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スマホで、SwitchのHD振動のように物体の触感を再現。ボールが生きているように転がる『TENKYU -転球』レビュー

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レッドオーシャンなどと言われて久しいアプリ界隈で今、1人の日本の開発者が趣味で開発したボール転がしアプリが世界的にヒットしている。
今日紹介する『TENKYU -転球』は、Android 版だけで累計1,000万ダウンロードを越え、App Store では30以上の国で1位を獲得し、検索すればパクリアプリがずらりと並ぶ。
アプリドリームを実現した大ヒットゲームである。

『TENKYU -転球』は超シンプルな迷路ゲームだ。
ボールがあって、迷路があり、スワイプで迷路全体を傾けると……。
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傾きに沿ってボールが転がる。勢いをつけすぎると、ボールは壁から飛び出してしまい、スタート地点からやり直し。
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無事にゴールの穴まで落とせればステージクリアとなり、次のステージに進める。
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転がす道はほぼ一本道。注意していれば、かなり先のステージに行くまでミスなくゴールに行ける簡単さ。いわゆる「一般向けゲーム」の手応えで、ゲーマーにとって手応えはない。
しかし、iPhone 7 以上で遊ぶと、ボールが生きているように感じられる驚きの作品になる。
ボールが手元で跳ねる触感が振動で提供され、壁にぶつかればぶつかった方向へ揺れ、落ちれば落下の衝撃がプレイヤーに届く。
本来スマホに存在しないはずの「触感」がある驚きは、本物のボールを転がす以上に刺激的だ。間違いなく、夢中になる。
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この振動の秘密は、Apple が提供する Taptic Engine にある。
Taptic Engine とは、iPhone 6s 以降に組み込まれたハードウェアで、使用者の手に様々な反動を返す特別な振動エンジンだ。
iPhone 7 からはそれが強化され、画面のどの位置をタッチしたのか、どのような強さで振動したのか、へこむのか、膨らむのか、そういった感覚を細かく振動で再現する特別なエンジンとなった。
Nintendo Switch が出た頃、精密な振動を返す HD 振動機能で「グラスの中で氷が動いている触感が分かる」と話題になったが、それと同じ驚きが無料で体験できるのだ。
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▲先に進むとステージの形が変わる。段差を落ちる気持ちよさを体験しよう。

スマホの中でボールが生きているように動く面白さは、それだけでシンプルなゲームを30分ぐらい遊ばせるほど刺激的だ。
今までのスマホゲームではあまり体験できなかった「触感の面白さ」。ゲームがシンプルな分、その面白さだけを集中して味わえる。
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iPhone 7 以降を持っているなら、この面白さをぜひ体験しなければもったいない。
ぜひ、スマホゲームの新しい可能性を感じて欲しい。

概要:
迷路をスワイプで傾け、ボールをゴールの穴に導くアクションゲーム

評価:7(要チェック)

おすすめポイント
ボールがスマホ内に存在しているような触感(iPhone 7以降)
手軽に遊べる

気になるポイント
ゲーマーには食い足りない。Androidは振動しない(Taptic Engineがない)

アプリDL:
TENKYU - 転球 (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:keepgamesimple(日本)
販売:Voodoo(米国)
HP:https://keepgamesimple.com/
レビュー時バージョン:3.8
課金:広告削除(360円)

ライター:ゲームキャスト トシ