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これは負けた、文句なしの面白さ。『キャンディクラッシュ』の会社が作ったゲーマー向けRPG『レジェンドオブソルガード』レビュー

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劇的に面白いわけではない……でも、なんだかプレイしてしまう。
あのお手軽ゲーム『キャンディクラッシュ』の King が、ついにゲーマーを対象とした RPG を作った。
お得意の3マッチパズルに戦術バトル要素を加えた対戦ボードゲームRPG『レジェンド・オブ・ソルガード』だ。
で、これがゲーマー向け『キャンディクラッシュ』とでも言えるほど完成度が高く、ハマる。面白い。迷わずおすすめできる内容なので、是非手を出してみて欲しい。

本作のルールは3マッチパズルを基礎にしているが、ただ消していくだけの『キャンディクラッシュ』、消したタイルに応じて攻撃が行われる『パズル&ドラゴンズ』などとはルールが異なるRPGになっている。
ゲーム画面の下半分をプレイヤーのコマが、上半分を敵が占拠しており、プレイヤー陣地からコマを突撃させて敵を倒すターン制の戦術パズルなのだ。
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プレイヤーは、列最後尾のコマ持って他の列にを移動させるか、すでに存在するコマを消すこと、ランダムにコマを復活させることが可能で、1ターンに最大3手の行動を行うことができる。

縦に3体同じ色のコマを並べると、そのコマが合体して“チャージ”を始めてパワーをため、決められたチャージターンが経過すると敵に突撃していく。
コマはそれぞれ基本パワー、チャージパワー(ターン経過後に加算される攻撃力)が定められており、チャージターンが0なら基本パワーそのままが攻撃力に、チャージターンが1なら基本パワー+チャージパワー(1回分)の合計が攻撃力の値となる。
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コマは敵陣のコマを破壊しながら突撃し、まだチャージしていないコマとぶつかると攻撃力が1、チャージを始めているコマとぶつかると相手のパワーと同じだけ攻撃力が減少し、最終的に残った攻撃力分がそのまま敵へのダメージとなる。
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基本ルールとしてはプレイヤーターンが終わると各ステージに応じた敵が出現し、プレイヤーがそれに対応して攻撃をさばき、CPUのHPを0にすれば勝利となり、プレイヤーのHPが0になれば敗北となる。
なお、ボスに直接攻撃を当てるステージなど、勝利条件が特殊なステージも複数存在するが、そのたびに説明が出るの安心してほしい。
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▲ボスステージでは、ボスに攻撃を当てる必要がある。

……と、これだけ書くと、突撃しあうだけのパワーゲームになってしまうが、当然そんなゲームにはなっていない。プレイヤーの駆け引きを作る様々な手が用意されており、ゲームを奥深いものにしている。

まず重要になるのが横に3体以上コマを並べて発生する“ウォール”。これはお手軽に作れて、かつ突撃に対して高い防御効果を発揮する。
これは受けの基本だ。

続いて各コマが持っているスキル。「合体したときに目の前のコマにダメージを与える」とか、「チャージ中にウォールを目の前に作る」とか様々な能力があり、敵のコマとの特性を封じる手を打てれば少ない手数で優位に立てる。
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さらに、同じコマを2×2で並べるとチャージターンが1ターン増える代わりにパワーが高くなり、スキルの効果範囲も大きい“巨大化”を行える。
敵が弱い攻撃を繰り返すとき、巨大化したコマを作れば一気になぎ倒すこともできる。
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また、同じ種類のコマが同時に突撃するとき、攻撃力にボーナスが発生する“シンクロ攻撃”。
すでにチャージに入っているユニットの背後に2体のユニットをくっつけるとパワーが上昇してスキルが再発動する“融合”などのシステムなどを使いこなすことで、
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▲よく見るとパワーの6の隣に+2の文字。シンクロ攻撃は使えれば強い

なお、本作は様々なレアリティのピースを集めてコマを集め、レベルアップさせていく方式をとっているが、レアリティに関係なくどのコマも強力で、無課金だから進めない……ということは少ない。
ただ、最初は簡単でもステージ50を過ぎたあたりから難易度が急上昇し、ステージの弱点ともいえる場所を見つけ出して攻略しないと勝てなくなっていく。
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そして、ステージ100あたりになってくると、『キャンディクラッシュ』のように運も必要になってくるが、それでも戦術次第で勝ち筋は見える。
「火属性だから水属性にダメージ2倍」のようなどんぶり勘定なものではなく、敵の動きの傾向を見て効果的に選択する考える楽しさがあるし、レベル8からはアリーナ(他のプレイヤーのデッキCPUと戦う非同期対戦)も遊べるようになり、ストーリーが進まなくても楽しめるようになってくる。
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▲レベル10になればハードモードとスキップチケット機能も解放。ここまでくると、バトル部分単体の戦術性が楽しめて、かつプリコネ系RPGのサイクルで遊べる作品になる。

App Storeのレビューでは「50ステージ~75ステージあたりから課金必須」という書きこみも見られるが、多少の課金では勝てない仕組みだし、私はステージ100ぐらいまではクリアできたので戦術の問題のようにも見える。
また、日々のプレイで十分に強くなることもできるので、日本の多くのゲームよりはるかに無課金でも楽しめる作りとなっているはずだ(もちろん、対戦の上位は地獄なのでそこは要注意)。

それにしても、King が「ゲーマー向けRPGを作り始めた」と聞いたとき不安だったし、出てみれば名作『Might & Magic Crash of Heroes』と似ていて気になったが、遊びこんでみると『レジェンドオブソルガード』は、元となったルールを理解しやすく整理し、コマの多様性を加え、1人用パズルゲームとして作り直したスマホ用に新しい定番作品になっていた。

打ち捨てられたゲームルール(『Might & Magic』がこのゲームのようになる未来もあったかもしれないが、あのシリーズのスマホ最新作は『サマナーズウォー』系になってしまった)を現代に再生した功労者と言えるだろう。
グラフィックも見やすくてきれいだし、戦術性も奥深さもあり、プレイヤーの選択が確実にゲームに反映されている手応えもある。長く遊べるおすすめの基本無料ゲームの1つだ。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント

適度にプレイヤーの腕と戦術が重要なバトル。
プレイ時間がそこそこで終わる

注意点
60ステージ以降は難易度が上がる。

アプリリンク:
レジェンド・オブ・ソルガード (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:SnowPoint(スウェーデン)
販売:King(英国)
レビュー時バージョン:1.0.3
課金:宝箱(ガチャ)、お得パックなど。課金なしでも遊べる。
公式ページ:https://www.legendofsolgard.com/
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: