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死にざまを見せて人を前向きにするポジティブな”死のゲーム”。死者が最後の晩餐をとるレストラン『くまのレストラン』レビュー

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魂が天国へ行く前に訪れる、天国と地獄の間。
そこに、くまのシェフが死者に最後の晩餐をふるまう“くまのレストラン”がある。
このレストラン住み込みの給仕の“ねこ”になって、シェフを手伝い、死者とふれあいうゲームが『くまのレストラン』だ。

本作は、「介入できない死を見続ける」ゲームである。
物語に分岐や謎はなく、精緻なドット絵と静かな音楽の中で物語を楽しむ一本道の作品だ。
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このレストランでは、死者の好物がなんでも提供される。
どんな料理でも提供できるのは、ねこが死者の記憶に“ダイブ”できるから。
知らない料理があれば、死者の過去を見て内容を知ることができる。
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そして、それをシェフに伝えると料理が提供されるわけだ。
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▲料理ドット絵のこだわりは相当なもので、元々ドット絵が良い中でもかなり気合が入っている。こういった部分も注目してみて欲しい。

さて、料理を知るために行う“ダイブ”だが、これを終えると“記憶のかけら”というアイテムも手に入る。
これは、記憶の持ち主の最後の瞬間が見えるアイテムである。使うも使わぬもプレイヤーの自由なのだが、怖いものは見たくなるもの。
ついつい、のぞいてしまう。
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この、人間の好奇心を利用した仕組みが結構、えげつない。
ダイブすると死者が幸せだったときの記憶を見られて、その人の性格を知ってしまう。
続けざまに“記憶のかけら”で死ぬ様子を見ることで、キャラクターとして印象に残ってしまうのだ。
いろいろな死が、プレイヤーの記憶に残る仕掛けというわけだ。
そして、次々と訪れる死者に対して、これを繰り返すゲームが『くまのレストラン』である。
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最近のゲームは「過去を変えて人を幸せにしよう」なんて流れも多いが、本作では起こったことは変えられない。
死者が次々と登場し、その死を見続けるしかない。
が、そんなつらそうな内容と裏腹に、本作はプレイ後にポジティブな気持ちになれる作品である。

本作では大きな物語のために“一貫した流れのある死”を描くのではなく、次々と無秩序に死が描かれる。
理不尽な死であったり、悩ましい死であったり、普通に生活した末の死であったり。
それらを見ると悲しい気持ちになったり、いろいろなものを感じる。
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▲動物の死だって描かれる。

ゲームとは不思議なもので、犯罪ゲームを遊ぶとその手口を見て「犯罪はいけない」と思えるし、戦争ゲームでは銃を撃つのが爽快感を楽しみつつも悲惨な死を見て「戦争はマズイ」と思える。
『くまのレストラン』でも、生と死を見続けるうちに、まだ生きているプレイヤー自身が「私も、生きているうちに頑張ろう」と思えてくる。
『くまのレストラン』は、死を描くことで人間の生をたたえる人間賛歌なのだ。
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なお、本作は無料部分だけでも物語の区切りまで楽しめるが、課金要素として“虚無編”という物語の続きが存在する。
虚無編では地獄……つまり、人間のクズの死にざまが描かれ、また少し違う物語が楽しめる。
こちらは無料部分と同程度のプレイ時間ながら、明らかにより良い演出で作られており、無料部分が気に入ったなら購入して損はない。
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概要:
死者が訪れるレストランで、死者の記憶を見つつ最後の晩餐をふるまう。

評価:7(要チェック)
※虚無編の評価は8だが、平均した。

おすすめポイント
虚無編の素晴らしい演出
死を見続けることで生を考える物語
ドット絵のクオリティ

気になるポイント
天国編のエンディングは少し唐突

アプリDL:
くまのレストラン (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:Daigo (日本)
HP:https://daigostudio.com/bearsrestaurant/ja/
レビュー時バージョン:1.0.4
課金:広告削除、虚無編、スポンサー(ゴールド以降は少しだけ特典あり)

ライター:ゲームキャスト トシ

動画:

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