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最新作より明らかに面白いナゾ解きシリーズ原点『レイトン教授と不思議な街 EXHD』レビュー。良いナゾと、心地良い世界と、物語がここにある

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2007年に Nintendo DS で世界的なヒットを記録したナゾ解きアドベンチャー『レイトン教授と不思議な街』。その人気作が高解像度化を果たし、未収録アニメをくわえたものが『レイトン教授と不思議な街 EXHD for スマートフォン』だ。

2005年に『脳トレ』系が人気になったあとで、その後継として認知された『レイトン教授と不思議な街』がヒットして、私もその流れで遊んでいた。そこに今回移植がきて、「流行にのっていない今でも楽しめるか?」という不安も感じつつ触ったのだが……何のことない、やっぱりヒットの基礎を築いた本作は今遊んでも面白かった。本作は今もって、おすすめできるゲームの1本だ。

『初代レイトン』は、ナゾ解きで著名な“レイトン教授”と助手の“ルーク”が大富豪の遺産相続を解決を来され、その舞台となる街で次々とナゾを解き、事件の真相に迫るアドベンチャーゲームだ。ナゾ解きの面白さももちろんあったが、スマホ版で注目したいのはその世界観。元よりヨーロッパを舞台とした落ち着いた世界が人気を博していたが、スマホ版は違和感なく高画質化を果たし、アニメシーンが大幅に美しくなっている。
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▲動画は縦横どちらでも見ることができ、(横にしてタブレットで見ない限り)十分すぎる画質。

ストーリーパートのイラストも全て高画質化。昨今のソシャゲには見られない落ち着いたイラストで描かれるヨーロッパは居心地が良い。芸能人を使っているため最初は声に違和感を感じるかもしれないが、なれればそれも気にならなくなり、世界観に浸れるだろう。
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そしてゲームとしては、街の中を移動しつつ調べ、遺産相続騒動を軸としたさまざまな事件を順番に解決していく探偵アドベンチャーの形をとっている。物語を進める上で難しい操作、複雑なフラグ立てなどは存在せず、気になるところや話しかけたい人をタッチしていけば普通にゲームは進んでいく。re1

ただ、街を調べていて見つけるナゾや、物語の要所で問題を解決するために提示されるナゾを解く行為に関しては別。街に行く道を探したければ「街を探すナゾ」、観覧車を探すなら「観覧車にまつわるナゾ」など、テーマに沿ったナゾを解かなければならず、それらの中には歯ごたえがあるものも。rei8

ナゾの内容を見ると、『レイトン教授と不思議な街』は初代作品ということもあり、有名な謎が多い。しかし、その分プレイしやすくて王道の謎が多いともいえ、シリーズ入門にはぴったり。また、複雑な計算を必要とせずにヒラメキで解くナゾが多めで、気づいたら突然簡単にナゾが解ける“アハ体験”ができて、楽しく遊べるナゾが多い構成になっている。rei7

ヒラメキが必要なだけに1度悩み始めるとなかなか解けないナゾもあるが、ナゾの上から被せるように手描きメモできる機能、街中に隠されている“ひらめきコイン”を使って3段階までのヒントをもらう機能で大抵のナゾは解けるはず。また、レイトン教授が発売された2007年ごろよりも攻略サイトが充実しているので(回答を見ることに抵抗がなければ)、最後は検索で回答を探すことも可能だ。ただ、2007年の発売当時には解けないナゾを友達や恋人に見せて協力プレイで解く光景が見られたし、そういった楽しみ方を私としてはおすすめしたい。
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そして、無事に正答できれば“ナゾ解明!”となり、ナゾの難しさに応じて“ピカラット”という値が蓄積されていく。なお、ピカラットは誤答するたびに減っていき、おまけ要素の入手に影響を及ぼすのでできるだけ1回目で正答した方が良い。
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ナゾが過去作とまったく同じというのは難点だが、私自身は昔に解いたナゾを結構忘れていて、改めて楽しめたことは書いておく。
ストーリーを解くだけなら7時間程度で終わるが、やり込み要素も結構多い。街中を探して“ひらめきコイン”やおまけ要素を解放する“ナゾトキチャーム”を集めたり……。
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▲ナゾトキチャームはゲーム内でも手に入るが、おもちゃのナゾトキチャームを持っているとNFC対応携帯なら読み込みで入手することも可能。

謎を解いてロボットのパーツを手に入れたり、レイトンとルークの部屋をデコレーションしていく(セリフから好きなものを推測する簡単な謎も!)機能など、やり込み要素は満点。rei02

DS版では1年かけて配信されていた追加の謎も全部遊べるし、ゲーム進行やチャームの発見数に応じてHD画質の設定画を見るなどご褒美要素も楽しめるようになっている。
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価格はDS版4,800円に対して、スマホ版は1,200円。世界観が良いのはもちろんとして、スタンダードで楽しみやすい謎が約200問も用意されており、物語+謎本の価格と考えても十分お得。
ストーリーや舞台設定の納得感もあり、最新作よりも『レイトン ミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀』のような子供だましでもない。
ナゾ解きに頭をひねる“脳トレ”や“頭の体操”的な面白さは多くの人が楽しめるもので、誰にでもおすすめできる。大ヒット作品の基礎を築いただけの内容になっているので、未体験ならぜひ試していただきたい作品だ。
記事執筆時点で960円の20%オフセールをしているので、気になったらぜひ手を出して欲しい。

評価:8(かなり面白い)

おすすめポイント

ヨーロッパ調の不思議な街
アハ体験を感じるヒラメキ系のナゾが多い
高画質化した映像

気になるポイント
ナゾがDS版と同じ(再度プレイには向かないかも)

アプリリンク:
レイトン教授と不思議な町 EXHD (itunes 960円 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)
開発:レベルファイブ(日本)
公式サイト:http://www.layton.jp/fushigi-app/
レビュー時バージョン:1.0
課金:なし
ライター:ゲームキャスト トシ

動画: