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突然の死を迎えたソシャゲ『妖怪惑星クラリス』運営の謎に迫る(後編)。サービス引き継ぎ交渉に失敗したメインライターの証言

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Twitter投票でキャラクター名からシナリオまで、何でも決めてしまう方針が話題となった『妖怪惑星クラリス』スタッフにゲームの内部を聞くインタビュー。
前編のプランナー2人が語るクラリスのお仕事に続き、後編はメインシナリオを担当した星野一人さんにお話をうかがう。
彼は、クラウドファンディング実施時にリターン商品を提供するほどのコアスタッフでありながら、サービス終了を知らされていなかったことが話題になったが、実際どのようにゲームに関わっていたのだろうか。

本インタビューの実施において「運営と話せたか」、「運営は日本語がしゃべれたのか」、「連絡の手段は」などの運営に関わる質問も行ったが、前編と同じ回答しか得られなかったのでその部分は記載していないことを最初に書いておく。

星野:
星野一人(ほしのかずひと)です。
妖怪惑星と関わるきっかけは、妖怪惑星がβテストをしている時にアドレスが流出した事件があって、「ああ、テストやっているんだ」と知ってテスターに応募したことですね。
だから、最初はただのβテスターだったんですよ。
ゲーキャス:
メインシナリオを担当されていたのに、参加は遅かったのですね。
ん、待てよ、βテスト前の動画で「悪妖怪が目覚めた」みたいな物語が動画で公開されていましたよね。どう考えても、星野さんがメインシナリオを書いているはずがない……と思うのですが?

星野:
確かに、「悪軍団が惑星で目覚めた、助けて!」みたいな動画がトレーラーにありましたね。
βテスト中に感じた改善点などを運営とやり取りしていた際に、「この内容にストーリーないですよね」って話になって、そうしたら「ないです」って。
なんでないんだよ(笑)って思いましたね。
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▲すでに公開停止の動画より。こんな設定もあったなぁ…。

悪軍団が目覚めたみたいな設定どこ行ったんだよと思って聞いたら、「はじめはストーリーを考えていましたが、Twitterでキャラクターの名前を投票し始めてから難しくなりました」って返ってきました。まぁ“珍ポンデリング”とかいう名前のキャラクターが登場するストーリーとか、私も見たことありませんでしたしね。

ゲーキャス:
キャラクター名をTwitter投票し始めて難しくなったから、ストーリー製作が止まっていた……?

星野:
まともなシナリオがなかったとのことで、出来るだけ最初の公式動画にあった設定を活かしつつ考えたやつを書いて送ったら、それが即座にTwitterで投票にかけられていて、「こいつら本当に何やってるんだ」と思いましたね(笑)
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▲Twitterで公開されたメインシナリオの案。星野さんのものだったという。

ゲーキャス:
βテストが8月、シナリオ投票が9月7日……時系列は合いますね。
ソーシャルゲームでは公式ページ公開や事前登録開始時でもシナリオテキストがないことがありますが、物語の大枠まで決まっていないのはさすがに聞かない……。
『妖怪惑星クラリス』と言えば、プレイヤーの投票でネットスラングなどが混じっていて大変ではありませんでしたか。

星野:
運営は(Twitter投票で入りこんだ)ネタがわかっていなかったですね、完全に。
“チンポンデリング”の名前がついたときも、「うぇーい!やった、きまったぜ」みたいに喜んでましたけど、その後「上司に怒られた」みたいなツイートをしていた気がします。

ゲーキャス:
そのノリでしたか。シナリオに取り込むうえで苦労はありましたか?

星野:
基本的に、名前の元ネタを物語に組み込むつもりはありませんでした。最初から、名前は単に記号として扱って、元ネタは無視して物語を展開する予定だったので。
それに、Twitterできまった名前よりも、キャラクター自体のビジュアルの方がもっとイカレていましたからね。
ただ、淫夢ネタばかりが話題になってしまって、苦々しい思いは若干ありましたね。同じネタの名前がいくつかありましたし。
プレイヤーに、「淫夢ネタが目立っているけど、もっと面白いのはキチガイなところだよ」、と伝えたかった。

ゲーキャス:
そんな苦労を他所に、運営は途中から星野さん以外からもシナリオも募集を始めましたよね?

星野:
そうですね。他の方も好き勝手やっていました。
そこはスターシステムみたいに平行世界にすれば、メインシナリオの整合性も保てるし、自分の作っている部分でバランスをとっていけば問題ないだろう、と考えてました。
1つか2つテキストを見せてもらって、⾃分と⽑並みの違う不条理ギャグだったりして、これだったら変にやり取りせず、逆に放っておいた⽅が良いな、と思っていました。

ゲーキャス:
実際、上手くなじんでいたと思います。
そういった中で運営さんとやり取りしていたと思いますが、星野さんから⾒た運営はどんな⼈たちだったのでしょうか。
星野:
人間というか、妖怪としては良い人でしたね。
運営側に入ってみて、やっぱり頭のおかしい妖怪が作っていたんだ、というすがすがしさがありました。
ゲームに対しては真摯だったし、ユーザーに対しても真摯で、どうやって良いゲームにするか考えていたイメージを受けました。

ゲーキャス:
うーん、なるほど。
そこまで入り込んでも、サービス終了予定を知らされていなかった、と。
散々聞かれたとは思いますが、あのときは本当に何も知らされていなかったのでしょうか?

星野:
本当に、Twitterを見たらサービス終了というのがすごい軽いノリで流れてきて、「はっ??」と思いました。
それで「こいつら何言ってんだ」と、やりとりしていました。


ゲーキャス:
まさか、あの期間やりとりできていたんですか!?
とすると、サービス終了の真相もご存じなのでしょうか?

星野:
それは公式で言っていた通り、核となるメンバーがやめたからだと言っていましたね。
少人数チームのようだったので、プログラムできる人がやめたのだと思います。
離れた理由はお金じゃないですか。新規ユーザーを獲得していなかったので、最後はユーザー数も落ち着いてしまっていたようですし。
彼ら、広告に1円もかけていないですからね。

ゲーキャス:
ああ、確かに広告がまったくなかったですね。

星野:
最初の頃は課金の額もそれなりにあったという話ですよ。サーバー増強しようかな、と思えるぐらいには課金はあった。
問題はその後ですよね。
ソシャゲ世界の『ポプテピピック※』になれたのに、広告戦略がマズかった。
(※クソアニメとして親しまれ、クソっぷり加速するほど喜ばれるアニメ)
ゲーキャス:
あのまま広告を出してペイするか怪しいものはありましたが、話題を引っ張ったあとの努力はなかった。それはわかります。

星野:
例えば、自分のゲームの広告は出さないのにクラウドファンディングの広告を出していたり。クラウドファンディングを公式で告知しなかったり……。
だからtwitterで告知するようにアドバイスしたりしていましたね。

ゲーキャス︓
(絶句)

星野︓
出資者へのリターンを作るように⾔ったけど、リターンを作らなかったので「じゃあ私が持っているものを提供しようか」と、イラストを提供したりもしていました。

ゲーキャス︓
あ、だからクラウドファンディングの報酬に『妖怪惑星クラリス』のイラストなどではなく、星野さんが描いたゲームと無関係のイラストなどがあったんですね……。

星野:
それで話は戻りますけど、彼らが「妖怪惑星をやめます」といった瞬間から「引き継がせてもらえないかと」運営に連絡していました。

ゲーキャス:
つまり、ご自身の手で『妖怪惑星クラリス』を運営するつもりだった……?

星野:
結局は、駄目になってしまったんですけどね。
なんなら⾃分でお⾦を払って良いと思っていたほどです。

ゲーキャス:
……なぜそこまで!

星野:
私は仕事や趣味ではなく、酔狂で妖怪惑星のシナリオを書いていたし、関わっていたんです。
だからお金じゃなくて、面白いことができれば十分だったんですよね。

ゲーキャス:
しかし、そんなに時間を使えるものですか。

星野:
そんなに、でもないですね。『スプラトゥーン』とかの⽅が忙しかったです(笑)
他の事をしながらでしたけど、あまり大変というわけではなかったですね。

ゲーキャス:
それでも買い取って、自分でやってもいいと思えるほど面白いと思えるものがあったと。

星野:
だって、あんな頭がおかしいゲーム、他にないじゃないですか。
『ストII』のイラストを描いたあきまんさんもクラリスの絵をTwitterにあげたりしていて、そこまで届いていたのに終わったのがもったいないな、と。
広告費1円もかけていないのに、イラスト書いてくれて。漫画家さんとかもゲームをやっている。
もう少しちゃんとやっていればソシャゲ界の『ポプテピピック』になったのに、と。

ゲーキャス:
この後、どうしていくなどの展望はありますか。

星野:
しばらくは全然違う事をして遊んでますね。勉強してゲームを作ったり、⼩説を書いたりしていきます。
(※退廃思考(@aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa) - カクヨムを連載中)

ゲーキャス:
最後に、ゲームは不本意な終わり方をしてしまったと思いますが、ゲームに関わったことに後悔などはありますか。

星野:
物語は決めてあったのでオチまで書けなかったのが残念でが、面白い遊びができて良かったな、と思っています。
そういう意味では後悔はないです。

ゲーキャス:
ありがとうございました。

以上。
残念ながら、スタッフに聞いても『妖怪惑星クラリス』の運営についての詳細は判明しなかった。
しかし、前半のインタビューから一致していたのは、スタッフが「終わったけども、妖怪惑星クラリスが好きだし、楽しかった」と言っている点だ。
大変なゲームではあったが、参加している人間には愛されて、楽しく終わったゲームと言えるだろう。最近では、KBK LABO.にすべての権利を譲って話題になったが、ファンのためにも、いつの日か清い体で戻ってきてくれるように願いたい。

コメント一覧

    • 1. 名無しさん
    • 2018年08月16日 00:10
    • 妖怪としては良い方たちって、もしや天邪鬼や鎌鼬が運営していた……?
    • 2. ナナシ
    • 2018年08月16日 08:50
    • ソシャゲの運営話のはずなのに、現代伝記物の導入みたいになってる…w
    • 3.  
    • 2018年08月16日 16:59
    • 星野さん的にはポプテピピック(自分から狙ってクソに突っ込んでいくからこそ面白い作品)に育て上げたかったんだろうけど、一切狙わずにやってるであろう人g…いや妖怪とはやっぱり根本的に路線が違ったんじゃないかなーと
    • 4. …
    • 2018年08月16日 21:45
    • 前編後編と読んだけど、とりあえず運営が人外なのはわかった(白目)
    • 5. マックス
    • 2018年08月24日 16:36
    • ソシャゲが終了する場合、ユーザーへ返金に関するお知らせとその期間を通達するものだけど、そうしたものも全部ブッちぎってる感じなんですね

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