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課金しても下手だと役立たず。ウデマエ重視の骨太アクション『ギガントショック』レビュー

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巨大生物ギガントによって人類文明が崩壊した世界で、特殊な能力を得た人間たちがギガントに対する反抗作戦を開始するアクションシューティングを『ギガントショック(Gigant Shock)』紹介しよう。
本作には発売前からとても期待していたが、実際に遊んでみると期待以上の内容に本当に驚いている。課金よりプレイヤーの腕が重要なガチアクションで、課金してない私が終盤まで遊べている一方で、課金して最高レアを揃えた知人が「(下手だから)マルチプレイでパーティー組めない」と嘆くほど、ガチャよりプレイヤーの腕前重視。
手ごたえのあるゲームを探す全てのスマホゲーマーにおすすめしたい1作である。

プレイしてまず目につくのは、その映像の美しさ。巨大なモンスターを描くことだけに力を注いだ映像は、そのままゲーム機に移植しても遜色ないレベルで、スマホの映像の進化を感じる。
デザインも邪悪であり、まさに「巨大な災厄」と言うにふさわしい。
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そして、ゲーム部分ももちろんグラフィックに負けないほどハードだ。バトルシステムはギガントに砲撃を加えつつ攻撃を回避する……砲撃&回避のシステムだが、プレイヤーの腕次第でバトル効率が激変する思い切った調整になっている。
砲撃に関しては砲撃するキャラクターをドラッグし、照準を合わせてギガントの特定の部位を狙い撃つ操作。
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ただ狙い撃つだけでなく、すべてのギガントには弱点があるため、適切な位置に攻撃を行うために移動する要素もある。というか、基本的に弱点を攻撃できないと話にならない。
移動は左右のスワイプで行われ、スワイプした方向に移動し続けるので砲撃操作を邪魔することはない。移動方向とギガントの動きを織り込んで砲撃し、弱点に全弾命中したときはまさに爽快。
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ギガントの攻撃は直前に攻撃予告の赤い枠が表示され、その位置から移動とスライディング(移動方向にスワイプ、一瞬で距離を稼げるがスライディング後動けなくなる)で脱出すると攻撃を回避できる仕組みとなっている。
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▲なお、ハード難易度的な場所ではこの赤い枠が表示されないのでモーションを見切らないといけない。

もしくは、バリア能力がある仲間をタッチし、バリアを張ってダメージを減少させることになる。敵の攻撃がヒットする瞬間にバリアを張ると“PERFECT”判定になってダメージを受けないのだが、バリア貫通攻撃もあるし、バリアエネルギーに制限があるので無限にバリアを張れるわけでもない。
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基本的にはこのシステムの中で攻撃し、回避を繰り返してギガントを倒せればお宝や装備がドロップして次のステージに挑めるという仕組みになっている。
で、こういった基本システムが面白くても「どうせ基本無料だし、結局は育成でしょ?」となるわけなのだが……本作に関しては、第1章を遊ぶだけでも1人用ゲームとしてかなり楽しめる。

まず、シナリオが結構面白くて、人類文明が滅んでいる世界を舞台に
「旧世界には、蛇口をひねるだけで飲み水が無限に湧き出る水道なるものがあったという」
「伝説の水道を蘇らせるために我々の命をかけよう」
というノリで、ゲーム内は大真面目なのに、現実と重ね合わせるとやや滑稽な物語。
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そして、第1章(全60ステージ)に関してはスタミナ以外にプレイヤーを阻むものはなく、腕が良ければどんどん進んでいける。パーティーの装備の平均SOUL値が、ステージに設定された必要SOUL値より低いと露骨にダメージの増減があるのだが、プレイヤーがきっちり操作すればノーダメージプレイも可能で、50%差程度ならひっくり返せる。
で、50%差をひっくり返して敵を倒すと強い装備が手に入り、一気にその先が楽になる。
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どちらかというと、下手なプレイヤーに救済がない方が問題で、1章も後半になるとガチャ回しまくって★4キャラクターを揃えても敵の動きを見ないと勝てない。強い敵を倒さないと強い装備が手に入らない(レア度より装備の方が当面は重要)ので、SOUL補正をひっくり返せるプレイスキルの方が必要になるのだ。

そして、2章以降はオンライン協力プレイをした方が効率良くなってくる。
オンラインでは、強力なボスを相手に4人のプレイヤーが協力して戦うのだが、オンラインプレイでは最高レアリティの装備がガンガンドロップする。
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▲装備システムが複雑で、戦闘力や防御力(ダメージに影響する)とSOUL(推奨レベルに影響し、ダメージに関係ない)が別に存在し、SOULが高いから強い装備ではないのが面倒ではある。

で、このあたりからはギガントの行動も複雑になるので、パターンを見切り、協力して装甲を削り、弱点を露出させて一気に攻めるプレイが楽しくなってくる。
一方で、どれだけレア度の高いキャラ・強い装備で固めていても敵の攻撃を回避できないと足手まといなので、1度プレイした後にそのプレイヤーがいるパーティーは即解散してしまうシビアさもある。本当にガチのアクションなのだ。
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▲スタート時(左)と装甲を剥いだ後(右)。この連携ができないと、キツい。しかも、装甲を壊して一定時間後には全滅するほど凶悪な攻撃をし始めるので集中攻撃が必須。

また、進めるほどに敵の属性に合わせたキャラクター選択や補助能力を持ったキャラクターの選択も重要になる。弱点の露出が少ない敵を補助で凍らせて多段攻撃をあてたり、逆に1発が強い攻撃にいつでも弱点にあてられる照準能力を持つ補助キャラクターを組み合わせたりと、大ダメージコンボを決める楽しさもある。
Nexonと言うと課金がきついイメージがあるが、本作で重要なのは複数属性の攻撃キャラクターを★3以上で持っていること、それなりに補助キャラクターを持っていることだけで、これはゲーム開始時の10連でそれなりのキャラクターが出ればまったく問題なくクリアできる。
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では、課金は何に必要になるかというと……現時点ではプレイヤー同士で戦う“アリーナ”の頂点を目指すには上手な上で★4キャラクターが必要になってくる程度だろうか。
ギルドもないし、アリーナに参加しなくても十分楽しめる作りなので、このあたりはあまり気にしなくて大丈夫だ。
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▲アリーナでは同じボスを倒す速度を競う。お助けアイテムが出てきてライバルを邪魔することも可能。

アクションが楽しめる前提で、大きな欠点を探すとしたら「画面が大きくないとそもそもキツい」という程度だろうか。私は iPad を持って遊んでいるので評価8にするほど楽しんでいるが、画面が大きいスマホなら評価7と落ちるし、小型を売りにする Android 機種などでは精密な攻撃が難しくて楽しむことも難しいだろう。
しかし、端末の問題をクリアしているアクション好きには、ぜひ遊んで欲しいと思う。
『ファンタジーライフオンライン』や『世紀末デイズ』などの夏休み期間の新作ラッシュで埋もれ気味だが、このまま埋もれさせてしまうには惜しい内容だ。


評価:8(かなり面白い)

ゲーム概要
巨大なギガントを砲撃し、的確に回避して戦うハードアクション

おすすめポイント
巨大なギガントと戦う映像・演出
最高レアよりプレイヤーの腕が重要
上達するほどに気持ちよく戦えるアクション性

注意点
画面が小さい端末ではつらい
アクションを遊ぶ気構えがないとついていけない

アプリリンク:
GIGANT SHOCK 【ギガントショック】 (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)

開発:CARBON EYED(韓国)
販売:Nexon(韓国)
レビュー時バージョン:1.4.13
課金:ガチャ・スタミナ(主にガチャで★3揃えれば遊べるが、★4集めるなら泥沼)
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: