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箔押しの美しさだけで500万点! 漆器芸術を元にした純和風のドイツ製パズルゲーム『SHI•RO』レビュー

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日本の漆器に描く蒔絵の美しさをスマホで再現し、和太鼓を効果音としたパズルと共に古事記の物語を見ていく……純和風パズルがドイツの Topicbird から登場した。
その名も『SHI・RO』。
スマホ画面で再現される金箔・銀箔の美しさは極上で、ため息が出るほど。パズルとしても普通に楽しめるが映像を見るだけでも元が取れるドイツ職人のゲームだ。
タイトル画面を表示した瞬間、多くのプレイヤーはその映像に驚くはずだ。
ロゴで和風の金箔表現が完全に再現されているのだ。単にロゴで描いたのではなく、スマホの傾きに合わせて光が反射し、和風の世界を描き出している。
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タイトルをタッチすると力強い和太鼓の音が鳴り響いて、ゲームが始まる。
本作のゲームは、「天皇に古事記の物語を語る」体で語られる物語とパズルが一体になったものだ。
まず、恐ろしくも神秘的なイラストと共に物語が語られる。
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イラストの金箔部分をタッチするたび金箔が剥がれて物語が進むのだが、このイラストの古風で恐ろしいこと。
死の世界と生者の世界を隔てた夫婦の争いなど、恐ろしいシーンが続く日本創世神話の不気味な空気を見事に再現している。
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▲物語は金箔部分を触り、剥がすたびに語りが進む。左と右で矛の先の金箔が剥がれているのが分かるだろうか。

そして、物語を読み進めるとパズルが始まる。
パズルステージ上には複数の円が表示されており、円の周囲には1つ以上の魂が浮遊している。
この円を指でなぞって線でひとつなぎにする一筆書きパズルの一種だ。
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線を引くとき、起点の“円の魂”の数が線を引く先の“円の魂”の数以下のときだけ2つの円を線で結べる。
また、円と円を線で結ぶと、“円の魂”は2つの円の持っている魂の合計になる。
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つまり、円を結ぶたびに魂が増えていき、選択肢はどんどん狭くなっていく。
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また、すでに線が引かれている場所に重ねて線を引くこともできず、線を描く起点や順番も重要になる。
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▲少しステージが進むと、複数の線を引く(2筆書きまで可能など)こともできる。

これらのルールをクリアしてすべての円を結ぶと画面下に島が出現し、この島と最後に残った1つの円を線で結ぶとステージクリア。
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クリア後にはつないだ円の数だけ和太鼓の音が鳴り響き、物語と関わる日本語が表示されて次のステージに進む。
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▲この部分だけ、少し海外の和風ゲームになる……がすぐ気にならなくなる。発音も日本風だし。

ゲームのボリュームは、古事記の日本創世神話が終わるまで全60ステージ。
漆器絵をイメージした表現、和太鼓と琴、自然音だけで構成された音も見事で、ドイツ製のゲームとは思えないほど和の空気が味わえるはずだ。
また、パズル単体で見ても中盤以降はそこそこ手応えも出てきて普通になっている。
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▲今後追加購入でステージが増える予定になっているが、このビジュアルクオリティなら有料追加でも納得。

欠点……と言うと、中盤に入るまでパズルが簡単すぎるとは言えるが、その程度。
海外職人の日本への憧れが、そのままアートとしてでた映像表現は素晴らしいし(もう、金箔の表現の驚きだけで自分の中では最高)、そこに民族画で語られる日本神話、遊べるパズルがついてこの価格は安い。
特にビジュアルを重視するプレイヤー、スマホを利用した新鮮な表現を味わいたいプレイヤーなら必携の1本と自信を持って言える。

概要:
漆器の絵を元としたグラフィックで、古事記の物語を語るパズル

評価:7(面白い)

おすすめポイント
純和風の映像、音の演出
中盤以降は手応えもそれなりなパズル

気になるポイント
日本語が少し怪しい(他のアプリなら問題ないが、このアプリだと気になる)

アプリDL:
SHI•RO (itunes 360円 iPhone/iPad対応)

販売:the brothers grimm
開発:Topicbird(ドイツ)
HP:https://play-shiro.com/
レビュー時バージョン:1.0.1
課金:なし

ライター:ゲームキャスト トシ

動画: