死者が最後の晩餐のため訪れる特別な“くまのレストラン”。
そこには客の思い出を覗いて好物をそっとふるまう、くまのシェフと、ねこの給仕の2匹が待っている……。
精緻で暖かなドット絵世界を、ピアノ曲が彩る短編アドベンチャーゲーム『くまのレストラン』が2月6日、iOS / Android 向けにリリースされる。
無料ゲームの域を超えたドット絵の世界の注目作だ。
まずはゲームの雰囲気が伝わる動画を見てほしい。音楽、世界観ともに秀逸。
本作は発表からリリースまで時間がかかったが、なんと開発中にドット絵担当の力量が上がってしまって、前半に描いたドット絵を直さざるを得なくなったのだとか。
比較してみてみると、なるほど……という変化。
▲くまが青いスカーフを巻いている方が修正後。こんな形で、すべてのディティールが増されていったという。
ゲーム内では、プレイヤーは“ねこ”になってレストランの給仕を行う。
ねこは記憶がなく、なぜレストランで働いているかも覚えていない。しかし、ともかくも客から注文を受け、満足いく料理を出せればゲームは進む。
ねこの役目は注文を受けるだけではない。注文を受けた段階では客の好きな料理の味はわからない。
だから、客の記憶の中に“ダイブ”して、その世界の中を探索して“記憶のカケラ”から注文された料理の味と、作り方を学ぶこととなる。
なぜ、くまはレストランを経営し、死者が訪れるのか。
そういったことが、死者の記憶を知ることで明らかにされていき、大きな物語につながっていくのだと思われる。
ゲームは3時間程度の構成になっており、短く濃く楽しめるインディーゲームになっているとのこと。
エンディングまでが無料で楽しめ、後日譚に当たる“虚無編”が360円で購入可能。
虚無編はガラリと雰囲気が変わり、展開も異なるようだ。
なお、本作の製作はギリギリの表現で人間のクズを描写して Google から警告を受けてしまった『償いの時計』、少しダークで後味の悪い世界を描いた『しあわせのあおいとり』の Daigo さん。
ただ、本作開発の開始時、彼は「今回(くまのレストラン)は白 Daigo の予定です」と語っていた。
くまと猫が料理する『くまのレストラン』の作者は、人間のクズの描写に定評がある『償いの時計』のDaigoさん。
— ゲームキャスト (@gamecast_blog) 2019年1月26日
発表時、あまりにキュートなドット絵だったので「今回は一般向けなんですね」聞いたら「今回は白Daigoです」と力強い回答をいただきました。
そして、送られてきた動画がこれ。 pic.twitter.com/zFtB1ajnwN
▲記憶の一例として送られてきた動画。
……。
おそらく死者の思い出を覗く過程で感動の物語が楽しめる……前提でなにか黒い沼にプレイヤーを突き落とすものと予想される。
『まどかマギカ』の虚淵節ではないが、暖かみの影に闇が見え隠れする物語が好きなら、このゲームは見逃せない。
アプリは2月6日に iOS / Android 向けにリリースされるが、すでに予約が始まっている。忘れずにプレイしたい方は、下記リンクから予約を。
アプリリンク:
くまのレストラン (itunes 予約 iPhone/iPad対応 / Android事前登録)