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「え、こんな簡単だよ?」 ダークソウルを5,000時間以上も遊んだ男が作ってしまったカジュアルゲーム『アニマス - ハービンジャー』

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超難易度で名高いアクションRPG『ダークソウル』。
そのダークソウルを5,000時間以上プレイしたために難易度感覚が壊れ、自作の『ダークソウル』リスペクトゲームを「え、こんな簡単だよ?」とクリアし、パブリッシャーが目を離すと難易度を上げてしまう。
そんなる狂人集団 10Bird から、カジュアルなダークソウルリスペクト・バトルアクション『アニマス - ハービンジャー』が発売された。
スクリーンショットからしてカジュアルとは程遠い見た目なのだが、困ったことに彼らからするとカジュアルゲームに属する作品……のようだ。
『アニマス - ハービンジャー』は、平原や教会など10分弱で終わる狭いステージに降り立ち、すべての敵を葬るステージクリア型のバトルゲームとなっている。
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操作はバーチャルスティック移動、画面右スワイプで視点の移動。
縦切りと横切り、回避、それにターゲット切り替え、回復、必殺技の計6ボタン。ボタンは多いが、主に攻撃と回避の3ボタンしか使わないのでかなり正確に操作が可能だ。
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▲画面中央下のボタンはコンボ。この順番で攻撃を入力すると、必殺技が出る。

なお、このシステムは前作と比べてかなり洗練されている。
前作の画面を見ると、縦切りと横切り、回避と防御、必殺技など右下にはボタンが7つ。武器ごとに変化する必殺技、さらに攻撃と回避を制限するスタミナなど多くの要素がある。
『ダークソウル』の全要素を入れようとして、面白いけども複雑にもなっていた。
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一方、今作では回避ボタンを長押しすると防御態勢をとる仕組みにして、ボタン数は削減された。
また、スタミナ要素が廃止され、動きに制約もなくなった。
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で、洗練されたシステムと操作性の上に成り立つゲームは……これまた前作よりはるかに遊びやすい。
血しぶきがドバドバ出て、重い攻撃が炸裂して、少しミスするとキャラクターは大ダメージを受けて昇天。
これは変わらないのだが、メインストーリーは力押しでクリアできてしまう。
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▲カジュアルと言いつつ、見た目はこんな。

ゲーム内には頻繁にセーブポイントが用意されており、倒れてもすぐ直前からプレイできる。
倒したて敵は復活しないから、1体ずつ敵を葬っていけば誰でもステージを攻略できる。終盤はさすがに苦戦するが、前作のワールド1より簡単だ。
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ボスは手ごわいが、それでも最初のステージ攻略に1時間かかった前作の難しさはない。
キャラクターが倒れている間には無敵時間があり、追い打ちで敵に倒されることもない(前作はもう倒れたら追い打ちで即死)。
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ステージをクリアすると武器や防具が新しく入荷され、“記憶”を消費してレベルアップも可能。
多少苦戦しても順当にレベルアップして、初期武器をグレードアップさせていけば最後まですんなり攻略できる。
なんというか、「歯ごたえのある普通のアクション」になっていた。
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演出もグラフィックも進化していて、順当に遊びやすくなっている。
ああ、5,000時間以上『ダークソウル』をプレイして、難しいゲームを作りたいと言っていた10Birdの開発者ですらこういったゲームを作ってしまうのか。
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そんなことを思っていたのだが、ゲームのクリア後にやり込みを始めてからその意見は変わった。
ボスと一騎打ちしてボスの装備を手に入れるモードがあり、ここで「回復なしクリア報酬」を狙い始めると、前作そのものの手ごたえに変化したのだ。
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回避できる攻撃(回避には微妙に無敵時間もある)、防御できる攻撃、防御すればダメージを抑えられる攻撃。それらを見極めなければ回復なしクリアは不可能。
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また、冒険しなければ見つからない攻略方法も存在する。
例えば、ゴーレムレーザーは広範囲に攻撃するから簡単には避けられないが、恐れずに踏み込むとなぜか根元に当たり判定がなくて無傷でやり過ごせる。
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▲ゴーレムレーザーを根元で避ける。普通は気づかない攻略方法だと思う。

ボスを相手にした試行錯誤とチャレンジを短時間で何度も行えるのが楽しい……のだが、ボスには「ここがポイント」と見える隙が少なく、ボスを倒すやり込みに関してはこの手のアクションRPGのセオリーを知っていなければ入門すら難しい。
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武器の種類がある割に使い分けの重要性もなく、本質的に『ダークソウル』系を体験し、戦いのコツをつかんでいなければ楽しみづらい(※前作のアニマスプレイヤーでも楽しめる)アクションゲームが『アニマス - ハービンジャー』だ。
ボリューム、わかりやすさ、どちらの点でも普通なら前作の『アニマス - アイア外伝』の方が良い。
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うーむ、いったい、このゲームは誰に向けた作品なのだろうか。と、考えたところで冒頭にあるような「カジュアルゲーム」という考えに至った。
ところが、開発するのは前述のようにパブリッシャーがいないと「簡単すぎるから」と難易度を上げまくってしまう 10Bird。
最終的に独自パブリッシュの本作はいつの間にか『ダークソウル』を遊びまくったプレイヤーが楽しい……というか、作者自身が「ダークソウルっぽいものを短時間で手軽に遊ぶ」ために作られた作品難易度になってしまったのではないだろうか。
カジュアルゲームとは、彼らにとってみれば「『ダークソウル』をクリアした人ならカジュアルになるゲーム」という意味合い。

となれば、このゲームをお勧めする対象は明確だ。
『デモンズソウル』やら『ダークソウル』など、フロムソフトのアクションが好きなら、このゲームを試して楽しめるはずだ。
幸い、体験無料形式を採用しているので、チュートリアル部分で波長が合うゲームか試せる。そして、フルバージョンを購入すれば(前作同様、課金オプションはあるが買わないで十分遊べる)課金なしで長時間遊べる。

なお、アプリストアを見ると「クレジット・プリペイドカードで課金が反映されない」という不具合レビューが見られるが、購入前に課金情報を1回確認・保存して購入すれば問題なく動作するので、不安ならば念のため課金情報を更新しておくと良いだろう。

概要:
ダークソウルを遊びすぎたプレイヤーがカジュアルに遊ぶために作られたダークソウル系アクションRP

評価:6(面白い)

おすすめポイント
厳しいバトルを攻略する達成感

気になるポイント
ボスなどの攻略方法がわかりづらい
前作の方が楽しい
日本語設定だと一部のステージでアプリが落ちる(英語設定ならOK)

アプリDL:
アニマス - ハービンジャー (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:10Bird(韓国)
HP:http://www.10birds.com/
レビュー時バージョン:1.0.4
課金:完全版(480円)、お役立ちアイテム(なくても楽しめる)

ライター:ゲームキャスト トシ

動画: