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Appleの「ギャンブル関連アプリ削除」が世界中に広がる。一部アプリは復活したが麻雀系などは厳しい模様


8月9日は、多くのゲーム開発者にとって悪夢のような1日だった。
Apple が突然に規約を変更し、ギャンブルをシミュレートしたアプリを予告なく、一斉に削除し始めたのだ。
そして、その騒動は日本で終わるかと思いきや、10年以上配信されている『Blackjack 21』を含む多くのアプリが削除され、世界的に開発者が騒ぎ出す状況になっている。

今回の削除は、カジノ・カードカテゴリにあるゲーム、レーティングにギャンブル(まれ)以上が存在するアプリ、スロットや麻雀、ポーカーなど現実の賭博と結びつきが強いゲームを採用したアプリで、非法人のアプリが対象になっていると思われる。
できあがった役で攻撃する『麻雀バトルRPG』系や、ゲーム内通貨のやりとりがない「ギャンブルにも利用されるゲームのルールを使ったアプリ」も削除された。
▲削除された一例『麻雀少女II』。邪道な麻雀で戦い、役で攻撃力が決まるバトルゲーム

ギャンブルと結びつきの弱いアプリは、Apple に再申請することで復活できるようだが……一晩明けてみて周囲を見回すと、SNSやオリジナルカードゲームは復活しつつある。
しかし、競馬関連、麻雀関連アプリなどはまだ復活していないようだ(復活できたら、是非教えて欲しい)。
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▲こういったカードゲームは復活した模様。ガチャの問題ではなかった。

かつて Apple は、誰もが公平に競争できる場所として App Store を用意し、ルールを逸脱するアプリを取り締まるため審査を実施し、そのために App Store では手数料30%を開発者から徴収しているはずだった。しかし、今回の事件はそういった理念から大きく外れているように見える。
ここで開発者が抗議するべきかもしれないが、強く抗議すると「アカウントごと削除されて商売できなくなる」ことも知られており、ギャンブル系だけで商売していない開発者は強く抗議できないようだ。
プレイヤーとしてはライバルがいれば移動もできるのだが、iOS端末はゲームスマホとしては最高なので、移動先がない(自分自身、普段は Android 携帯を利用しているがゲーム用途では不満が多い)。

ギャンブルを模したアプリが無害なことは、かつて『Texas Hold'em』(Appleがリリースした唯一のゲームアプリだ)をリリースした Apple 自身が知っているはず。
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▲これが、Appleのギャンブルアプリだ!

今回の取り締まりは、個人名義のギャンブル系アプリが外部IDなどとの紐付けで換金されていたことも原因のようだが(Appleからは違法性を判断しづらい)、違法なギャンブルができるほどの開発元なら法人を作る事は簡単だし、アプリの審査をすり抜ける手口も個人より巧妙だ。個人を締め付けて解決する問題とは思えない。
私自身はアカウントを削除される恐れもないので、「Apple はちょっとおかしい」とはっきり言っておく。Apple にはぜひ正気を取り戻してもらいたい。