄ると“ソウルゲージ”がたまり、これが満タンになるとボム操作で“ソウルコレクト”が発動するのが特徴となっている。
ソウルコレクトは使用時は敵弾が得点アイテムに変化し、一定時間ショットが強化される。さらに、終了時にも敵弾が消えるので、ものすごく強い。
しかも、そのソウルコレクトゲージは、敵弾の近くにいることを意識していれば簡単に貯まる。
ボスの強力な弾幕も、厳しいタイミングを覚えてソウルコレクト（ボスの攻撃パターンが1周するより早く貯まる！）を使えば切り抜けられるのだ。
また、ソウルコレクト時のショット音は気持ちいいし、ガシガシ得点アイテムが手に入るのも楽しい。
ソウルコレクトを使いこなせれば、本作はお手軽楽しいシューティングとなる。
また、本作の魅力は独特な世界観にもある。
何かしら呪術的なものを感じさせるステージは雰囲気たっぷり。
▲ステージごとに切り替わる背景も注目
そして何より、ボスたちのビジュアル。登場する5体のボスはいずれも美しい（？）女性型なのだが……。
ある程度ダメージを与えると恐ろしい本性を見せ、凶悪な弾幕で襲いかかってくる。
韓国らしいタッチで描かれるダークな空気が、なんとも言えない魅力だ。
そこまで悩まずともやっているうちにクリアできる手軽さもいいし、世界観もいいし、シューティングが好きで、遊べるゲームを探しているなら『Shikhondo - 食魂徒』は満足度の高い選択肢だろう。
最初から4つの難易度とボスラッシュモードが選択できて自由に手遊べるのも良い。
ただ、本作は無条件で楽しめるゲームではない。
まず、シューティング初心者にはおすすめできない。
ソウルコレクトを使いこなして、得点アイテムを出しまくれば爽快に楽しめるのだが、破壊演出、ヒット音などが地味で、雑魚と戦う道中はスカスカに感じてしまう。
「無条件で気持ちいい」シューティングではないので、最初は他のゲームから慣れるのがいい。
移植の問題もある。
「ゲーム機の作品をスマホに完全移植」であって、スマホ向けに割り切った作りではない。
そのため、弾幕が細かくて小さい画面では見づらく、遊んでいてタブレットサイズの画面が欲しくなる。
スライド移動方式も慣れが必要なので、PCやゲーム機を使って遊ぶのが最もおすすめといえる（ただ、その分価格は安い）。
▲タブレットでギリギリだと思う。
総合してみると、あなたがシューティングが好きで「次に何をやろうか」と考えているなら、『食魂徒』は手軽で楽しい選択肢に入る。
完全な操作にこだわるならPCやゲーム機版で遊んでもいいが、タブレットを持っていれば手軽に遊ぶスマホ版もありだ。
独自の魅力もあるし、手軽に爽快に楽しめるはずだ。
概要：
全5ステージのホラーテイスト・弾幕シューティング。移植に少し難あり。
評価：6（面白い）
おすすめポイント
ソウルコレクトで敵弾を消して軽快に遊べる アジアンホラーな世界観（怖いわけではない）気になるポイント
やや手ごたえにかける道中と通常ショットの音、爆発演出アプリリンク：
開発：DeerFarm（韓国）
HP：https://digerati.games/game/28-shikhondo-soul-eater
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター：ゲームキャスト トシ
動画（ゲーム機版）：
