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『サカつく』の辰野英志さん新作、『天空のバルスミラス』発表。知る人ぞ知る2009年の名作『空中要塞ラピュータ』の系譜

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2009年、独創的で面白くて、でも売れなかった『空中要塞ラピュータ』というゲームがあった。
セガで初代『サカつく』でディレクターを務めた辰野英志さんの作品で、カップ型ミサイルを素早く組み立てて発射し、空中に浮かぶ要塞を狙い撃つパズルゲームで、ミサイルの速度(大きいと強いが遅い)と余剰パーツ処理の計算が楽しく、ミサイル命中時の爽快感もあってすごく面白かったのだが‥‥見た目の地味さもあってイマイチ人気が出なかった。
2010年ゲーム大賞でマイナーゲーム部門1位になってしまったのが「面白いけど売れてない」を象徴している。
当時、お会いしたときに「絶対ゲームが面白いと思っているので、ちゃんとした形で世に出したい」という意味のことをおっしゃっていて、自分も「続編が出たら絶対やりたい!」と思っていたのだが、ついに9年越しで『天空のバルスミラス』が発表されたので、ここに紹介する。

ゲームの舞台は、空に浮かぶ天空石を作る技術をもったミラス人が衰退し、その遺産となる天空城だけが残された世界。その世界では、衰退したミラス人たちの末裔が残った天空城を集めて争っている。
そんな中でプレイヤーも天空城の若き君主となり、他の天空城と戦い、超巨大積乱雲に住まう巨獣をハントし、自らの天空城と合体させて増強していくというダークファンタジーゲームになっているとのこと。
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そして“他の天空城との戦い”は、先ほど褒め称えた『空中要塞ラピュータ』のバトルの拡張版になっているようだ。
カップ型のミサイルを積み重ねていき、より多く、より同時に発射するほど強力なミサイルが発射できるシステムは受け継がれている模様。
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▲画面から分かりづらいけど、積み重ねるテクニックとミサイル発射のタイミング(たくさん積み過ぎると強いけど発射が遅いとか)あって、すごく奥が深かったんです。

発射されたミサイルは天空城の上に向かっていき、“防衛ユニット”を破壊していく。防衛ユニットの組み合わせ方によって先に狙うべきポイントが変わるため、素早く急所を見抜き、ミサイルを作っていくパズルになっているのは間違いない。
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▲空中城には巨獣を封印しているパーツなど、破壊に注意が必要な物などもあるようだ。

さらに、今作では火、水、樹、雷と言った属性を持つ巨獣を3体までシモベとして戦いに参加させることができ、パズルの戦いをサポートするとのこと。
巨獣の行動は巨獣でしか防ぐことができず、条件が揃えば“モンスターバトル”という巨獣同士の戦いも発生するらしい。
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▲巨獣は3DCGで描かれており、世界観をより補強するとか。生け贄に捧げて他の巨獣を釣る餌にもできるようだ。

さて、気になるゲームモードだが前作を拡張した“1人用”と、対戦の“サンダツ戦”に別れている。
1人で用意されたステージを次々クリアし報酬を手に入れる1人プレイ専用モードも搭載。対戦では体験できないような特別なステージや、さらに深いパズルを楽しめるとのこと。
『空中要塞ラピュータ』ファンにとって、これは嬉しい。
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プレイヤー同士で競う“サンダツ戦”は、他のプレイヤーが自身の天空城を攻める様子を眺める“防衛戦”と、他のプレイヤーの天空城に攻撃を仕掛ける“攻撃戦”の2種類から構成される。
防衛戦では、プレイヤーの天空城に設置した防衛ユニットが自動で敵を迎撃し、あとからその戦いをリプレイ機能で観戦できる。自分でパズルステージを作って、他のプレイヤーが意図したとおりに苦戦するのか確認できるわけだ。
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▲パーツの総重量が許す範囲で独自の空中城を作れる。

もちろん、攻撃戦はそういったプレイヤー達が作った城を攻撃するモードだ。いずれも非同期での対戦になり、リアルタイムに自分のペースで遊べるとのこと。
『天空のバルスミラス』は、面白かった(何度でも言う)『空中要塞ラピュータ』のルールをベースに、プレイヤー同士がステージを作って無限に遊べるようにしたもの、と言えそうだ。

リリースは7月を予定しているそうなので、また情報があればお伝えしたい。

関連リンク:
天空のバルスミラスTwitter