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『けものフレンズ FESTIVAL』配信開始。アニメ絵と実写が入り乱れ、モンスト風なのに何かが違う“おもしろ低予算映画”のような味わい

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2017年にアニメが一世を風靡した『けものフレンズ』のオリジナルゲーム、『けものフレンズ FESTIVAL』がついにリリースされた。
ちょっとプレイしてみたところ、シュースで低予算映画のように楽しめる味わい(※良いところもあって、それが好きならば遊べる)だったので、軽く内容を紹介していきたい。
今回の舞台は“りうきう”エリア(ちほーじゃないらしい)で、“ジャパリまつり”という祭りの勝者に与えられるお宝をめぐってフレンズたちが戦うオリジナルストーリーとなっている。
なお、戦いの方法は“けもくらべ”という「決して傷つかず、フレンズの特性や特技を生かしたちからくらべのようなもの」らしい。
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この“けもくらべ”を現実に存在する他の者で説明するなら……『モンスターストライク』。
……引っ張るとフレンズのボールが射出され、ぶつかった相手にダメージが入る。で、プレイヤーが1回攻撃するたび敵も1回攻撃してくるので、ちょっとテンポが悪くて演出が微妙で爽快感のない『モンスターストライク』というと分かりやすいか。
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ただ、バトルは(一番時間がかかるが)メインではなく、このゲームのメインはあくまで『けものフレンズ』。
例えば、バトル中も音楽を遮ってナレーションが入り、「サーバルはアフリカのサバンナに生息しており、黒い斑点があります……」などと動物の解説が始まる。あまりにシュール。
しかし、ゲーム部分が劣化しすぎモンストなので解説の方が楽しい。むしろ、こっちがメイン。
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また、一定ターン数が経過すると各フレンズに応じた必殺技が使えるのだが、ここもまた本作の面白ポイント。突然に実写のカットインで演出がされ「!?」となる。
しかし、動物写真が可愛いので、これはこれで嫌いじゃない。
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▲サーバルの写真が可愛いが、絶滅した動物は(※最初は間に合わなかったのかと思っていた)イラスト。

本当に好きなのでもういっちょ。このカットインを図鑑で確認できるようにして欲しい。
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その他にも、メニュー画面に隠れているフレンズを見つける隠れん坊もあって、少ない予算の中で頑張ってけもフレらしさを出そうとしているのが伝わる構成だ。
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▲隠れているフレンズをタッチするとひょっこり出てくる。

あと、広告付きゲームなので突然「今なら趙雲もらえる!」とか出たりもする。
ソシャゲなのに広告付きなんて言われるが、これもシュールなギャグの一環だと思えば……。
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あと、独自要素として育成システムは推せる。
『けもフェス』では、レベルアップするたびキャラクターにポイントが蓄積され、それをHP、つよさ、はやさ、おもみ、センスの5つに自由に割り振れる独自システムを採用している。これがもしかしたら、面白みを生むかもしれない。
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▲ひたすら重いキャラで敵の蓋をしたり、早すぎてバグ並みの挙動を見せるキャラとかが生まれる……かも。

演出などは『モンスト』ライクな引っ張りアクションとしてみると劣るが、ファンの方はオリジナルストーリーが楽しめるかもしれないし、演出やら広告やらがシュールで「面白くないが興味深い」作りにはなっている。原作ものなのにキャラボイスすらほぼない予算の中で、よくやっているなぁ……と少し感心してしまったほどだ。
そう、ゲームが失敗して、もはやプロジェクトとして失敗が見込まれたIPのアニメを、予算がない(予想)中でたつき監督が頑張って作っている……アニメ『けものフレンズ』を見ていた頃を思い出してしまった。
ただ、そういうことを思い出すと、あの頃の熱気の終わりがこのゲームかと思うと妙に寂しい気持ちになってしまう。
今、発表されているゲームはこれで終わりなので、『けものフレンズ』のソシャゲ失敗に始まり、アニメで蘇ったプロジェクトの最後を、再びゲームで看取るのも乙なものかもしれない。
ただ、本体がすごく熱くなるんだよなぁ……。

アプリリンク:
けものフレンズ FESTIVAL (itunes 無料 iPhone/iPad対応 / GooglePlay)